オッカ・フォン・デア・ダメラウ(メゾ・ソプラノ) 東京春祭 (4月15日・東京文化会館小ホール) | ベイのコンサート日記

ベイのコンサート日記

音楽評論家、長谷川京介のブログです。クラシックのコンサートやオペラなどの感想をつづっています。

オッカ・フォン・デア・ダメラウは一昨日のブルックナー「ミサ曲第3番」では声が出ておらず心配したが、今日のリサイタルでは問題なく、杞憂に終わってよかった。

潤いのある豊かな声。リサイタルはブラームス、ベルク、マーラー、ワーグナーと全てドイツ語であり、ハンブルク生まれのネイティブのダメラウの発音もフレージングも自然。

各曲の頂点では大ホールに響かせられるようなパワフルな声も出す。

 

前半では、ベルク:《4つの歌》op.2 より「眠ること、眠ること、ただ眠ること」 「眠っている私を運ぶ」 「今私は一番強い巨人を倒した」「森の日差し」が良かった。半音階が多く出る作品で、眠り=死をテーマにしたミステリアスな曲が並ぶ。 太く豊かなダメラウに合っていた。4曲目の「森の日差し」がパワフルだった。

 

後半のマーラー:《若き日の歌》より「思い出」 「別離」も明るくユーモアがあり、これもダムラウの性格に向いている。

伴奏のピアニスト、ソフィー・レノーがワーグナー=リスト:イゾルデの愛の死 を弾いた。歌の伴奏と同じく、音に丸みがあり温かい。

 

ワーグナー:《ヴェーゼンドンク歌曲集》は正直もう少し藤村実穂子のような深みもほしいと感じた。

アンコールはマーラー:《若き日の歌》 第1集 より 第3曲ハンスとグレーテと《子供の魔法の角笛》より 第4曲 この歌を作ったのは誰? の2曲。いずれも温かくユーモアがあった。

 

 

出演

メゾ・ソプラノ:オッカ・フォン・デア・ダメラウ

ピアノ:ソフィー・レノー

 

曲目

ブラームス:

 わが恋は緑 op.63-5

 調べのように私を通り抜ける op.105-1

 永遠の愛について op.43-1

 失望 op.72-4

ベルク:

 私の両眼を閉じてください(1907)

《4つの歌》op.2 より

  眠ること、眠ること、ただ眠ること

  眠っている私を運ぶ

  今私は一番強い巨人を倒した

  森の日差し

マーラー:

 《リュッケルトの詩による5つの歌曲》

休憩

マーラー:

 《若き日の歌》より

  思い出

  別離

ワーグナー=リスト:イゾルデの愛の死

ワーグナー:《ヴェーゼンドンク歌曲集》

 

[ アンコール曲 ]

マーラー:

 若き日の歌 第1集 より 第3曲 ハンスとグレーテ

 子供の魔法の角笛 より 第4曲 この歌を作ったのは誰?