伊藤操のブログ -22ページ目

Vol.76 2011 Spring/Summer Collection 4

80年代半ばにデビューしたDonna Karanは世界の働く女性たちの憧れのブランドであり続けています。


彼女のモットーの“女性による女性のための服”は彼女と彼女の服を着る女性を的確に表現しています。癌で亡くなった彫刻家の夫のスタジオだったスペースでDKNYとDonna Karan のコレクションが発表されました。


夫のスティーブ・ワイズとのことは私が書いた本「Manage/ダナ・キャランを創った男、滝富夫」の中にも登場します。


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この本を書いたのは、女性の体と感情を理解しているダナ・キャランの服が大好きだということと、彼女の生き方も女性として共感できるからです。


このスタジオの隣には、ダナが力をいれているUrban Zenという店があります。ゆったりした服やアフリカのアーティストの小物などがダナ・キャランのデザイナーとしてのスピリッツを反映しています。


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グリニッジ・ストリートに並んでいるUrban Zenとこのスタジオでショーを行うことはダナ・キャランにとってとても大切なことだと思います。では、コレクションを見てみましょう。


DKNYはDKNYの伝統的スカーフから生まれたユニークな服が並びました。ビビッドで、若々しいDKNYはまさにニューヨークの働く女性たちの日常着として、欠かせない存在です。DKNYの服を着るとなんだか、仕事もプリベートも充実するような気になるから不思議です。


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DKNY を素敵に着こなしているはマリエさん(中)アイアさん(右)と広報ディレクターの杉山絵美さん

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Donna Karanのラインは、ベージュを基本に、バニラ、ワイルドハニー、オフホワイトなどの淡いトーンでまとめられていました。ギャザーを寄せたサテンのジャケットや羽衣のようにバイアスに重なるシルク・モスリンのドレスなどがグラマラスでラグジュアリーなムードを演出しています。


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こんな服を着こなせたら自分は「いい女」だと実感できるのでしょうね。このコレクションのテーマは“RAW ROMANCE ”RAWは生という意味で、ファッションに使うのは珍しい形容だと思いますが、ダナ・キャランはこのRAWという言葉の中に、軽ろやかな素材の中で、自由に動く女性の体を自然に感じ取る本能を大切にしてほしいという願望を込めているような気がします。「それぞれの服はエモーショナルな欲望をデザインしており、一人ひとりの自由を表現している」という彼女のメッセージに納得しました。