ヴィルトゥオーゾが集まったすべてに余裕のあるオーケストラ。それが今日のベルリン・フィルの印象だった。モーツァルト「交響曲第29番」は、35年前カラヤンの最後の来日公演で聴いた同曲となんと異なるスタイルだったことか。
レガートの極致のようなカラヤンと、ヴィブラートの少ない明晰でしなやかなモーツァルトを聴かせたペトレンコのスタイルの違いの大きさとともに、新しく就任したベルリン・フィル初の女性コンサートマスター、ヴィネタ・サレイカ=フォルクナー(Vineta Sareika-Völkner)が登場したこともあり、時代も人も変わったという歴史の流れを実感した。
ベルク「オーケストラのための3つの小品」はヴィルトゥオーゾ集団の面目躍如。まさに驚異だった。ブラームス「交響曲第4番」は晩秋の寂寞感(せきばくかん)と言うよりも、筋肉質でたくましい、強烈さが際立っていた。
詳しくは来月発売の「音楽の友」にレポートします。
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