Vol.75 Spring/Summer 2011 Collections:3
ファッション・ショーには様々な形式があります。Runwayという舞台を設置してその上をモデルが歩くというのが一般的ですが、見せ方にいろいろな工夫が凝らされているのもあります。
今回は、ユニークな見せ方をしたブランドを紹介しましょう。
まずランウエイ方式から。
Vivienne Tamは大きなランウエイの欠点をうまく補う方法を採用しました。
広い会場の大きな舞台ですと、素材や柄が良く見えないのですが、舞台の背景に同時撮影したビデオでモデルのクローズアップを写しだしました。
今シーズンはパッチワークやレース、アプリケ、クロ-シェなど手作り感覚のディテールに凝ったコレクションなので、このようなクローズアップ方式はとてもいいアイディアですね。
Alberta FerrettiのPhilosophy は会場にコレクションと同じ東洋調の柄の絨毯を引きつめました。
イエロー、オレンジ、ブルー、レッドなどのカラフルなハッピーカラーの絨毯の上を、同じ柄、同じカラフルなハッピーカラーのリゾート感覚の服を着たモデルが歩くと、そこはニューヨークではなく、南の島に飛んで行ったような感覚に襲われました。
このブログにも登場したウェディング・デザイナーのJunko Yoshioka は今シーズンからイヴニング・ドレスも始めました。会場の柱の周りには素敵なお花が生けられていました。この花を手掛けたのは、このブログに登場した竹中健次 さんです。
シンプルな空間に木のように縦に伸びる花はロング・アンド・リーンのイヴニング・ドレスにとてもマッチしていました。今、話題のジュエリー・デザイナーのイヴァンカ・トランプの豪華なジュエリーがイヴニング・ドレスの胸元を美しく飾っています。
オールド・ハリウッド・グラマラスを21世紀的のレンズをとおしてデザインしたというドレスは女性ならいつか着てみたいと思わせるものばかりでした。
モダンでカジュアルそして、セクシーなDieselはニューヨークの摩天楼を背景にして、アスファルト・ジャングルに生きる女性を力強く表現しました。
会場にはいると窓側全面にカーティンが掛けられていましたが、最初のモデルが登場すると彼女の歩調に合わせて、カーティンが順番に開き、背景にはマンハッタンの摩天楼が出現しました。
都会の摩天楼を借景にした舞台もなかなかユニークです。逆光の為、写真ではシルエットしかわかりませんが、ハードなレザーとソフトな素材が絶妙に組み合わされ、洗練されたスタイルです。
Malandrinoは今回からコレクション会場になったリンカーンセンターの池の周りに彫刻のようにモデルを並べました。池の中にあるヘンリー・ムーアの彫刻と調和した服の彫刻のように見えました。ルーズなシルエットとウォーターカラーやセラミックトーンの優しい服から、南の島の風を感じました。
Troy Burchはショー会場のランウエイにモデルを並ばせました。70年代風のクリーンでシンプルなシルエットに明るいポップカラーを配しています。大きな麻のバッグや、麻のプラットホームシューズ、ゴールドのフープイヤリング、スネーク・バングルなど小物やアクセサリーもポップで楽しいものばかりです。











