[ 内容 ]
保守派から目の敵にされている「村山談話」とは何か。
田母神論文でクローズアップされる「村山談話」の真実とは!?
「村山談話」全文を収録。
[ 目次 ]
戦後五十年に際しての談話(「村山談話」全文)
はじめに 田母神騒動とは何だったのか?
第1章 「村山談話」誕生まで
第2章 杖るは信に如くは莫し
第3章 私の政治人生
第4章 「村山談話」の源流とこれから
[ 問題提起 ]
この時期、タイムリーな出版だ。
こういうのはタイミングをはずすと間が抜けたことになる。
だから急いで出すためにタイヘンだったことは理解したい。
が、本の中の約3分の1が村山さんの生い立ち紹介というのは。
以前出た本からちょっと変えて再録したという「私の政治人生」。
村山談話についてガッチリ語る本だと思ったから「ヤラレタ……」感が大きかった。
誰かが何かについて書いた、というような本があって、こっちは「何か」について知りたいから買ったのに、「誰か」についての話がえんえんと書いてあったりする。
お前の話なんかどうでもいい、と言いたくなるこの手の本は多い。
この時期に「村山談話」についての対談本を出すなら、もっと志を高く持ってつくっていただきたかった(きっと村山富市の人となりにページをさくのは正しい、と制作側は言うんだろうが)。
[ 結論 ]
さて文句は全部言ったので、それ以外の内容について。
村山談話をリアルタイムに聞いた人間であるが詳しい内容や経緯なんかすっかり忘れていた。
現在、タカ派がさかんに怒っているところの村山談話は「謝る必要もないのにアジア諸国にぺこぺこ謝った国賊の弁」みたいなことになっている。
「談話」の内容はごく穏当なものである。
自民党閣僚への根回しのこととかも書いてあるが、今見てもゲッと思うほどタカ派閣僚がいた村山内閣。
そんな閣僚たちを含めて、「談話」の発表は閣内満場一致で決まってたのか。
確かに、当時、「ものすごくモメた」とか「社会党が総理になった間隙を突いてゴリ押しで決めた」というような騒ぎにはなってなかったよな。
村山首相の後も橋本さん小渕さんと自民党の首相となっても「談話」はきっちり踏襲している。
イヤだったかもしれないけど。
それでも理に従うのが大人ってもんだろう。
[ コメント ]
というか、村山談話って、そんなに大騒ぎするようなものではない。
ふつうのことを、ふつうに言っているだけだ。
[ 読了した日 ]
2010年2月12日