みなさんお待ちかね?
ハミ受けの勘違いの話をしようと思います。
お前はハミ受けできないのに偉そうに語るな
なんて言わないでくださいね。
裸蹄管理の記事同様、
思いつくままに書き殴っていくので読みづらいとは思うけど、
興味のある方はどうぞ。
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まず、「ハミ受け」と聞いて
多くの人が思いつくイメージはこれやと思います。
「え、これがハミ受け?」
「ちょっと違うんじゃない?」
と疑問に思ったあなた、
大正解!
これは、手綱を握った拳を左右交互に
グッグッと引くとできる馬の形です。
私でもできる↓
ほらね。
でもよーーーく見てみてください。
背中とか。
めっちゃ反ってる。
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
私の周りに良いお手本できる人がいないので
良い写真がなく、
イラストにしてみたけど
本来はこうなるはずですよね↓
でも私のはこんな感じ↓
背中が反ってる。
こうなるともうキッシングスパインまっしぐらです。
なんで馬が背中を反らせるのかと言うと、
痛いから。
なぜ痛いかというと、私の座り方のせい。
あ、「座り」方とか言ってる時点で間違ってますね。
座っちゃダメで跨らないといけないんだっけ。
普通なら馬はこうやけど、
骨盤を傾けたまま座ると、
背中に負荷がかかって痛みから逃れるために反らす。
もっと痛くなると頭を上げたり。
こんな↓状態の馬、見かけませんか?
間違った座り方をされて背中が痛いのに、
今度はハミで引っ張られて口が痛くなり、
顔を高く上げたり下にもぐったりして逃れようとします。
その結果、頸に変な筋肉がついたりします↓
↑こういう馬、たくさんいませんか?
本来はこのような姿のはず↓
自馬探しの時はこれも基準にしてました。
「私は強く引っ張ってはいない」
「外方のハミは動かさず内方で合図してる」
「優しくハミを当てている」
という主張もあると思うけど、
たぶんそれ全部そのつもりなだけです。
ハミの代わりに針金を自分で口に咥えて
他の人に引っ張ってもらってみたらわかります。
ハミ受けさせるには
・馬を元気よくまっすぐ前に進ませる
・騎乗者の拳は馬の頭の動きと連動させる
(=馬の口とハミが同じように動く)
が必要なんやけど、
まずまっすぐ進むのが大変やし
元気よくなんて心身ともに健康な馬でないとできひんし、
馬の頭って3Dでダイナミックに動いてるのに
多くの指導者は拳を静定するよう指導してくるし…。
「なんかうまいこと乗ってたら馬がハミ受けしてくれた」
が本来の姿やのに
「ハミ受けさせるためになんやかんや馬に働きかける」
っていうのは逆で、間違い。
私も過去に
「外方拳はじっとしておいて内方拳を3㎝ほど何回か引く」
みたいなことを教えてもらったけど、
拳をじっとさせてたら
馬の頭の動きについていくことなんてできるはずもなく。
それで口が痛くなって馬が頭をカクッと下げただけやのに
ハミ受けできたーヾ(*´∀`*)ノと喜んでた私はアホでした。
あとこれで勘違いする人が多いのが、
ハミ受けさせたら乗り心地が良くなる
というやつ。
↑の2頭、座りやすそうなのはどっちですか?
鞍の形を思い出してください。
へこんでますよねぇ…。
前後にストッパーがある状態。
反らした馬の背中と同じ形。
もしこれが⌒↖こんな形だったら、
前後に滑り落ちて乗りにくいでしょうねぇ。
しかも背中反らした馬は肢を大きく動かせずに
チョコチョコした歩様なって上下動が少なくなるので、
ますます乗るのが楽ちんになります。
それを、
ハミ受けしたから乗り心地が良くなった
とみんな勘違いしてるんやと思います。
でも実際は肢が動かないから
高い障害跳べないし、馬場の点数もつかない。
で、なぜみんなハミ受けにそこまで憧れるのか?
オリンピックや世界選手権などで見る、
ハミを受けた馬の姿や動きが美しくて
惚れ惚れするから真似したい。
それもあると思うけど、
指導者が安易に勧めすぎるから
やと私は思います。
80㎝くらいの障害を跳んだり
A2課目の経路を踏んだりできるようになってくる頃、
だいたいみんな乗馬技術の伸び悩みが出てきて行き詰まる。
そんな時に、
もっと奥深い解決策があるにもかかわらず
それを教えられない・知らない未熟な指導者が
「ハミ受けできたら万事解決!」
と持ち出すもんやから
みんなそれに固執する。
「ハミ受け」という魔法の言葉で生徒をごまかして、
生徒は上級テクニックを学んでいるかのような気持ちになれて。
斜め横歩とか肩内なんかも同じ魔法の言葉で、
実際にはできてないけど時々「できてる」と言えば生徒は満足。
それで馬が痛い思いをして傷ついてるというのに、
そこに気付かず疑問にも思わず目もむけずにいる
指導者も生徒も未熟やと思います。
幸運なことに、今、教えてもらってる先生は
レッスン中にハミ受けの「ハ」の字も出しません。
私がずっと無口で乗ってたのを知ってるからというのもあるけど、
なぜハミ受けをやらないのか尋ねてみたら、
それができるほどの技量が人馬ともにないから
と一蹴されました。
全乗振の馬場1級ホルダーでもこの言われようw
・右肩がいっつも下がってること
・膝で馬体を挟みすぎること
・拳が上半身と共に動くこと
これらをまずはなんとかしないと、だそうです。
あと、私なりにいつも馬を元気よく動かしてるつもりやけど、
全然動いてないらしい…。(ノ∀`)アチャー
裸蹄の記事で書いたように、
裸蹄こそ正義!
蹄鉄は悪!
ではないのと同様、
ハミこそ諸悪の根源!
無口乗馬最高!!!
というスタンスではありません。
現に今よく乗ってるリュウノスターは、
というかほとんどの馬はみんな前のめりになってるため
ハミという支えがないとバランスが取れないからです。
先代の我が家の愛馬くんとミスティは、
色々あってセルフキャリッジがちゃんとできてたから
無口で乗ってました。
そして2頭ともよくクットウしてました。
あ、クットウは漢字で書くと
屈撓
であって、
屈頭
ではありません。
屈頭なんて間違いするから、
↑これをクットウだと勘違いする人がたくさん現れる。
クットウについても綴りたいことはたくさんあるけど、
語り出すとまた長くなるのでそれはまた別の機会に。
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とにもかくにも、
私はなんやかんやで自分のやってたことが
勘違いやと気付くことができたけど、
「馬を丸めないと」
「まずは馬の形を作って」
「内方姿勢が、ベンドが…」
と考えてる人は、
ちょっと立ち止まって
それが本当に正しいのかどうか
考えてみてはいかがでしょうか。
今日はこの辺でおしまい。