オッカ・フォン・デア・ダメラウは一昨日のブルックナー「ミサ曲第3番」では声が出ておらず心配したが、今日のリサイタルでは問題なく、杞憂に終わってよかった。
潤いのある豊かな声。リサイタルはブラームス、ベルク、マーラー、ワーグナーと全てドイツ語であり、ハンブルク生まれのネイティブのダメラウの発音もフレージングも自然。
各曲の頂点では大ホールに響かせられるようなパワフルな声も出す。
前半では、ベルク:《4つの歌》op.2 より「眠ること、眠ること、ただ眠ること」 「眠っている私を運ぶ」 「今私は一番強い巨人を倒した」「森の日差し」が良かった。半音階が多く出る作品で、眠り=死をテーマにしたミステリアスな曲が並ぶ。 太く豊かなダメラウに合っていた。4曲目の「森の日差し」がパワフルだった。
後半のマーラー:《若き日の歌》より「思い出」 「別離」も明るくユーモアがあり、これもダムラウの性格に向いている。
伴奏のピアニスト、ソフィー・レノーがワーグナー=リスト:イゾルデの愛の死 を弾いた。歌の伴奏と同じく、音に丸みがあり温かい。
ワーグナー:《ヴェーゼンドンク歌曲集》は正直もう少し藤村実穂子のような深みもほしいと感じた。
アンコールはマーラー:《若き日の歌》 第1集 より 第3曲ハンスとグレーテと《子供の魔法の角笛》より 第4曲 この歌を作ったのは誰? の2曲。いずれも温かくユーモアがあった。
出演
メゾ・ソプラノ:オッカ・フォン・デア・ダメラウ
ピアノ:ソフィー・レノー
曲目
ブラームス:
わが恋は緑 op.63-5
調べのように私を通り抜ける op.105-1
永遠の愛について op.43-1
失望 op.72-4
ベルク:
私の両眼を閉じてください(1907)
《4つの歌》op.2 より
眠ること、眠ること、ただ眠ること
眠っている私を運ぶ
今私は一番強い巨人を倒した
森の日差し
マーラー:
《リュッケルトの詩による5つの歌曲》
休憩
マーラー:
《若き日の歌》より
思い出
別離
ワーグナー=リスト:イゾルデの愛の死
ワーグナー:《ヴェーゼンドンク歌曲集》
[ アンコール曲 ]
マーラー:
若き日の歌 第1集 より 第3曲 ハンスとグレーテ
子供の魔法の角笛 より 第4曲 この歌を作ったのは誰?