「20世紀のロック・アルバム」第2クールは、一昨年に2枚、昨年は3枚と、ほんとたまのアップになっており申し訳なく思っております。今年もどうなるかわかりませんが、せっかくの新年でございますので、新春第一弾にアップしたいと思います。リトル・フィートの名盤をご紹介いたします。
Dixie Chicken / Little Feat
73年発表
個人的には、2ndアルバムの"Sailin' Shoes"の方が好みではあるんですが、彼らの名を広めた、この作品を20世紀を代表するアルバムに選びました。
2枚のアルバムを発表しながら、セールス的に芳しくなかった彼ら。オリジナル・メンバーのロイ・エストラーダが脱退し、ポール・バレルら、新たなメンバー3人を迎え、6人組となりました。
また、サウンドも、ニュー・オーリンズのサウンドを全面的に取り入れ、音楽的にも脱皮を図った作品。これが逆に彼らを特徴づけ、話題になったものだと思います。折しも、72年にドクター・ジョンが「Gumbo」を発表し、ディキシー・サウンドが注目されていたことも、追い風になったのかも知れません。
とは言え、それまでのセールス・ポイントだった、ロウエル・ジョージのスライド・ギターや、ジョン・ボーナムにも影響を与えたと言う、リッチー・ヘイワードのドラミングは、引き続き冴えわたっています。
ボニー・ブラムレットやボニー・レイットがバック・ヴォーカルでも参加しており、ゲスト陣も豪華でした。
このアルバムは、14年5月と08年9月に取り上げております。
https://ameblo.jp/bbkosi/entry-12471200252.html?frm=theme
https://ameblo.jp/bbkosi/entry-12471166049.html
① Dixie Chicken
アルバム・タイトル曲で、彼らの代表曲と言って良いナンバー。弾むようなリズムが心地よいナンバー。これぞ、デキシーといった感じ。ビル・ペインのピアノもサウンドの核になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ioux8xtj0ug
② Two Trains
③ RollUm Easy
④ On Your Way Down
続く②も、ディキシー調のナンバー。ここでも、ジョージのスライド・ギター・プレイ全開です。アコースティック・ブルーズ調の③では、ジョージのしっとりとしたヴォーカルが楽しめます。ニュー・オーリンズの巨匠、アラン・トゥーサン作の④は、スロー・テンポで、洗練された雰囲気のナンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=PE5Ve0y0m1Y
⑤ Kiss It Off
⑥ Fool Yourself
A面ラストは、これまたスローなブルーズ・ナンバー。泣きのメロディが印象的。B面トップの⑥は、再び、軽やかなディキシー調のナンバー。A面の冒頭に比べると、やや抑制気味。
https://www.youtube.com/watch?v=teFMCFe6Tag
⑦ Walkin' All Night
⑧ Fat Man in the Buthtub
スワンプな雰囲気満載の⑦は、バレルとペインがヴォーカルを担当。そして、78年のライヴ盤ではオープニングに収録された⑧は、ヴォーカルやバンド・サウンドが、サビに来てぐっと厚くなり、大いに盛り上がります。
⑨ Juliette
⑩ Lafayett
ペインのエレクトリック・ピアノに導かれる⑨は、スローなバラード調の曲ですが、バンド・サウンドは迫力満点。ラストの⑩は、インスト・ナンバー。ダルな雰囲気でアルバムは締めくくられます。
https://www.youtube.com/watch?v=d2X69qBR8m8
ディキシー調の曲が多いと言うイメージだったのですが、こうやって改めて聴くと、緩急をつけたヴァラエティに富んだ構成であると再認識しました。基本的に彼らのサウンドは、この後解散まで、この路線の延長にあったと思います。