買いたがる脳 | 思考の枠組みを広げる読書習慣

思考の枠組みを広げる読書習慣

小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」の研修受講生による読書感想文と行動宣言






㈱Snailtrackの本です!





最近はこの本を熟読してました。



買いたがる脳 なぜ、「それ」を選んでしまうのか?/日本実業出版社
¥1,890
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未だに洋書の300ページ以上は時間かかります。



今回僕は、2つの目的があってこの本を読みました。

①「人はなぜモノを買うのか?」を学ぶため

②自分がそこまで必要なじゃないものを買わないため



そして実際、神経経済学や行動経済学、消費者心理学の研究結果が、広告やマーケティング、販売に活かされ、いかに強力な「脳への売り込み」を行っているかを知ることができました。


少しだけシェアしますね波平




「はじめに」より


たとえばディアスカウントストアの照明は明るく、商品を最大限引き立たせようとしているが、高級化粧品売り場では顧客の顔映りがよくなるように柔らかな照明を多用している。

また、店内BGMのテンポによって買い回りのスピードが変わり、多くのカジノでは香りによってプレーヤーがリラックスして時間経過を忘れるように仕向けられている。


もし自分は甘言に惑わされず、あくまで本人の意思であらゆる商品を選んでいると思うのであれば、身の回りにあるものを見てもらいたい。

洋服や車など大多数の商品は、理性的判断だけでなく感情的判断で選んでいるはずだ。

つまり実際には、消費者が自覚できないようにきわめて巧妙な操作が行われている。




 中でも一番おもしろかったのは、僕自身毎日利用しているFBなどが保有するビッグデータで収集される個人情報について。



マーケティング担当者にとってフェイスブックの最も貴重なデータは、おそらくユーザーの「いいね!」に関する情報だろう。


「いいね!」を調べれば個人の年齢、知能指数、人種、性格、性的指向、宗教、政治的指向、喫煙の有無、薬物使用、飲酒などをかなり正確に予測できる。


たとえばキンドルで本を読むと、タイトルはもちろんハイライト箇所、めくったページ、最初から最後まで読んだか、拾い読みしたのか、どの部分を拾い読みしたのかまで記録される。

それらのデータを分析すれば、個人の興味や好みに合わせたマーケティングができる。


ビッグデータ分析に対する技術的ノウハウと資金が注ぎ込まれた成果として、コンピュータ用プログラム「RIOT(ライオット)」が誕生している。

世界中の人を追尾できるだけでなく、将来の行動も予測できることから「スパイ用のグーグル」と呼ばれる。

Twitter、FBなどを情報源とし、GPSデータで位置を特定する。

過去7日間にその人物が頻繁に訪れた上位10カ所が訪れた時間と共に割り出せる。






この書籍を読んで考えたこと。


現代人が躍起になって騒いでいる「個人情報保護」なんて、現代社会とのつながりを完全に遮断しない限りあまり意味のない価値観だ。

もし、

「先月こういう商品を○○株式会社からお買い上げなさいましたよね?あれに似た商品をわが社でも今回発売することになりまして・・・」

なんて電話がかかってきたらどうだろう?

「どこで調べたの!?前に商品を買った会社が情報の出どころなら、すぐに訴えますよ!」

みたいな話になるだろう。

インターネット上では毎日同じことをされてるのに・・・だ。

むしろ、「アマ○ンは自分の趣味嗜好をわかってくれてる」なんて、下手をすれば居心地の良さを感じているのではないだろうか?


インターネットにも接続せず、クレジットカードやデビットカードも利用せず、携帯電話も避け、電子取引も行わない状況を受け入れられないとすれば、「通信傍受」や「個人情報の販促利用」は、支払うべき代償だということ。


料金を支払っていなければ顧客じゃない。

販売される「商品」なのだから。



これからますますインターネットを利用したマーケティングは進化していくだろう。



もしかしたら我々が扱う紙の新聞が、

「いくら読んでも趣味嗜好や性格、家族構成や信じる宗教などの個人情報を抜かれませんよ?」

なんて売り文句で部数を盛り返す日が来るかもしれないうひひ


「今までの趣味嗜好の延長線上を楽しみたいのであれば、どうぞネットでニュースをお読みください。

過去に読んだ記事を分析し、あなたが必要としている最適なニュースをインターネットは届けてくれます。

でも、もし世間と自分のズレを確認したり、『新しい自分』を見つけたくなったら、紙の新聞をオススメします。

新聞は『新しい』を『聞く』と書きますから、『新しい自分の在り方を聞く』ためのものです。」


なんてね。