鳴り物入りでデビューし、音楽的には評価を受けていたリトル・フィートでしたが、商業的な成功には至らず一旦、解散してしまいます。一時期、ローウェル・ジョージはジョン・セバスチャンやフィル・エヴァリーとバンドを組むという噂も流れたそうなのですが、結局、ベースのロイ・エストラーダが脱退し、彼の代わりに加入した、元デラニー&ボニーのバンドでベースを弾いていた、ケニー・グラッドニーが加入。その彼の推薦で、パーカッション奏者のサム・クレイトン、ジョージの高校の後輩であるポール・バレルが加入し、6人組となって再出発することとなりました。

そんな新生フィートによる初めてのアルバムは、彼らを代表する作品となりました。

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Dixie Chicken / Little Feat

73年発表

タイトルからも明らかなように、このアルバムでは、ニュー・オーリンズの音楽を大々的に取り入れたところが最も特徴的なところであると思います。もともと、ジョージやキーボードのビル・ペインらが傾倒していた部分はあったのですが、さらに新加入のグラッドニーがニュー・オーリンズ出身であったこともあり、それが加速されたものと思われます。

そして、このラインアップによる、新しいサウンドは、リトル・フィートの評判を著しく高め、歴史に残るロック・バンドの1つとなるきっかけとなりました。

ゲスト・ミュージシャンも、ボニー・ブラムレットボニー・レイット、スリー・ドッグ・ナイトのダニー・ハットンといった豪華な顔ぶれが揃い、新たなアメリカン・ロックの誕生を称えるかのようでした。

このアルバムは08年9月にご紹介しています。
http://blogs.yahoo.co.jp/kosi0810/35537738.html


① Dixie Chicken
オープニングのアルバム・タイトル曲は、まさに彼らの代表曲。ディキシー・ビートに、ペインのピアノや、ジョージのスライド・ギターが作り出すグルーヴ感が最高に素晴らしいナンバー。レイット、エミルー・ハリスジェシ・ウィンチェスターが参加する映像でどうぞ。


② Two Trains
これも、いかにもニュー・オーリンズといった雰囲気満載のファンキーなナンバー。ソウルフルな女声バック・ヴォーカルが、とっても雰囲気があります。
http://www.youtube.com/watch?v=uBbY0v2sKXg

③ Roll Um Easy
ハットンが参加した③は、アコースティック・ギターをバックにしたカントリー・ブルーズ調のナンバー。
http://www.youtube.com/watch?v=b7TLnRThxL0

④ On Your Way Down
ニュー・オーリンズの顔役、アラン・トゥーサンのナンバーを取り上げた④は、独特のおどろおどろしさを感じるR&Bナンバー。
http://www.youtube.com/watch?v=PE5Ve0y0m1Y

⑤ Kiss It Off
⑤もなんとなく、不気味な雰囲気で盛り上がってくるナンバーで、ドクター・ジョンに近いものを感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=vXZQPwFm9Ds

⑥ Fool Yourself
ギターでゲスト参加している、フレッド・タケットという人が書いた曲。静かなオープニングから、徐々に音が重なって行き、極上のフィート・サウンドに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=YqE_Has88fA

⑦ Walkin, All Night
バレルとペインの2人による作品。ジョージは曲作りに参加していない、当時としては珍しい形。レイド・バックしたダルな雰囲気が魅力の、気だるいナンバー。
http://www.youtube.com/watch?v=0jF0p2n0EHY

⑧ Fatman in the Bathtub
ライヴでも定番の⑧の、この独特なノリが実に気持ちがいいですね。ファンキーなリズムと、うなるスライド・ギター、最高です。ライヴ映像でどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=SkZsSydzQjM

⑨ Juliette
ペインのエレクトリック・ピアノと、誰が吹いてるのかわかりませんが、フルートの音色が印象的な、フュージョンにも通ずるナンバー。
http://www.youtube.com/watch?v=7XkjlpVp_LU

⑩ Lafyette Railroad
ラストは、ジョージとペインの共作によるインスト・ナンバー。これも、なんとも言えないレイド・バックした雰囲気が最高に心地よいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=HWJhbCFXrdc


ようやくメジャー・バンドとして、その地位を固めた彼ら。日本にも、ようやくその名前が轟いてくるようになりました。