Vol.19 Fabulous New Yorkers (6) Ann Froman
Ann Froman 彫刻家のアン・フロマンさんとの出会い
マンハッタンには数多くのアートギャラリーがあります。
ソーホーやチェルシーにあるような大きなものからアッパーイーストの住宅街のこじんまりしたおしゃれなギャラリーまでさまざまなタイプのギャラリーがあります。
アパートの近くを散歩していたら、素敵な彫刻が目にはいり、そのギャラリーにはいって行きました。
そして、そこで、彫刻家のアンさんに出会ったのです。
おおらかで一瞬にして人を包み込むパワーに溢れたアンさんと私は初対面とは思えないほど、意気投合してしまいました。
彼女はブロンズとアクリルを使い、ドレープをまとった女性のしなやかな、流れるようなボディや戦士たちの力強い肉体などを表現しています。
彫刻ならではの迫力に圧倒されました。
迫力はあるけれども、どこかとてもエレガントなのです。
なぜならアンさんは60年代から70年代はファッションデザイナーだったのです。
展示されているファッショナブルなデッサンも彼女の作品です。
「ファッションが大好き。デザイナーのころは賞もたくさんもらったのよ」とニッコリ。
彫刻家になった70年代からは多くのアートの賞を獲得しています。
アンさんの彫刻はエモーショナル・パワフル・スカラプチャーといわれており、見ていると優しい感情とパワーがみなぎってきます。
アンさんに好きな言葉を尋ねると「LOVE」と一言きっぱり。
その言葉どおり彼女の彫刻からは“愛”を感じることができます。
男女の愛、母親の愛、そして人類への愛。
9・11のテロの悲劇をテーマにした「HEROES」はアンさんのエモーションとパワーを感じます。
さまざまなドレスをまとった女性の彫刻はファッションデザイナーのセンスが感じられます。
「Fountain of Love」という男女の彫刻はとてもセクシーですね。
男女の愛を表現した「Fountain of Love (愛の泉)」
私が一番好きなのは、ドレープをまとった女性が凛とした姿で立っている彫刻「One Evolving」です。
この彫刻は偶然にもアンさん自身も一番好きだとのことです。
その理由がわかりました。
アンさんは事故で3年間、左目の視力を失いました。
彫刻家として絶望を味わいながらも、希望を捨てずに彫刻への情熱を持ち続けたのです。
そして、回復して最初に作ったのがこの「One Evolving」(進化し続ける、発展し続ける人)だったのです。
凛とした姿はアンさん自身の姿だったのです。
ウエブサイト(www.annfroman.com )にアクセスしてください。
彼女の素晴らしい彫刻の世界を堪能できます。
日本へも出荷できるとのことです。



