安岡力也はどれだけすごいか?の考察(パソコン読者用)
※安岡力也さんを偲んで、2008年・4月8日の記事を再アップ。
先日、お酒の席で、「芸能界で1番ケンカが強いのは誰か?」が話題になりました。
宴席では、年に何度か取り上げられる話題です。今回も、長渕剛、菅原文太、竹内力といった有名どころから、大木凡人、元チェッカ-ズの高杢、逆にデーブスペクターなど、たくさんの名前が飛び交いました。
ですが毎回、ある人物の名前が出た瞬間、その場の全員が納得します。
「やっぱりあいつか!」
「どう見てもあいつやろ!」
誰もが口をそろえて、議論に終止符が打たれるのです。
そう、安岡力也です。
ご存知のとおり、この人は百戦錬磨のケンカ番長です。耳を疑うような武勇伝にこと欠かず、なにしろ、愚連隊70人相手に乱闘して勝った、という逸話があるのです。
70人ですよ、70人?こんなもん、あのケンシロウでもウンコ我慢しながらやったら負けるでしょ!?
敵も、「70人集めないと力也には勝てない!」と判断したわけです。勝ち負け以前に、70人を集めさせたという事実自体が、人間という生物のカテゴリーを超えてしまっているでしょう。
家に帰った僕は、安岡力也について詳しく調べました。
するといろいろ出てきましたよ、武勇伝が。武勇伝、いや「神話」と呼んでも差し支えないほどのエピソードが山のように出てきたのです。
そこで今回は、「安岡力也はどれだけすごいか?」の考察です。
以下、安岡力也にまつわる神話をご紹介させていただきます。
①祖父がシシリアンマフィアである。
いきなり、すごいのがきましたよ。
他界した、力也さんの祖父。彼はアメリカンマフィアではなくイタリアンマフィアでもなく、シシリアンマフィアなのです。
シシリアンマフィアですよ、シシリアンマフィア?言いにくくて噛みそうになる以前に、こんなもん怖すぎて舌噛むでしょ!?
ヤフーでシシリアンマフィアを検索したら、シマンテックがウイルス検索を始めました。
「名前が怖すぎてウイルスの可能性がある!」
こう言わんばかりにウイルスを探し始め、検索エンジンもびびっているのか、心なしか検索スピードも遅かったほどなのです。
僕はおびえながらも、シシリアンマフィアのことを特集したページにたどり着きました。勇気を出してページを開いたところ、そこに書かれてあったシシリアンマフィアの概要に、愕然としました。
『シシリアンマフィアとは……ドン・カプチーノ一家に代表される、血で血を洗う抗争集団の俗称。爆弾を車に仕掛けるのを得意としており、ターゲットを拉致してリンチのうえ殺害。祝杯のワイン代わりとして血を飲み、死体は硫酸で溶かして処理する』
怖すぎるわ、これ!モザイクいるわ、こんな文章!
『抗争で顔面を破壊された者もおり、顔を紙袋で隠して生活する者もいる』
ウォーズマンか!完全に幼少期のウォーズマンやんけ、それ!
『ただ、家族の絆は強くて情にもろく、優しい一面もあるファミリーである』
何のフォローやねん、これ!死体を硫酸で溶かすような奴が情にもろいとか知らんわ!「ビン・ラディンはハトにエサをやっていた」とか言われても感動せえへんのと同じや!
これ、はっきり言いますけど、就職の面接で、履歴書の自己PRに「祖父がシシリアンマフィアです」と書いたら面接通してくれますよ。おびえた面接官が、「き、君はもう2次、3次はいいからすぐに社長に会ってくれ、いや、会ってください!」と口にして、即、幹部にしてもらえる可能性もあるでしょう。
②ケンカ6000戦無敗である。
これは、恐ろしいどころの話ではないです。
力也さんは、水を飲むぐらいのノリで相手を殴ります。通算で6000回ケンカをしており、そのすべてに勝利を収めているのです。
サイヤ人か、お前!生粋の戦闘民族しかそんなに戦わんぞ!
そもそも無敗という称号以前に、人と6000回もめたという事実が常軌を逸しています。
力也さんは現在、59歳です。母親のお腹から出た瞬間、「早く出せよコラ!」と、すでに産婆とケンカしていたとしても、そのデビュー戦から数えて年間100戦以上こなしたことになるのです。
お前、3日に1回のもめごとってなんやねん!スラム街にもおらんぞ、そんなバトルジャンキー!
なにしろ、年間100戦です。「お前、雑草踏むなコラ!」とか、「二酸化炭素を吐き出しすぎだよてめえ!」などと無理矢理ケンカに持ち込まないことには、年100戦も消化できません。すれ違っただけの奴に、「てめえ、生きてんじゃねえよ!」といった無茶な理由でケンカを挑まないことには6000回もケンカにはならないんですね。
しかも、これだけケンカしといて、1回も訴えられていません。逃げ足もすごく、もしくは、「警察にチクったらお前の6親等以内全員ブチ殺すからな!」的なことを言って口を封じているのでしょう。
その結果、これね、友達の友達の友達の友達ぐらいなら、力也さんに殴られた奴に出くわしますよ。出くわさないとしたら、「言うと殺される=黙っている」からで、「3軒隣は力也の被害者」といっても過言ではないのです。
言えないだけで、あなたのお住まいのマンションにも被害者が、もっと言えば、この国の引きこもり全員が力也さんの被害者である可能性もあります。「黙ってろよ、てめえ」とドスをきかされた人が、怖くて部屋を出られなくなっただけかもしれないのです。
なにより、よく数えてたな、という話です。こんなに戦っていれば数は覚えられないでしょうから、これは子供のころから、「力也のケンカ帳」なる日記をつけている可能性が高いです。
『今日は、山田君の腕をへし折りました!』
『今日は雨が降って機嫌が悪かったので、佐藤君の口にフォークを突っ込んでアッパーをくらわしました!』
『今日は暇だったので、留学生のトーマスを撲殺しました!死体処理のために、おやつを食べたあとにおじいちゃんから硫酸を借りて溶かしました!』
血で染まったジャポニカに、このような日記をつけていたのでしょう。
③映画『自動車泥棒』で、混血児の少年役で芸能界デビュー。
デビューの仕方1つとっても、普通ではありません。力也さんは、混血児の少年役でデビューしたのです。
どんなデビューやねん、これ!そもそも『自動車泥棒』ってどんな映画やねん!淀川長治がどうコメントしたか知りたいわ!
気になった僕は、力也さんの過去の出演映画を調べました。
するとまあ、信じがたい出演作ばかりですよ。『野良猫ロック・セッ○スハンター』『不良番長・やらずぶったくり』『不良番長・のら犬機動隊』『直撃地獄拳・大逆転』といった耳を疑うような映画ばかりなのです。
誰が観んねん、こんなクソ映画!直撃地獄拳って、小学生かお前!
『ボディガード牙・必殺三角飛び』
学園祭でやれ、そんな映画!無料にしてチラシに飴つけてたら2、3人は来てくれるわ!
『不良番長・突撃一番』
知らんがな、そんなもん!番長が何番目に突撃するとか興味ないわ!
『不良番長・出たとこ勝負』
不良番長多いねんさっきから!イライラしすぎて俺も不良になるわ!
なのに、当の本人は平気です。ふざけた映画に出演し続け、しまいには『悪魔の毒毒モンスターが東京へ行く』という映画に主演で出たのです。
お前、仕事選べよたまには!「お前、今どんな仕事してんの?」「毒毒で主演張ってます!」とは言えんやろいくらなんでも!
『不良番長・口からでまかせ』
また出た、不良番長!なんでそんなに不良番長に出んねんお前は!不良番長に弱み握られてのか!?
このような恐ろしい出演作ばかりで、なのに力也さんのデビュー曲は『遠い渚』なのです。
どういうことやねん、お前!毒毒モンスターが渚て!もしかして、赤潮の歌か何か?「♪君の瞳に赤ー!」とか言うんか!?
『不良番長・暴走バギー集団』
トラウマなるわ!これ以上不良番長出されたら完全にトラウマなるわ!
もう、あいた口がふさがりませんよ。
④キックボクシングの試合で、ダウンした相手の頭部を蹴り倒したため刑務所に1年半服役。収監された際、暇だったので、カリに歯ブラシのサオを埋め込んだ。
これは、えげつないです。書いている僕自身がイヤになってくるほど、常軌を逸しています。
力也さんは、キックボクシングをやっていました。雑誌のインタビューでそのことについて訊かれ、こう答えています。
「キックボクシングってのは相手の息の根を止めるスポーツなんだよ」
聞いたことないわ、そんなルール!山本小鉄がマジキックで止めてくるわ、そんなスポーツ!
「相手の息の根止めねえとこっちが息の根止められるんだよ!」
KGB上がりか、お前!そんな被害妄想、KGB上がりの奴しか持たんぞ!
しかも、力也さんがキックボクシングに目覚めたきっかけがまた、すごいです。
「父親の初めての誕生日プレゼントがボクシンググローブだったから」
これが理由らしく、父親はその際、「男は産まれた瞬間から闘いが始まっている」と告げたらしいのです。
誰と闘うねん、産まれていきなり!抱えたナースの間接取るなんて聞いたことないぞ!
この逸話を聞くと、先ほどの産婆にキレたという説も、まんざらではないでしょう。それこそ母親の胎内にいるときから、「お母さんのお腹目掛けてワンツーだ!ジャブ、ジャブ、ストレート!もっと腰入れろ!」といった感じで胎内トレーニングをしていた可能性もあるのです。
そんな父親は、力也さんが小学生のときに、マフィアの襲撃で殺されてしまいます。力也さんが家に帰ったら血祭りになっていたらしく、父親の死体を見た力也さんは、死体を抱きかかえてこう言いました。
「お疲れ!」
お疲れやあるか、お前!ノリ軽すぎるやろ、いくらなんでも!
「親父、お疲れ!」
バイト終わりか、お前の親父!タイムカード切ったあとのあいさつか、それ!
それでも100譲って、これはよしとしましょう。問題は刑務所に入ってからの行動で、暇を理由に、カリに歯ブラシを入れたのです。
何考えてんねん、お前!もしかして、「カリ出所」とかそういうこと?カリに出し入れしとったら仮出所できるかもしれないって、できるかそんな奴!全然反省してへんやんけ!
本当にありえなさすぎて、体が震えてきましたよ。
⑤稲川淳二と幼なじみである。
70人の愚連隊に勝ち、6000回もケンカをしてきた安岡力也。実は彼は、稲川淳二と幼なじみなのです。
どういうことやねん、お前!たしかに恐怖を語る2人やけど、恐怖の意味合いが違うやろ!
「物心ついたころから淳二と一緒!」
キャラ台なしやわ!そもそも祖父がシシリアンマフィアやのに近所に稲川淳二がいるって家どこやねん、お前!どこ丁目に行ったらそんな濃いコミュニティーあんねん!シムシティーでもそんな街つくれんわ!
この2人の会話を想像したら、恐ろしいです。なにしろ、「滑舌番長VSケンカ番長」です。「はっきりしゃべれ!」と力也さんがブチギレている姿が目に浮かぶのです。
「りちやさん、こんにちわ!」
「はっ?」
「りちやさん、こんにちわ!」
「力也だよ!てめえ、人の名前を間違ってんじゃねえよ!」
「ちゅいまちぇん!」
「謝る気ねえだろ!それより何の用だよ?」
「新ちい怪談ができたので、聞いてもらおうかなと思いまちて」
「はっ?」
「新ちいきゃいだんがでちたので聞いてもらおうきゃなと思いまちて」
「親父、こいつに硫酸頼むわ!」
このように、口に焼きの入った奴が体にも焼きを入れられる姿を想像せずにはいられません。もしくは、怒った力也さんが淳二の舌に硫酸をかけたせいで、あんな滑舌になったかもしれないのです。
ほかにも力也さんは、元広島カープの監督、古葉竹識氏と親しいです。古馬さんが広島市の市長選挙に立候補した際に応援演説に行ったのですが、古葉さんは「広島の平和を永久に守ります!」と訴えかけたのです。
平和訴えかけんのにこんな荒くれもん呼ぶなよ!人の平和をつぶすような男やぞ、こいつは!
「どうも安岡力也です。ノーモア、核!」
説得力あるかボケ!そもそも爆弾で人殺してるやろお前の祖先!なんの説得力もないねん、お前が言っても!
結局、古葉さんは選挙に落ちました。ですがこれは、安岡力也のせい、と考えて間違いないでしょう。
⑥飲み仲間は、内田裕也、ジョー山中、八名信夫、宇崎竜童である。
こんな濃い面子、世界中どこ探してもいないですよ。ヤカラ中のヤカラが複数集まり、夜な夜ないかつい酒を飲みたおしているのです。
どんな飲み会やねん、これ!人殺す相談してるとしか思えんぞ!
なにしろ、あの内田裕也がいます。
「兄貴、奴の死体は硫酸で溶かします?それとも埋めたてます?」
「そうだな。70℃の硫酸でシェケナベイビー!」
このような恐ろしい会話をしていることは間違いなく、しかも周囲の客を巻き込んで、妙なロックンロールを歌おうとする可能性が高いです。
「そこのお兄さん、ロックンロールしてるかい?」
「はっ?」
「ロックンロールはしてますか?」
「すいません、大事な話があるんで向こうに行っててもらえませんかね?」
「てめえ、この野郎!」
「やめろ、力也」
「だって兄貴、こいつは兄貴の話を無視したんだぜ?」
「いいからやめろって言ってんだ!」
「兄貴……」
「それよりお兄さん、シェケナベイビー?」
「はっ?」
「お兄さん、歳はシェケナベイビー?」
「いやあの、ちょっとおっしゃってる意味が……」
「てめえ、兄貴の言ってる意味がなんでわかんねえんだよ!」
「Love&Peace!」
「兄貴!俺はこいつが何言ってるかわかんねえって言うからさ!」
「Love&Peace!」
「兄貴……」
「お兄さん、Love&Peace?」
「……」
「Love&Peace?」
「ま、まあLove&Peaceです……」
なんやねん、これ!なんでもシェケナベイビーで片がつくと思うな、お前!
内田裕也は、店の迷惑など気にしないでしょう。「宇崎、音入れろ!」「へい、兄貴!」「淳二、ギター用意しろ!」「ひゃい!」といった感じで勝手に店を借り切り、「♪パワートゥザピープル!」「兄貴!」「♪パワートゥザピープル!」「やに貴!」などと妙なロックンロールをシェケナベイビーするのです。
そして、最後。
これはかなりヘビーなエピソードなので、読まれる方は覚悟してください。
⑦山で生き残るという1週間のサバイバルゲームでヘビを食べ、ヤギと交わった。勃○時の大きさは30センチを超し、40歳を過ぎてからカリに真珠を埋め込んだ。
恐怖を通り越して、もう声が出ないです。
まず、サバイバルゲームって普通、遊びでやりません?合宿のノリでやったり、おもちゃの銃で打ち合ったりするのが普通でしょ?
なのにこの人は、命をかけた本当のサバイバルゲームをやっています。生き残るためにヘビを食べ、しかも何を思ったのか、山にいるヤギに手を出したのです。
我慢せえよ、1週間ぐらい!どこの世界にヤギと生でやる奴がおんねん!
「ヤギもなかなかのもんだったよ!」
やかましいわ!歯ブラシごと突っ込まれるヤギの身にもなれ!
「2発目もよかったよ!」
2発やったん!?1発じゃ足らんかったんや!?
これね、ヤギも「メー!」じゃなくて、普通に「イタイ!」って叫んでますよ。動物だとかは関係ないです、痛すぎて脳がスパークし、人間の言葉を口にしてもおかしくないのです。
とはいえ、僕を心底おびえさせたのは、ヤギに手を出したことではありません。神レベルに達したそのペ○スの大きさで、30センチを優に超えているらしいのです。
30センチですよ、30センチ?こんなもん、勃○してバッターボックスに立ったらどっちがバットか本当にわからないでしょ!?
ピッチャーどこ投げたらええねん、お前!グローブ目がけて投げたら毎回デッドボールやんけ!「変化球VSペ○スの変化」で相当技巧派じゃないと抑えられんぞ!もしくはそれを理由にドラフトかかるぞ、お前!
小さく前にならえをしても、完全に前の奴のお尻に当たります。そもそも小さく前にならえと言われても、全然小さくないんですね。
しかも歯ブラシだけでは物足りないのか、真珠も入れました。特大の真珠を埋め込み、ますますペ○スを強化し始めたのです。
どこ目指してんねん、お前!何がお前にそうさせんねん!
「60になったらもう1個入れようと思ってるんだよ」
何の記念やねん、それ!おとなしくチャンチャンコ着とけや、お前!ていうかもう拝みたくなるわ、お前のペ○ス!1周してもう逆にリスペクトに値するわ!
このように、すべてが常軌を逸しています。規格外もいいところで、同じ人間とは思えないんですね。
そんな力也さんですが、現在は病気療養中です。ですが僕には、ナースコールをペ○スで押す姿が目に浮かんで仕方がないのです……。
※2012年・4月8日に、安岡力也さんは逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたします。合掌。
安岡力也はどれだけすごいか?の考察(携帯読者用)
※安岡力也さんを偲んで、2008年・4月8日の記事を再アップ。
先日、お酒の席で、「芸能界で1番ケンカが強いのは誰か?」が話題になりました。
宴席では、年に何度か取り上げられる話題です。今回も、長渕剛、菅原文太、竹内力といった有名どころから、大木凡人、元チェッカ-ズの高杢、逆にデーブスペクターなど、たくさんの名前が飛び交いました。
ですが毎回、ある人物の名前が出た瞬間、その場の全員が納得します。
「やっぱりあいつか!」
「どう見てもあいつやろ!」
誰もが口をそろえて、議論に終止符が打たれるのです。
そう、安岡力也です。
ご存知のとおり、この人は百戦錬磨のケンカ番長です。耳を疑うような武勇伝にこと欠かず、なにしろ、愚連隊70人相手に乱闘して勝った、という逸話があるのです。
70人ですよ、70人?こんなもん、あのケンシロウでもウンコ我慢しながらやったら負けるでしょ!?
敵も、「70人集めないと力也には勝てない!」と判断したわけです。勝ち負け以前に、70人を集めさせたという事実自体が、人間という生物のカテゴリーを超えてしまっているでしょう。
家に帰った僕は、安岡力也について詳しく調べました。
するといろいろ出てきましたよ、武勇伝が。武勇伝、いや「神話」と呼んでも差し支えないほどのエピソードが山のように出てきたのです。
そこで今回は、「安岡力也はどれだけすごいか?」の考察です。
以下、安岡力也にまつわる神話をご紹介させていただきます。
①祖父がシシリアンマフィアである。
いきなり、すごいのがきましたよ。
他界した、力也さんの祖父。彼はアメリカンマフィアではなくイタリアンマフィアでもなく、シシリアンマフィアなのです。
シシリアンマフィアですよ、シシリアンマフィア?言いにくくて噛みそうになる以前に、こんなもん怖すぎて舌噛むでしょ!?
ヤフーでシシリアンマフィアを検索したら、シマンテックがウイルス検索を始めました。
「名前が怖すぎてウイルスの可能性がある!」
こう言わんばかりにウイルスを探し始め、検索エンジンもびびっているのか、心なしか検索スピードも遅かったほどなのです。
僕はおびえながらも、シシリアンマフィアのことを特集したページにたどり着きました。勇気を出してページを開いたところ、そこに書かれてあったシシリアンマフィアの概要に、愕然としました。
『シシリアンマフィアとは……ドン・カプチーノ一家に代表される、血で血を洗う抗争集団の俗称。爆弾を車に仕掛けるのを得意としており、ターゲットを拉致してリンチのうえ殺害。祝杯のワイン代わりとして血を飲み、死体は硫酸で溶かして処理する』
怖すぎるわ、これ!モザイクいるわ、こんな文章!
『抗争で顔面を破壊された者もおり、顔を紙袋で隠して生活する者もいる』
ウォーズマンか!完全に幼少期のウォーズマンやんけ、それ!
『ただ、家族の絆は強くて情にもろく、優しい一面もあるファミリーである』
何のフォローやねん、これ!死体を硫酸で溶かすような奴が情にもろいとか知らんわ!「ビン・ラディンはハトにエサをやっていた」とか言われても感動せえへんのと同じや!
これ、はっきり言いますけど、就職の面接で、履歴書の自己PRに「祖父がシシリアンマフィアです」と書いたら面接通してくれますよ。おびえた面接官が、「き、君はもう2次、3次はいいからすぐに社長に会ってくれ、いや、会ってください!」と口にして、即、幹部にしてもらえる可能性もあるでしょう。
②ケンカ6000戦無敗である。
これは、恐ろしいどころの話ではないです。
力也さんは、水を飲むぐらいのノリで相手を殴ります。通算で6000回ケンカをしており、そのすべてに勝利を収めているのです。
サイヤ人か、お前!生粋の戦闘民族しかそんなに戦わんぞ!
そもそも無敗という称号以前に、人と6000回もめたという事実が常軌を逸しています。
力也さんは現在、59歳です。母親のお腹から出た瞬間、「早く出せよコラ!」と、すでに産婆とケンカしていたとしても、そのデビュー戦から数えて年間100戦以上こなしたことになるのです。
お前、3日に1回のもめごとってなんやねん!スラム街にもおらんぞ、そんなバトルジャンキー!
なにしろ、年間100戦です。「お前、雑草踏むなコラ!」とか、「二酸化炭素を吐き出しすぎだよてめえ!」などと無理矢理ケンカに持ち込まないことには、年100戦も消化できません。すれ違っただけの奴に、「てめえ、生きてんじゃねえよ!」といった無茶な理由でケンカを挑まないことには6000回もケンカにはならないんですね。
しかも、これだけケンカしといて、1回も訴えられていません。逃げ足もすごく、もしくは、「警察にチクったらお前の6親等以内全員ブチ殺すからな!」的なことを言って口を封じているのでしょう。
その結果、これね、友達の友達の友達の友達ぐらいなら、力也さんに殴られた奴に出くわしますよ。出くわさないとしたら、「言うと殺される=黙っている」からで、「3軒隣は力也の被害者」といっても過言ではないのです。
言えないだけで、あなたのお住まいのマンションにも被害者が、もっと言えば、この国の引きこもり全員が力也さんの被害者である可能性もあります。「黙ってろよ、てめえ」とドスをきかされた人が、怖くて部屋を出られなくなっただけかもしれないのです。
なにより、よく数えてたな、という話です。こんなに戦っていれば数は覚えられないでしょうから、これは子供のころから、「力也のケンカ帳」なる日記をつけている可能性が高いです。
『今日は、山田君の腕をへし折りました!』
『今日は雨が降って機嫌が悪かったので、佐藤君の口にフォークを突っ込んでアッパーをくらわしました!』
『今日は暇だったので、留学生のトーマスを撲殺しました!死体処理のために、おやつを食べたあとにおじいちゃんから硫酸を借りて溶かしました!』
血で染まったジャポニカに、このような日記をつけていたのでしょう。
③映画『自動車泥棒』で、混血児の少年役で芸能界デビュー。
デビューの仕方1つとっても、普通ではありません。力也さんは、混血児の少年役でデビューしたのです。
どんなデビューやねん、これ!そもそも『自動車泥棒』ってどんな映画やねん!淀川長治がどうコメントしたか知りたいわ!
気になった僕は、力也さんの過去の出演映画を調べました。
するとまあ、信じがたい出演作ばかりですよ。『野良猫ロック・セッ○スハンター』『不良番長・やらずぶったくり』『不良番長・のら犬機動隊』『直撃地獄拳・大逆転』といった耳を疑うような映画ばかりなのです。
誰が観んねん、こんなクソ映画!直撃地獄拳って、小学生かお前!
『ボディガード牙・必殺三角飛び』
学園祭でやれ、そんな映画!無料にしてチラシに飴つけてたら2、3人は来てくれるわ!
『不良番長・突撃一番』
知らんがな、そんなもん!番長が何番目に突撃するとか興味ないわ!
『不良番長・出たとこ勝負』
不良番長多いねんさっきから!イライラしすぎて俺も不良になるわ!
なのに、当の本人は平気です。ふざけた映画に出演し続け、しまいには『悪魔の毒毒モンスターが東京へ行く』という映画に主演で出たのです。
お前、仕事選べよたまには!「お前、今どんな仕事してんの?」「毒毒で主演張ってます!」とは言えんやろいくらなんでも!
『不良番長・口からでまかせ』
また出た、不良番長!なんでそんなに不良番長に出んねんお前は!不良番長に弱み握られてのか!?
このような恐ろしい出演作ばかりで、なのに力也さんのデビュー曲は『遠い渚』なのです。
どういうことやねん、お前!毒毒モンスターが渚て!もしかして、赤潮の歌か何か?「♪君の瞳に赤ー!」とか言うんか!?
『不良番長・暴走バギー集団』
トラウマなるわ!これ以上不良番長出されたら完全にトラウマなるわ!
もう、あいた口がふさがりませんよ。
④キックボクシングの試合で、ダウンした相手の頭部を蹴り倒したため刑務所に1年半服役。収監された際、暇だったので、カリに歯ブラシのサオを埋め込んだ。
これは、えげつないです。書いている僕自身がイヤになってくるほど、常軌を逸しています。
力也さんは、キックボクシングをやっていました。雑誌のインタビューでそのことについて訊かれ、こう答えています。
「キックボクシングってのは相手の息の根を止めるスポーツなんだよ」
聞いたことないわ、そんなルール!山本小鉄がマジキックで止めてくるわ、そんなスポーツ!
「相手の息の根止めねえとこっちが息の根止められるんだよ!」
KGB上がりか、お前!そんな被害妄想、KGB上がりの奴しか持たんぞ!
しかも、力也さんがキックボクシングに目覚めたきっかけがまた、すごいです。
「父親の初めての誕生日プレゼントがボクシンググローブだったから」
これが理由らしく、父親はその際、「男は産まれた瞬間から闘いが始まっている」と告げたらしいのです。
誰と闘うねん、産まれていきなり!抱えたナースの間接取るなんて聞いたことないぞ!
この逸話を聞くと、先ほどの産婆にキレたという説も、まんざらではないでしょう。それこそ母親の胎内にいるときから、「お母さんのお腹目掛けてワンツーだ!ジャブ、ジャブ、ストレート!もっと腰入れろ!」といった感じで胎内トレーニングをしていた可能性もあるのです。
そんな父親は、力也さんが小学生のときに、マフィアの襲撃で殺されてしまいます。力也さんが家に帰ったら血祭りになっていたらしく、父親の死体を見た力也さんは、死体を抱きかかえてこう言いました。
「お疲れ!」
お疲れやあるか、お前!ノリ軽すぎるやろ、いくらなんでも!
「親父、お疲れ!」
バイト終わりか、お前の親父!タイムカード切ったあとのあいさつか、それ!
それでも100譲って、これはよしとしましょう。問題は刑務所に入ってからの行動で、暇を理由に、カリに歯ブラシを入れたのです。
何考えてんねん、お前!もしかして、「カリ出所」とかそういうこと?カリに出し入れしとったら仮出所できるかもしれないって、できるかそんな奴!全然反省してへんやんけ!
本当にありえなさすぎて、体が震えてきましたよ。
⑤稲川淳二と幼なじみである。
70人の愚連隊に勝ち、6000回もケンカをしてきた安岡力也。実は彼は、稲川淳二と幼なじみなのです。
どういうことやねん、お前!たしかに恐怖を語る2人やけど、恐怖の意味合いが違うやろ!
「物心ついたころから淳二と一緒!」
キャラ台なしやわ!そもそも祖父がシシリアンマフィアやのに近所に稲川淳二がいるって家どこやねん、お前!どこ丁目に行ったらそんな濃いコミュニティーあんねん!シムシティーでもそんな街つくれんわ!
この2人の会話を想像したら、恐ろしいです。なにしろ、「滑舌番長VSケンカ番長」です。「はっきりしゃべれ!」と力也さんがブチギレている姿が目に浮かぶのです。
「りちやさん、こんにちわ!」
「はっ?」
「りちやさん、こんにちわ!」
「力也だよ!てめえ、人の名前を間違ってんじゃねえよ!」
「ちゅいまちぇん!」
「謝る気ねえだろ!それより何の用だよ?」
「新ちい怪談ができたので、聞いてもらおうかなと思いまちて」
「はっ?」
「新ちいきゃいだんがでちたので聞いてもらおうきゃなと思いまちて」
「親父、こいつに硫酸頼むわ!」
このように、口に焼きの入った奴が体にも焼きを入れられる姿を想像せずにはいられません。もしくは、怒った力也さんが淳二の舌に硫酸をかけたせいで、あんな滑舌になったかもしれないのです。
ほかにも力也さんは、元広島カープの監督、古葉竹識氏と親しいです。古馬さんが広島市の市長選挙に立候補した際に応援演説に行ったのですが、古葉さんは「広島の平和を永久に守ります!」と訴えかけたのです。
平和訴えかけんのにこんな荒くれもん呼ぶなよ!人の平和をつぶすような男やぞ、こいつは!
「どうも安岡力也です。ノーモア、核!」
説得力あるかボケ!そもそも爆弾で人殺してるやろお前の祖先!なんの説得力もないねん、お前が言っても!
結局、古葉さんは選挙に落ちました。ですがこれは、安岡力也のせい、と考えて間違いないでしょう。
⑥飲み仲間は、内田裕也、ジョー山中、八名信夫、宇崎竜童である。
こんな濃い面子、世界中どこ探してもいないですよ。ヤカラ中のヤカラが複数集まり、夜な夜ないかつい酒を飲みたおしているのです。
どんな飲み会やねん、これ!人殺す相談してるとしか思えんぞ!
なにしろ、あの内田裕也がいます。
「兄貴、奴の死体は硫酸で溶かします?それとも埋めたてます?」
「そうだな。70℃の硫酸でシェケナベイビー!」
このような恐ろしい会話をしていることは間違いなく、しかも周囲の客を巻き込んで、妙なロックンロールを歌おうとする可能性が高いです。
「そこのお兄さん、ロックンロールしてるかい?」
「はっ?」
「ロックンロールはしてますか?」
「すいません、大事な話があるんで向こうに行っててもらえませんかね?」
「てめえ、この野郎!」
「やめろ、力也」
「だって兄貴、こいつは兄貴の話を無視したんだぜ?」
「いいからやめろって言ってんだ!」
「兄貴……」
「それよりお兄さん、シェケナベイビー?」
「はっ?」
「お兄さん、歳はシェケナベイビー?」
「いやあの、ちょっとおっしゃってる意味が……」
「てめえ、兄貴の言ってる意味がなんでわかんねえんだよ!」
「Love&Peace!」
「兄貴!俺はこいつが何言ってるかわかんねえって言うからさ!」
「Love&Peace!」
「兄貴……」
「お兄さん、Love&Peace?」
「……」
「Love&Peace?」
「ま、まあLove&Peaceです……」
なんやねん、これ!なんでもシェケナベイビーで片がつくと思うな、お前!
内田裕也は、店の迷惑など気にしないでしょう。「宇崎、音入れろ!」「へい、兄貴!」「淳二、ギター用意しろ!」「ひゃい!」といった感じで勝手に店を借り切り、「♪パワートゥザピープル!」「兄貴!」「♪パワートゥザピープル!」「やに貴!」などと妙なロックンロールをシェケナベイビーするのです。
そして、最後。
これはかなりヘビーなエピソードなので、読まれる方は覚悟してください。
⑦山で生き残るという1週間のサバイバルゲームでヘビを食べ、ヤギと交わった。勃○時の大きさは30センチを超し、40歳を過ぎてからカリに真珠を埋め込んだ。
恐怖を通り越して、もう声が出ないです。
まず、サバイバルゲームって普通、遊びでやりません?合宿のノリでやったり、おもちゃの銃で打ち合ったりするのが普通でしょ?
なのにこの人は、命をかけた本当のサバイバルゲームをやっています。生き残るためにヘビを食べ、しかも何を思ったのか、山にいるヤギに手を出したのです。
我慢せえよ、1週間ぐらい!どこの世界にヤギと生でやる奴がおんねん!
「ヤギもなかなかのもんだったよ!」
やかましいわ!歯ブラシごと突っ込まれるヤギの身にもなれ!
「2発目もよかったよ!」
2発やったん!?1発じゃ足らんかったんや!?
これね、ヤギも「メー!」じゃなくて、普通に「イタイ!」って叫んでますよ。動物だとかは関係ないです、痛すぎて脳がスパークし、人間の言葉を口にしてもおかしくないのです。
とはいえ、僕を心底おびえさせたのは、ヤギに手を出したことではありません。神レベルに達したそのペ○スの大きさで、30センチを優に超えているらしいのです。
30センチですよ、30センチ?こんなもん、勃○してバッターボックスに立ったらどっちがバットか本当にわからないでしょ!?
ピッチャーどこ投げたらええねん、お前!グローブ目がけて投げたら毎回デッドボールやんけ!「変化球VSペ○スの変化」で相当技巧派じゃないと抑えられんぞ!もしくはそれを理由にドラフトかかるぞ、お前!
小さく前にならえをしても、完全に前の奴のお尻に当たります。そもそも小さく前にならえと言われても、全然小さくないんですね。
しかも歯ブラシだけでは物足りないのか、真珠も入れました。特大の真珠を埋め込み、ますますペ○スを強化し始めたのです。
どこ目指してんねん、お前!何がお前にそうさせんねん!
「60になったらもう1個入れようと思ってるんだよ」
何の記念やねん、それ!おとなしくチャンチャンコ着とけや、お前!ていうかもう拝みたくなるわ、お前のペ○ス!1周してもう逆にリスペクトに値するわ!
このように、すべてが常軌を逸しています。規格外もいいところで、同じ人間とは思えないんですね。
そんな力也さんですが、現在は病気療養中です。ですが僕には、ナースコールをペ○スで押す姿が目に浮かんで仕方がないのです……。
※2012年・4月8日に、安岡力也さんは逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたします。合掌。
心の防空壕をつくるべきではないか?の考察③(パソコン読者用)
先日、京都水族館に行きました。
最近プレオープンしたばかりの水族館で、館内は子供連れのお客さんで混雑しています。どのゾーンに行っても子供の嬌声が聞こえてきたのですが、その声がまったく気にならないほど、館内の展示がすばらしいのです。
丸みのある大きな水槽に、赤や黄色、オレンジ――。
派手な鱗をまとった魚が、所狭しと泳いでいます。魚そのものだけではなく、きらきらと光る水面を目にすると、癒されます。パノラマ状になっているゾーンもあり、見上げると、どん底から浮かび上がれるような錯覚に陥るのです。
秀逸な水族館には、人生と共鳴する部分があります。ある種の「物語」を意識し、自分の過去と現在と未来が、ぼんやりとした感じでリンクしてくるのです。
僕は仕事の取材で訪れました。一人で行ったのですが、一人で行ってよかったと思いました。本来の目的を忘れてしまうほど、夢中になったのです。
現代は、うつ病の患者が600万人いる、と言われる時代です。この水族館のような「浸れる時間」が必要で、ストレス続きだと、いつ心が病んでもおかしくありません。
ご紹介した水族館以外にも、田舎の森、夕暮れどきのバスのロータリー、真夜中のサービスエリア……。
こういった癒し空間に出向くことを、僕は「空間セラピー」と呼んでいます。
人と交わるのではなく、空間と交わる。誰かと話すのではなく、もう一人の自分と話す。
これは言うなれば、「心の防空壕」です。自分に合った癒し空間を見つけ出し、何かイヤなことがあれば、その防空壕に入って自分をリラックスさせるのです。
そこで今回は、「心の防空壕をつくるべきではないか?」の考察③です。
以下に、僕をリラックスさせてくれる防空壕をご紹介します。
①ビルの屋上
屋上にいると落ち着く、という人は多いでしょう。僕も大好きで、地元だけではなく、仕事場近くにも「行きつけ」があります。東京や名古屋にも行きつけの屋上があるぐらいで、そこにいるだけで心が静まり返ってくるのです。
天候が悪くても、それはそれで落ち着きます。「青い空」や「白い雲」は必須アイテムではありません。高い場所にいるという事実が気分を高揚させ、出もしないのに、体を広げてあくびをしたくなるのです。
ビルの屋上に来たら、不思議と腰を下ろしたくありません。座ったほうが楽なのに、やけに立っていたくなります。「お天道さん、これが僕なんですよ!」と、妙に青臭いことを叫びたがる自分がいるのです。
僕の行きつけには、必ず、物干し台があります。バスタオル、シャツ、シーツ。風が運んでくる洗剤の匂いが鼻に届き、それが心の落ち着きに拍車をかけるんですね。
自分のような一人客が、ほかにもいます。このビルと関係ないと思しきサラリーマンが缶コーヒーを飲んでおり、自分から話しかけたくなります。「どうですか、最近?」とばかりに、普段では考えられない積極的な自分が顔を出すのです。
屋上に向かうエレベーターの中では、いつも気が重いです。日頃の憂さがこもっているかのようにどんよりとしているのですが、地上に下りるときに乗るエレベーターの中では、気が晴れています。空気が澄んでいるようで、何か悩みごとがあっても、「なんとかなりそうだな!」と前向きになっているのです。
②真夜中のソファー
自分の部屋で過ごす時間が一番好き、という人は多いはず。僕も部屋大好き人間です。人と交わらずに済むので、心が擦り切れることはありません。
ですがそれは、気持ちが落ち着くだけです。「今」が心地いいだけで、「未来」にリンクしていません。
そこでオススメしたいのが、真夜中のソファーです。
何かイヤなことがあったら、ソファーにおもいっきり倒れ込みます。勢いをつけて倒れ込んでも、ソファーが衝撃を吸収してくれます。ストレスを全部吸い取ってくれるかのようなのです。
やわらかいクッションに身を預けて癒されるのが、「今」です。これを「未来」につなげるために、真夜中に、電気を消した状態で倒れ込みます。そうすることで闇が心を沈ませ、心が「考えるモード」になります。リラックスした状態で自分について考えることで、「未来=悩みに対する答え」につながるのです。
この状態で30分でも考えていたら、体も心も癒されます。良くも悪くも、なんらかの「答え」が自分なりに見つかっており、その気持ちでテレビを見たら、見え方が違ってきます。飲み物の味も違ってきますし、心が源流となって、あらゆる行動にいい影響を及ぼしてくるのです。
僕はこれを「ブラインドソファー」と呼んでいます。部屋にこもっているだけでは、答えは出ません。真夜中のソファーに体を預けて、前向きになりましょう。
③ペットショップ
ペットほど、心を癒してくれるものはありません。僕も犬が好きで、夜中のデスクワークに疲れたときは、いつも外に出て愛犬を眺めます。無垢な寝顔がとても愛らしく、見ているだけで気持ちが落ち着いてくるのです。
ペットは、言葉を持ちません。ストレスというのは、突き詰めればすべて、誰かが発した言葉が影響しています。会話ができないという難点が、人間にとってはむしろプラスに働くのです。
ペットを飼っていない人は、ペットショップに足を運んでください。
犬、猫、うさぎ――。ストレス知らずのかわいい存在が、大きなお目目で迎えてくれます。抱き上げることが可能なお店なら、存分に、ペットの体温を噛み締めてください。生き物の体温は、生なる証です。互いの存在証明を相手の体温で確認するようで、妙に前向きな気持ちになれるのです。
ペットショップにいるお客さんは、その多くが見にきているだけの人です。言うなれば「仲間」で、特に一人で来ている人は、どこか心に傷を負っている人が多いです。「戦友」に思えて、オバハンだろうとオッサンだろうと、「お茶でもどうですか」と誘いたくなる自分がいるのです。
ペットショップの店員さんも、人間味のある人が多いです。優しい空間に身を預け続けることによって、人間的に成長しているのでしょう。「この犬、かわいいですね」「かわいいでしょ」と、ちょっとした会話を交わすだけで、なんだか胸がぽかぽかとしてくるのです。
よく、「ペット好きに悪いヤツはいない」といいますが、僕は「ペット好きに強いヤツはいない」と思っています。
「自分以外にも、つらい人がいるんだな。自分は一人じゃないんだな」
接点はなくとも、同じ空間に入って弱さを共有することで、仲間意識は芽生えます。ストレス続きの人は、ぜひ、ペットショップに足を運んでみてください。
④深夜営業している、ゴルフの打ちっぱなしの外
ゴルフの打ちっぱなしは、ストレスを発散してくれます。僕も付き合いで何度か行ったことがありますが、何かに強い衝撃を与えるという行為が、憂さを晴らしてくれます。ボールを打つときのスコーーーンという擬音がそのまま体内に入ってくる感じがして、一発ごとにストレスが一つずつ消えていくかのようなのです。
僕の近所に、深夜営業をしている打ちっぱなしがあります。僕は中に入ってボールを打つのではなく、いつも外にあるバスの停留所のベンチに座るのですが、そこから眺める中の風景に、メチャクチャ癒されるのです。
ボールを打つ音、明るい照明、芝生の匂い――。
どれも五感を刺激してきます。とりわけ施設の照明は、異常なまでに明るいです。闇とは対照的に光にあふれており、闇にいる側にとっては「粋」に感じられます。暗い場所にいるからこそ、その明るさがダイレクトに届くのです。
「こんなに暗いのに、こんなに明るいんだ、ここだけは」
こう考えて、ワクワクしてきます。中に入ろうと思えば入れるのに、あえて入らない自分がどこかジプシー的に感じられて胸が躍り、自分を見つめなおすには持ってこいの場所なのです。
僕はここに来る途中で、毎回、自販機でコーンスープを買います。これがすごく温かくて、体の芯までぬくもります。コーンの粒を奥歯で噛みながら、「いつか、この光のある場所に出たいな」とばかりに、まるで詩人のような気持ちになっているのです。
光というのは、直接浴びなくても、解釈の違いで心を照らすことができます。空間の中だけではなく、外側にも心の防空壕はあるので、みなさんも探してみてください。
⑤雨の日の図書館
本に囲まれていると落ち着く、という人は多いでしょう。僕も本屋さんが好きで、頻繁に足を運びます。
その感覚は、図書館も同じです。古びた本は、「時代」という色彩を帯びています。過去から連綿と空間を形作る構成員である、書籍。この重厚さがレトロ感覚に拍車をかけ、気持ちがほっとします。
図書館は、ゴルフの打ちっぱなしとは違って、暗いです。小さな図書館だと、館内に蛍光灯を使用しているところが多く、うす暗いです。ただこの暗さが心地よく、本を読むのにちょうどいい感じなのです。沈んだ気持ちと共鳴して、中身が必要以上に頭に入ってくるんですね。
なかでも、雨の日に行くのがオススメです。人が少なく、公民館クラスのこじんまりとした図書館だと、老人が多いです。「本+雨+老人」という組み合わせが都会にいることを忘れさせ、異空間に迷い込んだような錯覚に陥るのです。
僕は図書館に行くと、頻繁に自習室に足を運びます。雨が降っていると、ガラス越しに、木に打ちつける雨が視界に入ってきます。学生時代を思い出し、「過去」と「今」とがリンクして、「この先、なんかいいことありそうだな」と、自分の未来に対して漠然とした希望が湧いてくるのです。
不思議なもので、ブックオフではリラックスできません。古い本が置いてあるのでは同じなのに気持ちが落ち着かず、これは要するに、「時代」が感じられないからでしょう。「過去」という重みが少なく、「今」につながってきません。雨が降ってたらむしろ鬱陶しいだけで、それほど図書館というのは神聖な場所なのです。
⑥ホテルのロビー
ホテルというのは、部屋の利用客でなくても中に入れます。中にあるお店は高いのですが、その高さに見合っただけのシックな雰囲気があり、「くつろぐ」という意味において、ホテルのパフォーマンスは非常に高いです。
なかでも、喫茶店。
ワンランク上の喫茶店は、何もかもが違います。味、イス、照明、音楽。お客さんも静かなので、考え込む場所としては最適です。小銭でスターバックスで考え込むのと、札束一枚を使ってホテルの喫茶店で考え込むのとでは、人生ベースで見たときに、得られる答えがまるで違います。長い目で見たら、ここでの投資は損にならないと思うのです。
お店に入らなくても、ロビー(ラウンジ)なら無料です。ネットが使えるパソコンを無料で開放しているところもあり、ここがメチャクチャくつろげます。ソファーもあればテレビもあるので、コンビニでお茶でも買って来れば、ほとんど無料で時間が潰せるのです。
ソファーに体を預けながら、行き交う人を見るのが楽しいです。慌ただしい利用客とは対照的に、こちらはのんびりとしています。優越感に浸れてうきうきし、ホテルのソファーはどこも高級なヤツです。ふかふかもふかふか、「これ、無料で使ってていいの?」と罪悪感を感じるほどで、特した気分も相まってテンションが上がってくるんですね。
ホテルには、多種多様な人間が集まります。肌が白いのもいれば、黒いのもいます。子供もいれば、杖をついた老人もいます。「人生のターミナル」みたいな気がして、自らの半生を振り返らずにはいられません。あらゆる方向から気持ちが揺さぶられ、考えさせられるのです。
⑦総合病院の中の喫茶店
いい意味でも悪い意味でも、病院ほど大きな感情が渦巻いている場所はありません。一喜一憂、魑魅魍魎。それらをすべて含んでいるのが、病院という空間なのです。
病院には、「死」があって、「生」があります。「負ける者」もいれば、「勝つ者」もいます。「あきらめる者」もいれば、「戦い続ける者」もいます。「拒否する者」もいれば、「受け入れる者」もいます。「時間を大事にする者」もいれば、「時間を無駄にする者」もいます。「孤独」があれば、「輪」もあります。「孤独」が「孤立」になっている者もいれば、「孤立」を「死」に変える者もいます。様々な人が、「目の前に起きた事実を受け止めざるをえない」という共通認識のもと、勝ったり負けたりしているのです。
医療ミスを起こす医者、そのミスを隠す医者。遺産に目がくらんで患者に死んでほしいと願う家族もいれば、自らの臓器を投げ打ってでも助けようとする家族もいます。ものすごいパワーが空間にあふれ返っており、おそら
く全部あるんですよ、ここ。この世のあらゆる喜怒哀楽が、この白い箱の中に詰まっているのです。
僕はどうしようもない悩みができたら、地元の総合病院に行きます。まず屋上に足を運び、各階に移動して様々な人々とすれ違い、そこで得た人生観を、最後に一階にある喫茶店に入って咀嚼し、自らの血肉とするのです。
病院の外の喫茶店ではなく、中の喫茶店。その空間の中だからこそ考え込むことができ、いつもメロンソーダを飲んだあとにバニラのアイスクリームを食べるのですが、なんか妙な味がするんですよ毎回。日によって感じる味が違うのが自分でもわかり、病院という場所は、相当深いのです。
ただ不思議といつも、前向きな回答を手にしています。なぜなら、そこにいる大多数の人が強いからです。
なんだかんだで強いんですよ、病院の中にいる人。以前、車イスの背もたれを倒して移動している患者を見たのですが、ピンと伸ばした骨折している右足に、ギプスの上からカバンをぶら提げています。「便利でっしゃろ、これ!」とばかりに、当たり前のようにそんなふざけたことをしているのです。
その人は、「これが人間なんだ!」と言わんばかりです。そのパワーを頂戴すると、自分まで元気になってくるんですね。
病院というのは、病気を治す空間ではありません。「クオリティライフ」という言葉にもあるとおり、患者の人生を治す場所、と言えます。そしてその患者は僕らのような心に悩みを抱えた一般の人間も同じで、この強い空間を利用しない手はないのです。
そして、最後。この防空壕は、僕のヘビーローテーションです。
⑧夜の公園
仕事柄、僕は帰宅時間が遅いです。終電に乗ることなどザラなのですが、終電の車内が、たまらなくせつないのです。
幸せそうな人を見て劣等感を感じたり、その日にあったことを振り返ってブルーになったりと、感情の振り子が揺れ動きます。いいことがあった日ならそんな気持ちにはならないものの、そうとはかぎりません。往々にしてイヤな日のほうが多く、帰宅するまでに気持ちがリセットできないんですね。
鏡に映る自分の顔は、その日の精神状態によって見え方が変わります。電車のドアに映る自分の顔を見て、「えっ、俺ってこんな汚い顔してたんだ……」とか、「私って、こんな醜い顔だったんだ……」などと、マイナスの
感情が心を侵食し、自我を崩壊させてくるのです。
人が死にたくなるのは、お金がないからでも、恋人に振られたからでも、病気が治らないからでもありません。未来が見えなくなったからです。未来への漠然とした不安に自我が崩壊し、精神がカオスに陥り、前が見えなくなるのです。
一日を終えるときに、なんらかの結論を出したいものです。その結論を前向きなものとするべく、僕は終電を降りたあと、いつも駅の近くの公園に寄ります。そこで缶コーヒーを飲みながら、その日にあったことを見直すのです。
夜の公園は、ひっそりとしています。そこには、自分が子供だったころに遊んだ「過去」があり、社会人である「今」があり、明日という「未来」があります。それらをひっくるめて脳を感化させ、プラスの方向に考えるのです。
家に帰ってからだと、このリセットがなかなかできません。「家に帰るまでが仕事」と解釈し、仕事中に気持ちを戻したいです。夜の公園で、自分のいいところも悪いところも含めて頭を整理し、次のような価値観を持てたら、あなたは「治って」います。
イヤなことがあったけど、冷蔵庫にプリンが入ってるからいいや!
あの人はウソつきだけど、自分もよくウソをつくからいいや!
あの人のことは許せないけど、なんかもう考えるのが面倒くさいから許してあげよう!
人に優しくしようと思ったら、自分の心に、ある程度の余裕がいります。東北の震災のときも、被災者への支援に対して突発的に熱くなっても、少し時間がたって自分の身に大きな悩みが降りかかれば、途端にどうでもよくなります。人間とはそういう弱い生き物なので、常に心に余裕をもてるように、メンタルをコントロールする術を身につけるのもまた、仕事の一部なのです。
資本主義に身を委ねる以上、優しい社会などありえません。強い社会が求められ、そこで生き抜こうと思えば、自分なりの心の置き場を構築していく必要があります。心が弱い人は特にそうで、自分に合った心の防空壕を見つけて、つらいことがあったらそこに避難しましょう。
人間、最後に助けてくれるのは、もう一人の強い自分だと思います。
心の防空壕をつくるべきではないか?の考察③(携帯読者用)
先日、京都水族館に行きました。
最近プレオープンしたばかりの水族館で、館内は子供連れのお客さんで混雑しています。どのゾーンに行っても子供の嬌声が聞こえてきたのですが、その声がまったく気にならないほど、館内の展示がすばらしいのです。
丸みのある大きな水槽に、赤や黄色、オレンジ――。
派手な鱗をまとった魚が、所狭しと泳いでいます。魚そのものだけではなく、きらきらと光る水面を目にすると、癒されます。パノラマ状になっているゾーンもあり、見上げると、どん底から浮かび上がれるような錯覚に陥るのです。
秀逸な水族館には、人生と共鳴する部分があります。ある種の「物語」を意識し、自分の過去と現在と未来が、ぼんやりとした感じでリンクしてくるのです。
僕は仕事の取材で訪れました。一人で行ったのですが、一人で行ってよかったと思いました。本来の目的を忘れてしまうほど、夢中になったのです。
現代は、うつ病の患者が600万人いる、と言われる時代です。この水族館のような「浸れる時間」が必要で、ストレス続きだと、いつ心が病んでもおかしくありません。
ご紹介した水族館以外にも、田舎の森、夕暮れどきのバスのロータリー、真夜中のサービスエリア……。
こういった癒し空間に出向くことを、僕は「空間セラピー」と呼んでいます。
人と交わるのではなく、空間と交わる。誰かと話すのではなく、もう一人の自分と話す。
これは言うなれば、「心の防空壕」です。自分に合った癒し空間を見つけ出し、何かイヤなことがあれば、その防空壕に入って自分をリラックスさせるのです。
そこで今回は、「心の防空壕をつくるべきではないか?」の考察③です。
以下に、僕をリラックスさせてくれる防空壕をご紹介します。
①ビルの屋上
屋上にいると落ち着く、という人は多いでしょう。僕も大好きで、地元だけではなく、仕事場近くにも「行きつけ」があります。東京や名古屋にも行きつけの屋上があるぐらいで、そこにいるだけで心が静まり返ってくるのです。
天候が悪くても、それはそれで落ち着きます。「青い空」や「白い雲」は必須アイテムではありません。高い場所にいるという事実が気分を高揚させ、出もしないのに、体を広げてあくびをしたくなるのです。
ビルの屋上に来たら、不思議と腰を下ろしたくありません。座ったほうが楽なのに、やけに立っていたくなります。「お天道さん、これが僕なんですよ!」と、妙に青臭いことを叫びたがる自分がいるのです。
僕の行きつけには、必ず、物干し台があります。バスタオル、シャツ、シーツ。風が運んでくる洗剤の匂いが鼻に届き、それが心の落ち着きに拍車をかけるんですね。
自分のような一人客が、ほかにもいます。このビルと関係ないと思しきサラリーマンが缶コーヒーを飲んでおり、自分から話しかけたくなります。「どうですか、最近?」とばかりに、普段では考えられない積極的な自分が顔を出すのです。
屋上に向かうエレベーターの中では、いつも気が重いです。日頃の憂さがこもっているかのようにどんよりとしているのですが、地上に下りるときに乗るエレベーターの中では、気が晴れています。空気が澄んでいるようで、何か悩みごとがあっても、「なんとかなりそうだな!」と前向きになっているのです。
②真夜中のソファー
自分の部屋で過ごす時間が一番好き、という人は多いはず。僕も部屋大好き人間です。人と交わらずに済むので、心が擦り切れることはありません。
ですがそれは、気持ちが落ち着くだけです。「今」が心地いいだけで、「未来」にリンクしていません。
そこでオススメしたいのが、真夜中のソファーです。
何かイヤなことがあったら、ソファーにおもいっきり倒れ込みます。勢いをつけて倒れ込んでも、ソファーが衝撃を吸収してくれます。ストレスを全部吸い取ってくれるかのようなのです。
やわらかいクッションに身を預けて癒されるのが、「今」です。これを「未来」につなげるために、真夜中に、電気を消した状態で倒れ込みます。そうすることで闇が心を沈ませ、心が「考えるモード」になります。リラックスした状態で自分について考えることで、「未来=悩みに対する答え」につながるのです。
この状態で30分でも考えていたら、体も心も癒されます。良くも悪くも、なんらかの「答え」が自分なりに見つかっており、その気持ちでテレビを見たら、見え方が違ってきます。飲み物の味も違ってきますし、心が源流となって、あらゆる行動にいい影響を及ぼしてくるのです。
僕はこれを「ブラインドソファー」と呼んでいます。部屋にこもっているだけでは、答えは出ません。真夜中のソファーに体を預けて、前向きになりましょう。
③ペットショップ
ペットほど、心を癒してくれるものはありません。僕も犬が好きで、夜中のデスクワークに疲れたときは、いつも外に出て愛犬を眺めます。無垢な寝顔がとても愛らしく、見ているだけで気持ちが落ち着いてくるのです。
ペットは、言葉を持ちません。ストレスというのは、突き詰めればすべて、誰かが発した言葉が影響しています。会話ができないという難点が、人間にとってはむしろプラスに働くのです。
ペットを飼っていない人は、ペットショップに足を運んでください。
犬、猫、うさぎ――。ストレス知らずのかわいい存在が、大きなお目目で迎えてくれます。抱き上げることが可能なお店なら、存分に、ペットの体温を噛み締めてください。生き物の体温は、生なる証です。互いの存在証明を相手の体温で確認するようで、妙に前向きな気持ちになれるのです。
ペットショップにいるお客さんは、その多くが見にきているだけの人です。言うなれば「仲間」で、特に一人で来ている人は、どこか心に傷を負っている人が多いです。「戦友」に思えて、オバハンだろうとオッサンだろうと、「お茶でもどうですか」と誘いたくなる自分がいるのです。
ペットショップの店員さんも、人間味のある人が多いです。優しい空間に身を預け続けることによって、人間的に成長しているのでしょう。「この犬、かわいいですね」「かわいいでしょ」と、ちょっとした会話を交わすだけで、なんだか胸がぽかぽかとしてくるのです。
よく、「ペット好きに悪いヤツはいない」といいますが、僕は「ペット好きに強いヤツはいない」と思っています。
「自分以外にも、つらい人がいるんだな。自分は一人じゃないんだな」
接点はなくとも、同じ空間に入って弱さを共有することで、仲間意識は芽生えます。ストレス続きの人は、ぜひ、ペットショップに足を運んでみてください。
④深夜営業している、ゴルフの打ちっぱなしの外
ゴルフの打ちっぱなしは、ストレスを発散してくれます。僕も付き合いで何度か行ったことがありますが、何かに強い衝撃を与えるという行為が、憂さを晴らしてくれます。ボールを打つときのスコーーーンという擬音がそのまま体内に入ってくる感じがして、一発ごとにストレスが一つずつ消えていくかのようなのです。
僕の近所に、深夜営業をしている打ちっぱなしがあります。僕は中に入ってボールを打つのではなく、いつも外にあるバスの停留所のベンチに座るのですが、そこから眺める中の風景に、メチャクチャ癒されるのです。
ボールを打つ音、明るい照明、芝生の匂い――。
どれも五感を刺激してきます。とりわけ施設の照明は、異常なまでに明るいです。闇とは対照的に光にあふれており、闇にいる側にとっては「粋」に感じられます。暗い場所にいるからこそ、その明るさがダイレクトに届くのです。
「こんなに暗いのに、こんなに明るいんだ、ここだけは」
こう考えて、ワクワクしてきます。中に入ろうと思えば入れるのに、あえて入らない自分がどこかジプシー的に感じられて胸が躍り、自分を見つめなおすには持ってこいの場所なのです。
僕はここに来る途中で、毎回、自販機でコーンスープを買います。これがすごく温かくて、体の芯までぬくもります。コーンの粒を奥歯で噛みながら、「いつか、この光のある場所に出たいな」とばかりに、まるで詩人のような気持ちになっているのです。
光というのは、直接浴びなくても、解釈の違いで心を照らすことができます。空間の中だけではなく、外側にも心の防空壕はあるので、みなさんも探してみてください。
⑤雨の日の図書館
本に囲まれていると落ち着く、という人は多いでしょう。僕も本屋さんが好きで、頻繁に足を運びます。
その感覚は、図書館も同じです。古びた本は、「時代」という色彩を帯びています。過去から連綿と空間を形作る構成員である、書籍。この重厚さがレトロ感覚に拍車をかけ、気持ちがほっとします。
図書館は、ゴルフの打ちっぱなしとは違って、暗いです。小さな図書館だと、館内に蛍光灯を使用しているところが多く、うす暗いです。ただこの暗さが心地よく、本を読むのにちょうどいい感じなのです。沈んだ気持ちと共鳴して、中身が必要以上に頭に入ってくるんですね。
なかでも、雨の日に行くのがオススメです。人が少なく、公民館クラスのこじんまりとした図書館だと、老人が多いです。「本+雨+老人」という組み合わせが都会にいることを忘れさせ、異空間に迷い込んだような錯覚に陥るのです。
僕は図書館に行くと、頻繁に自習室に足を運びます。雨が降っていると、ガラス越しに、木に打ちつける雨が視界に入ってきます。学生時代を思い出し、「過去」と「今」とがリンクして、「この先、なんかいいことありそうだな」と、自分の未来に対して漠然とした希望が湧いてくるのです。
不思議なもので、ブックオフではリラックスできません。古い本が置いてあるのでは同じなのに気持ちが落ち着かず、これは要するに、「時代」が感じられないからでしょう。「過去」という重みが少なく、「今」につながってきません。雨が降ってたらむしろ鬱陶しいだけで、それほど図書館というのは神聖な場所なのです。
⑥ホテルのロビー
ホテルというのは、部屋の利用客でなくても中に入れます。中にあるお店は高いのですが、その高さに見合っただけのシックな雰囲気があり、「くつろぐ」という意味において、ホテルのパフォーマンスは非常に高いです。
なかでも、喫茶店。
ワンランク上の喫茶店は、何もかもが違います。味、イス、照明、音楽。お客さんも静かなので、考え込む場所としては最適です。小銭でスターバックスで考え込むのと、札束一枚を使ってホテルの喫茶店で考え込むのとでは、人生ベースで見たときに、得られる答えがまるで違います。長い目で見たら、ここでの投資は損にならないと思うのです。
お店に入らなくても、ロビー(ラウンジ)なら無料です。ネットが使えるパソコンを無料で開放しているところもあり、ここがメチャクチャくつろげます。ソファーもあればテレビもあるので、コンビニでお茶でも買って来れば、ほとんど無料で時間が潰せるのです。
ソファーに体を預けながら、行き交う人を見るのが楽しいです。慌ただしい利用客とは対照的に、こちらはのんびりとしています。優越感に浸れてうきうきし、ホテルのソファーはどこも高級なヤツです。ふかふかもふかふか、「これ、無料で使ってていいの?」と罪悪感を感じるほどで、特した気分も相まってテンションが上がってくるんですね。
ホテルには、多種多様な人間が集まります。肌が白いのもいれば、黒いのもいます。子供もいれば、杖をついた老人もいます。「人生のターミナル」みたいな気がして、自らの半生を振り返らずにはいられません。あらゆる方向から気持ちが揺さぶられ、考えさせられるのです。
⑦総合病院の中の喫茶店
いい意味でも悪い意味でも、病院ほど大きな感情が渦巻いている場所はありません。一喜一憂、魑魅魍魎。それらをすべて含んでいるのが、病院という空間なのです。
病院には、「死」があって、「生」があります。「負ける者」もいれば、「勝つ者」もいます。「あきらめる者」もいれば、「戦い続ける者」もいます。「拒否する者」もいれば、「受け入れる者」もいます。「時間を大事にする者」もいれば、「時間を無駄にする者」もいます。「孤独」があれば、「輪」もあります。「孤独」が「孤立」になっている者もいれば、「孤立」を「死」に変える者もいます。様々な人が、「目の前に起きた事実を受け止めざるをえない」という共通認識のもと、勝ったり負けたりしているのです。
医療ミスを起こす医者、そのミスを隠す医者。遺産に目がくらんで患者に死んでほしいと願う家族もいれば、自らの臓器を投げ打ってでも助けようとする家族もいます。ものすごいパワーが空間にあふれ返っており、おそらく全部あるんですよ、ここ。この世のあらゆる喜怒哀楽が、この白い箱の中に詰まっているのです。
僕はどうしようもない悩みができたら、地元の総合病院に行きます。まず屋上に足を運び、各階に移動して様々な人々とすれ違い、そこで得た人生観を、最後に一階にある喫茶店に入って咀嚼し、自らの血肉とするのです。
病院の外の喫茶店ではなく、中の喫茶店。その空間の中だからこそ考え込むことができ、いつもメロンソーダを飲んだあとにバニラのアイスクリームを食べるのですが、なんか妙な味がするんですよ毎回。日によって感じる味が違うのが自分でもわかり、病院という場所は、相当深いのです。
ただ不思議といつも、前向きな回答を手にしています。なぜなら、そこにいる大多数の人が強いからです。
なんだかんだで強いんですよ、病院の中にいる人。以前、車イスの背もたれを倒して移動している患者を見たのですが、ピンと伸ばした骨折している右足に、ギプスの上からカバンをぶら提げています。「便利でっしゃろ、これ!」とばかりに、当たり前のようにそんなふざけたことをしているのです。
その人は、「これが人間なんだ!」と言わんばかりです。そのパワーを頂戴すると、自分まで元気になってくるんですね。
病院というのは、病気を治す空間ではありません。「クオリティライフ」という言葉にもあるとおり、患者の人生を治す場所、と言えます。そしてその患者は僕らのような心に悩みを抱えた一般の人間も同じで、この強い空間を利用しない手はないのです。
そして、最後。この防空壕は、僕のヘビーローテーションです。
⑧夜の公園
仕事柄、僕は帰宅時間が遅いです。終電に乗ることなどザラなのですが、終電の車内が、たまらなくせつないのです。
幸せそうな人を見て劣等感を感じたり、その日にあったことを振り返ってブルーになったりと、感情の振り子が揺れ動きます。いいことがあった日ならそんな気持ちにはならないものの、そうとはかぎりません。往々にしてイヤな日のほうが多く、帰宅するまでに気持ちがリセットできないんですね。
鏡に映る自分の顔は、その日の精神状態によって見え方が変わります。電車のドアに映る自分の顔を見て、「えっ、俺ってこんな汚い顔してたんだ……」とか、「私って、こんな醜い顔だったんだ……」などと、マイナスの感情が心を侵食し、自我を崩壊させてくるのです。
人が死にたくなるのは、お金がないからでも、恋人に振られたからでも、病気が治らないからでもありません。未来が見えなくなったからです。未来への漠然とした不安に自我が崩壊し、精神がカオスに陥り、前が見えなくなるのです。
一日を終えるときに、なんらかの結論を出したいものです。その結論を前向きなものとするべく、僕は終電を降りたあと、いつも駅の近くの公園に寄ります。そこで缶コーヒーを飲みながら、その日にあったことを見直すのです。
夜の公園は、ひっそりとしています。そこには、自分が子供だったころに遊んだ「過去」があり、社会人である「今」があり、明日という「未来」があります。それらをひっくるめて脳を感化させ、プラスの方向に考えるのです。
家に帰ってからだと、このリセットがなかなかできません。「家に帰るまでが仕事」と解釈し、仕事中に気持ちを戻したいです。夜の公園で、自分のいいところも悪いところも含めて頭を整理し、次のような価値観を持てたら、あなたは「治って」います。
イヤなことがあったけど、冷蔵庫にプリンが入ってるからいいや!
あの人はウソつきだけど、自分もよくウソをつくからいいや!
あの人のことは許せないけど、なんかもう考えるのが面倒くさいから許してあげよう!
人に優しくしようと思ったら、自分の心に、ある程度の余裕がいります。東北の震災のときも、被災者への支援に対して突発的に熱くなっても、少し時間がたって自分の身に大きな悩みが降りかかれば、途端にどうでもよくなります。人間とはそういう弱い生き物なので、常に心に余裕をもてるように、メンタルをコントロールする術を身につけるのもまた、仕事の一部なのです。
資本主義に身を委ねる以上、優しい社会などありえません。強い社会が求められ、そこで生き抜こうと思えば、自分なりの心の置き場を構築していく必要があります。心が弱い人は特にそうで、自分に合った心の防空壕を見つけて、つらいことがあったらそこに避難しましょう。
人間、最後に助けてくれるのは、もう一人の強い自分だと思います。
馬券負けた奴の発言はどれだけすさまじいか?の考察⑦(パソコン読者用)
最近、競馬場とウインズに寄るのが日課になりました。
平日は帰宅の道すがらにある、地方競馬場に寄ります。休日出勤のときは大阪のウインズに、休日に仕事がないときも地元の阪神競馬場に行くなどして、「あるもの」を徹底的にリサーチしたのです。
そう、「ロストシャウト」です。
僕は競馬場の野次、罵声、嘆息など、ひっくるめてロストシャウトと定義しています。最近では調べるのが日課になり、「ロストシャウト帳」なるネタ帳を常時、携行するようになったのです。
人間は、お金が絡むと本性が出ます。馬券をはずした怒りで我を忘れ、とんでもない言葉をシャウトするのです。
なかでも、地方競馬のロストシャウター。
本当にこいつらだけは、常軌を逸してますよ。キャラも濃く、毎日開催されていることから人生を賭けた猛者ばかりで、キレっぷりが尋常ではないのです。
そこで今回は、「馬券負けた奴の発言はどれだけすさまじいか?」の考察⑦です。
以下、競馬歴26年の僕が過去に聞いた、とんでもないロストシャウトの数々をご紹介します。
①「この、原発豚野郎が!」 20代・男性
いきなりすごいのがきましたよ。
その昔、とある女優が旦那に「金髪豚野郎」と暴言を吐いて話題になりました。今年の震災に絡めて「原発豚野郎」と叫んだのですが、暴言を吐かれた騎手はガリガリなのです。
どこが豚野郎やねん、お前!ポッキーみたいやんけこの騎手!
「どうせお前が裏で東電の糸引いてんねやろ?」
関係ないわ、このポッキージョッキー!こんな魔法使いみたいなヒョロヒョロの奴に国動かす気概なんてないわ!
ちなみに余談ですが、こいつはあごの右側に、1センチ大のイボがあります。えらの張った真四角の輪郭をしていることから、なんかインターホンみたいでした。
②「やってること、スターリンと同じ!」 60代・男性
言い過ぎやろ、お前!なんぼ負けたか知らんけどさすがに言い過ぎやろ!
「今やったらわし、スターリンに殺された奴らの気持ちわかる!」
一緒にすんなよ、お前!どれだけ虐げられたと思ってんねんソビエトの民!「おばあちゃん、寒かったら私の毛布貸そうか」と人をいたわれるような奴でさえ単なる思想の違いで首チョンパされてんぞ!
このオッサンは競馬新聞をボールペンで叩きながら、騎手をのきなみスターリン呼ばわりしています。「○○はスターリン」「○○もスターリン」などと言いすぎて訳がわからなくなり、しまいには「○○に至ってはスターリン中のスターリン」って言ったんですよ。
どういうことやねん、それ!意味がまったくわからん!お前のほうに言葉狩りいるわ!
このオッサンは、大きなポケットが付いたチノパンを履いています。頻繁にポケットに手を突っ込み、何かをつかんでは口元に持っていくので気になって見たところ、ポケットにラップに包まれたナムル入ってました。
③「鼻血出てきたやんけ!」 40代・男性
お前のせいやろ、それは!負けたかどうか知らんけど鼻血は完全にお前のせいやろ!
「夏やのになんで出んねん!」
通年じゃ、鼻血!鼻血に旬の季節なんてないわ!見た奴が「あっ、もうそんな季節か」とか言わんわ!
作業着を着た小汚いオッサンで、一向に鼻血が止まりません。鼻に詰めるティッシュがなく、隣にいた仲間のオッサンが「とりあえずタバコ詰めろ」と助言したのです。
アホやんけ、ただの!鼻にタバコってお前、スナックのカウンターに長居してる全然おもんないサラリーマンがママとねんごろなるためにがんばってひょうきんさアピールするときのクソおもんない一発芸やんけ!
結局、手にしていた新聞は血まみれになりました。しかし、このオッサンは予想をあきらめません。血で染まったページをひっくり返し、裏側から見える微かな文字を読み取って予想を続行していました。
④「己の生活のために馬をぶっ殺したおすゲスな騎手どもが何を綺麗ごとほざきやがる!」 60代・男性
口悪っ、こいつ!信じられへんぐらい口悪い!
「ボンクラはなんかあったらすぐ誰かのために、誰かのためにってほざきやがる。その誰かのためにがんばったのに恩を仇で返された、わしのこの背中の傷が見れんのかこの野郎!!!」
誰か捕まえてくれ、こんな奴!マジでシャレならんわ!
場内のモニターには、東北の被災者に寄付する、と発表している騎手が映し出されています。このオッサンは画面を見ながら声を荒げ、「わしに寄付せいや」って言ったんですよ。
なんでお前に寄付しないとあかんねん!着てるダウンがボロボロかどうか知らんけどよ!
「せめてカツカレー代はよこせや!」
普通のカレーにせいや!しらふカレーにせいや、おごってもらうんやから!寄付の金でワンランク上の飯にありつこうと思うな!
このオッサンはその後、残ったなけなしの小銭でソフトクリームを購入しました。ミックスのソフトクリームを舐め始めたのですが、買う際に「混合のんくれ」って言いました。
⑤「歯医者はあきらめた!」 20代・男性
病院代に手出すなよ、お前!その金だけは使ったらあかんやろ!
「もう自分で抜くわ、歯!」
グリーンベレーか、お前!その根性、血で血を洗う生活してる奴のガッツやんけ!
この若者は負けながらも、どこか調子に乗っています。このあと、「言うとくけど、俺がバンダナはずしたらやばいよ。バンダナはずしたら絶対に勝つから」とオレンジのバンダナをはずし始めたのですが、次のレースしこたま負けたんですよ。
かっこ悪いな、おい!そもそもバンダナはずしたから馬券はずしたんと違うんかコラ!
こいつはその後、頭にバンダナを戻しました。ギャーギャー騒ぎ始めるなど、バンダナや馬券だけではなく、羽目もはずしてました。
⑥「(入り口で)この競馬場、犬連れて入ってもいいよね?」 50代・女性
ええわけあるか、お前!ええわけないやろ、こんな人多いところにペット!
「すいません、競馬場は動物の持ち込み禁止なんですよ!」
「あんなに馬おんのに!?」
そういう問題と違うわ!そりゃ馬はおるやろここ競馬場やねんから!
「あんなに馬おるやん!」
だから関係ないねんそんなこと!どんな理屈やねんそれ!お前それは「私の実家は寿司屋なのでタダで水族館入れてください!」ってお願いするようなもんやぞってちょっと違うやろこれは!ちょっとどころか全然違うやろ!
このオバハンは、白いマルチーズを連れています。交渉したものの断られ、渋々近くのカフェに足を運んだのですが、そこでも入店断られてました。
⑦「白髪1本でもある騎手はクズ!」 30代・男性
勝手なこと言うな、お前!30すぎたらそりゃ白髪の1本ぐらいあるやろ!
「白髪があるってことは髪の毛が負けてるってことや。だったら騎手なんてやめろって話やろ」
まったく共感できん!発想が完全に北朝鮮!
こいつは負けた腹いせに、騎手をのきなみクズ呼ばわりしています。「太ってる騎手はクズ」「ボロボロの長靴履いてる騎手はクズ」などとムチャクチャな理由でクズあつかいし、しまいには「そもそも騎手になった時点でクズ」って言ったんですよ。
どういうことやねんそれ!騎手は選ばれし奴しかなれん職業やねんぞ!
「だって騎手って全員中卒やで。中卒のくせに高卒の俺にたてつきやがってよ!」
大卒と違うの、自分!?大学院まで出てるみたいなテンションで上からしゃべってるけど高卒なん、自分!?お前それはフリーターがニートに説教するようなもんやぞ!
もうワケがわかりませんよ、こんな奴……。
⑧「どうなってんねん、皇潤!」 70代・男性
ギャンブル関係ないわ、皇潤!皇潤に馬券当たる効能とかないわ!
「皇潤飲んだのに!」
箱の裏よう読め、お前!皇潤やいうてもふところまで潤うわけじゃないねん!主成分に「アタリウム」とか入ってへんやろ!
「負けすぎてむしろ体壊しそうやんけ!」
お前のせいやろ、それは!もうイヤ、ジジイの皇潤神話!
ちなみに余談ですが、このジジイは腹巻きをしています。いろいろなモノを突き刺すなど、圧迫を利用して腹巻きをカバン代わりにしています。新聞やボールペンは当たり前、サキイカを袋ごと刺して食いながらモニター見てました。
⑨「(ベージュのパンストとスカートを履いたオッサンが)筋の通らんことすんなよ!」 50代・男性
お前もや!お前も筋通ってないねんその生き様!何系か教えろ、その気持ち悪いファッション!
「何考えとんねん、コラ!」
お前も何考えとんねんコラ!近くの外人、お茶持つ手震えとるやんけ!「ジャップ、怖い……」みたいな顔しとるやんけ!
このオカマは、関西一帯のウインズに姿を現します。左ひじみたいな顔してるくせに派手なパンストやスカートを履きこなし、すね毛も一切処理していません。崖から転落してもスネ毛が枝に絡まって助かりそうなぐらい濃
く、過去に1度、緑のパンストに赤のスカート、上にピンクのキャミソールを身につけながら左目の横に星型のシールを貼り付けていたのです。
もう憲法違反、こいつ!なんかわからんけど憲法に抵触してる、こいつの存在!この国の国民やる権利ない!
ウインズには、妙なオカマが多いです。足を運ばれる際は、じっくりと観察してみてください。
⑩「この喫煙室、メガネジジイばっかりやんけ!」 20代・男性
何言い出すねん、お前!本人たちに丸聞こえやんけ!
「流行ってんのか!」
流行るか、お前!視力0.1ブームとか来るか、ボケ!「流行に乗り遅れたくない!」とか言いながら画面に両目引っつけてテレビ見る奴とかおるか!
ニッカボッカを履いたチンピラ丸出しの奴で、恐ろしいまでに口が悪いです。当たり前のように「ジジイ」と口にし、ヨボヨボのおばあちゃんが視界に入るやいなや、「ここ、ねりけしみたいなババアおるやん」って言ったんですよ。
なんぼほど口悪いねん、こいつ!もうプロの仕業に思えてきた!
「あんなん、ほとんどねりけしやん」
たしかにねりけしやけど!ボディーのグズグズさからそれ自体は否定せえへんけど人前でそんなこと言うなよ!
こいつは何かあると、友達のお尻を蹴ります。絵に描いたような荒くれ者だったのですが、使ってるタオルはクレヨンしんちゃんでした。
⑪「バケンニ、ティーポイントタマルヨウニセイヤ」 40代・アラブ人
外人やんな?ちょっと待って、ゴリゴリのアラブ人がTカード持ってんの!?
「ヒャクエンカッタラゴポイントツケロヤ」
あかん、頭が整理できん、俺!アラブ人がTポイント貯めてるだけでもありえへんのに、関西弁しゃべるわムチャな要求するわで頭が混乱してきた!
「それ、いいね!」
「デッシャロ?」
外人やんな?でっしゃろて、おい!でっしゃろなんてお前、なにわ歴40年超えてる大阪人でもめったに言わんぞ!もうお前1人で雑誌の特集組めるわ!ヘタしたら『今週のアラ部』みたいなタイトルでレギュラーコラムなるわ!
日本人の彼女を連れたこのアラブ人は、日本語がペラペラです。妙な関西弁を駆使し、当たり前のようにお箸を使って弁当を食べます。彼女に「エビフライノシッポ、タベルタイプ?」って訊いてましたから。
⑫「しゃぶしゃぶ、中止!」 20代・男性
飯代使うなよ、ギャンブルで!ロマンよりも目先の肉汁奪いにかかれや!
「すき屋に、変更!」
なんぼ負けてん、お前!肉のグレード下がりすぎやろ!お前それはソープあきらめてローションでシコるようなもんやぞ!
大学生と思しき団体で、大負けしたのか尋常じゃないぐらいヘコんでいます。全員がため息を漏らし、そのうちの1人が「あかん、目がかすんできた!」って言ったんですよ。
なんぼ負けたらそんなことなんねん!あの八甲田山でも往路やったらまだ目かすまんぞコラ!
「メガネ買いに行かないと!」
そういう問題と違うわ!メガネはその症状対応してないわ!視力は矯正できても死力は無理やねん!
ちなみに余談ですが、この大学生、もなかアイス7秒で食ってました。
⑬「あれっ。イスに置いてた俺の新聞、どっか行った」「兄ちゃんごめん、わしが借りてる」 60代・男性
誰やねん、お前!なあ誰、当たり前のように隣の俺の新聞使ってるけど!?
「使う?」
使うわ!使うからここ置いとんねん!
「悪いけど、もうちょっとだけ貸しといて。この茶色大根、食べてくれていいから」
切り干し大根や!茶色大根ってなんやねん!ていうかそもそもなんで弁当箱いっぱいに切り干し大根だけ入れてくんの!?これは飯なん、おやつなん、それとも酒のあてなん!?どの用途を考えても信じがたいチョイスやねんけど切り干し大根だけって!?
「うまいで、この茶色大根。みーちゃんが苦労して買ってきよってん」
誰やねんみーちゃんって!で、みーちゃん買ってきてんやったら苦労してへんやんけ別に!苦労して作ったんやったらわかるけど買ってきただけやろ!地雷よけながら買いに行ったわけでもあるまいしよ!
場内のイスに座っていると、隣のオッサンが頻繁に話しかけてきます。ペットボトルのお茶を勝手に飲まれることもあるぐらいで、犯罪者まがいの奴がうじゃうじゃしているのです。
⑭「(電車の車内で)チキショー!!!」 20代・男性
どこで叫ぶねん、お前!車内でシャウトすんなよ!
「ちゃんと乗れや!」
運転手がか!?騎手じゃなくて電車の運転手のこと言ってんのかそれ!?
競馬場の最寄り駅は、濃い奴が多いです。とりわけ最終レースが終わった17時前の電車は大混雑しており、馬券に負けた連中がホームで荒れています。眉間にシワを寄せた奴だらけで、なにしろ1度、噛んでるガムを通過していく特急の車体に投げつけている奴がいたのです。
何考えてんねん、お前!で、投げたガム、引っ付かんとお前の足元に戻ってきてるやんけ!ばつの悪さに耐えられんと場所移動してるやんけ、こいつ!
本当に勘弁してほしいですよ、こんな奴……。
⑮「競馬は勇気!エッチは根気!」 30代・男性
やかましいわ、コラ!何をうまいこと言ってくれとんねん!
「バイトは短期!」
知らんがな、そんなもん!そもそもそれは業種によるやろ!俺の後輩なんて「時給は安いんですけど社長さんがよくお餅をくれるんです」と訳のわからん理由で下水道の掃除7年やってたぞ!
「孫正義はすごい!」
なんやねん、それ!いきなり何言うねん、こいつ!話の流れ無視してなんで獰猛なハゲ方してるカリスマ社長出すねん!
ちなみに余談ですが、こいつはものすごい猫背です。猫背中の猫背で、海老よりも曲がってました。
⑯「兄ちゃん、いふぁんぼーくふぇんない?」 80代・男性
はっ?はっ?
「えっ?」
「いふぁいふぁ、いふぁんぼーくふぇん?」
「すいません、もう1回だけいいですか?」
「いふぁんぼーくふぇん」
「もう1回?」
「いふぁんぼーくふぇん」
「もう1回?」
「いふぁんぼーくふぇん」
「もう1回?」
大塚愛か、俺!何回も「もう1回」って言わせんなよ!俺とお前はさくらんぼってか、コラ!
異常に滑舌の悪いジジイで、何回訊いても聞き取れません。5回訊き直してようやくわかったのですが、気弱そうな見た目に反してこれ、「いらんボールペンない?」とナメたことお願いしてました。
⑰「せめて便所のトイレットペーパー持って帰ってやる!」 30代・男性
しょうもなっ、こいつ!ここにだいぶしょうもない奴おった!
「これだけ金取られてんやからそれぐらいええやろ!」
死んだらええねん、お前!寝違えすぎて死んだらええねん、お前みたいな奴!
「JRAになんか仕返ししないと俺の気が済まんわ!」
「しょうもないこと言うなよ、バスコ」
俺やった!このしょうもない奴、俺やった!33の独身男が追い込まれて窃盗考えてた!
ちなみに余談ですが、仲間と別れたこの男はその後、なけなしの小銭で競馬場近くのラーメン屋に入りました。トッピングで高菜を入れてもらったのですが、ラーメンができあがると同時にお金が足りないことに気づき、「入れてもらって悪いんですけどすいません、高菜戻してください!」とムチャな要求してました。
⑱「ハア……。ハア……。ハア……。生きるって、難しいな」 40代・男性
なんぼ負けてん、お前!なんぼ負けたらそれほど心折れんの!?
「生きる、か……」
ミサ通えや、お前!ミサで聞いてもらえ、そんないかつい悩み!「これはほんのお礼です」とか言って2万ぐらいつかましたったら今度は向こうのほうから電話してきよるわ!「5分でもいいのでお立ち寄りください」とかもっともらしいこと言いながらよ!
このフロア一帯には、負のオーラが充満しています。灰色やドドメ色など、どのオッサンもゴミと紙一重の服を着ており、全員が壁を背中に地べたに座って死にそうな顔をしています。ガンジス川よりも死臭が漂っており、しばらくして、服80枚ぐらい着たホームレスがもうどう考えても食うところがないリンゴをまだ食いながらやってきたのです。
白髪増えるわ、ここおったら!負のオーラがすごすぎて2時間もおったら髪の毛全部抜けるわ!死臭がすごすぎて窓開けとったらハゲタカつがいでやってきよるわここ!
寝転んで熟睡しているジジイに至っては、ジャージのお尻の部分が10センチ近く破けています。「負け組のカリスマ」みたいな奴ばかりで、見ていて恐ろしかったですよ。
⑲「おい!」「……おー、久しぶりやないか!元気か?」「元気やで。あんたも元気?」「元気、元気」「歳、いくつになったん?」「7、80」 70代・男性2人
7、80ってなんやねん!7、80!?お前、人生における10年をなんやと思ってんねん!「2、3個」みたいなノリで言ってるけどなんぼほど適当に生きとんねんこいつ!
「7、80ってことはそれ、78ってこと?」
どういう解釈やねん、それ!おかしなこと言われてんのはわかるけど78ではないやろどう考えても!もっと皇潤飲めよ!
「それより、あんたのほうはいくつになったん?」
「来年で75」
なんで来年の歳言うねん!今年の奴言えや!そもそもお前みたいなフラフラのジジイ来年ないかもしらんねんぞ!
「75か。ひじゅか」
何ひじゅって!?喜寿やったら知ってるけどひじゅって何!?もうイヤ、この2人!
ジジイ2人が、延々と妙な会話をくり広げています。このあと再会を祝して食事をするために場内のフードコートに移動したのですが、ここでも妙な会話は健在。2人で競馬新聞を読みながら、『根岸ステークス』というレース名のことを「峰岸カップ」と呼んでました。
そして、最後。
この野次に見られる理不尽さこそが、ロストシャウトの真骨頂。頻繁に耳にする野次で、今回の殿堂入りとさせていただきます。
⑳「差せ!差せ、コラ!差せ差せ差せ、差しすぎや!」 60代・男性
どないやねん、お前!はっきりせいやコラ!
「差しすぎや!戻れ!」
戻れるか、お前!戻る余裕とかあるかこの音速のハイラップに!競馬と人生は戻りたくても戻られへんねん!
「戻りまくれ!」
戻りまくれってなんやねん!もう何歩か指定せいや、コラ!『拝啓 武豊さま 5歩バックでお願いします』とか手紙に書いて紙ヒコーキにして飛ばせ大至急!
「ちょっと戻ってちょっと差せ!」
ややこしい言い方すんなよ!「ちょっと戻れ!」でええやんけそれ!
「よっしゃ戻った!」
いやそれほかが差したからや!ほかの馬が差したから戻ったように見えただけや!
「やっぱり差せ!」
ええ加減にせいよ、コラ!もうその与太そのへんにしとけ!言ってることスターリンと同じ!
「あー、はずした!死にたい!」
200円やねんけど手にしてる馬券!?全財産賭けてるみたいなテンションで叫んでたけどびっくりするぐらい張り方しょぼいねんけど!?
レースが直線に入ると、たくさんの人が声を荒げます。理不尽な発言を連発し、やることなすことがツッコミどころ満載。はたで見ているとおかしくて仕方がなく、この発言を今回の殿堂入りとさせていただきます。
以上が、今回の考察です。
ちなみに今年の僕は、負けまくりでした。大負けの連続だったため、次に競馬場に行ったときは便所の芳香剤を持って帰ってやろうと思っています……。
馬券負けた奴の発言はどれだけすさまじいか?の考察⑦(携帯読者用)
最近、競馬場とウインズに寄るのが日課になりました。
平日は帰宅の道すがらにある、地方競馬場に寄ります。休日出勤のときは大阪のウインズに、休日に仕事がないときも地元の阪神競馬場に行くなどして、「あるもの」を徹底的にリサーチしたのです。
そう、「ロストシャウト」です。
僕は競馬場の野次、罵声、嘆息など、ひっくるめてロストシャウトと定義しています。最近では調べるのが日課になり、「ロストシャウト帳」なるネタ帳を常時、携行するようになったのです。
人間は、お金が絡むと本性が出ます。馬券をはずした怒りで我を忘れ、とんでもない言葉をシャウトするのです。
なかでも、地方競馬のロストシャウター。
本当にこいつらだけは、常軌を逸してますよ。キャラも濃く、毎日開催されていることから人生を賭けた猛者ばかりで、キレっぷりが尋常ではないのです。
そこで今回は、「馬券負けた奴の発言はどれだけすさまじいか?」の考察⑦です。
以下、競馬歴26年の僕が過去に聞いた、とんでもないロストシャウトの数々をご紹介します。
①「この、原発豚野郎が!」 20代・男性
いきなりすごいのがきましたよ。
その昔、とある女優が旦那に「金髪豚野郎」と暴言を吐いて話題になりました。今年の震災に絡めて「原発豚野郎」と叫んだのですが、暴言を吐かれた騎手はガリガリなのです。
どこが豚野郎やねん、お前!ポッキーみたいやんけこの騎手!
「どうせお前が裏で東電の糸引いてんねやろ?」
関係ないわ、このポッキージョッキー!こんな魔法使いみたいなヒョロヒョロの奴に国動かす気概なんてないわ!
ちなみに余談ですが、こいつはあごの右側に、1センチ大のイボがあります。えらの張った真四角の輪郭をしていることから、なんかインターホンみたいでした。
②「やってること、スターリンと同じ!」 60代・男性
言い過ぎやろ、お前!なんぼ負けたか知らんけどさすがに言い過ぎやろ!
「今やったらわし、スターリンに殺された奴らの気持ちわかる!」
一緒にすんなよ、お前!どれだけ虐げられたと思ってんねんソビエトの民!「おばあちゃん、寒かったら私の毛布貸そうか」と人をいたわれるような奴でさえ単なる思想の違いで首チョンパされてんぞ!
このオッサンは競馬新聞をボールペンで叩きながら、騎手をのきなみスターリン呼ばわりしています。「○○はスターリン」「○○もスターリン」などと言いすぎて訳がわからなくなり、しまいには「○○に至ってはスターリン中のスターリン」って言ったんですよ。
どういうことやねん、それ!意味がまったくわからん!お前のほうに言葉狩りいるわ!
このオッサンは、大きなポケットが付いたチノパンを履いています。頻繁にポケットに手を突っ込み、何かをつかんでは口元に持っていくので気になって見たところ、ポケットにラップに包まれたナムル入ってました。
③「鼻血出てきたやんけ!」 40代・男性
お前のせいやろ、それは!負けたかどうか知らんけど鼻血は完全にお前のせいやろ!
「夏やのになんで出んねん!」
通年じゃ、鼻血!鼻血に旬の季節なんてないわ!見た奴が「あっ、もうそんな季節か」とか言わんわ!
作業着を着た小汚いオッサンで、一向に鼻血が止まりません。鼻に詰めるティッシュがなく、隣にいた仲間のオッサンが「とりあえずタバコ詰めろ」と助言したのです。
アホやんけ、ただの!鼻にタバコってお前、スナックのカウンターに長居してる全然おもんないサラリーマンがママとねんごろなるためにがんばってひょうきんさアピールするときのクソおもんない一発芸やんけ!
結局、手にしていた新聞は血まみれになりました。しかし、このオッサンは予想をあきらめません。血で染まったページをひっくり返し、裏側から見える微かな文字を読み取って予想を続行していました。
④「己の生活のために馬をぶっ殺したおすゲスな騎手どもが何を綺麗ごとほざきやがる!」 60代・男性
口悪っ、こいつ!信じられへんぐらい口悪い!
「ボンクラはなんかあったらすぐ誰かのために、誰かのためにってほざきやがる。その誰かのためにがんばったのに恩を仇で返された、わしのこの背中の傷が見れんのかこの野郎!!!」
誰か捕まえてくれ、こんな奴!マジでシャレならんわ!
場内のモニターには、東北の被災者に寄付する、と発表している騎手が映し出されています。このオッサンは画面を見ながら声を荒げ、「わしに寄付せいや」って言ったんですよ。
なんでお前に寄付しないとあかんねん!着てるダウンがボロボロかどうか知らんけどよ!
「せめてカツカレー代はよこせや!」
普通のカレーにせいや!しらふカレーにせいや、おごってもらうんやから!寄付の金でワンランク上の飯にありつこうと思うな!
このオッサンはその後、残ったなけなしの小銭でソフトクリームを購入しました。ミックスのソフトクリームを舐め始めたのですが、買う際に「混合のんくれ」って言いました。
⑤「歯医者はあきらめた!」 20代・男性
病院代に手出すなよ、お前!その金だけは使ったらあかんやろ!
「もう自分で抜くわ、歯!」
グリーンベレーか、お前!その根性、血で血を洗う生活してる奴のガッツやんけ!
この若者は負けながらも、どこか調子に乗っています。このあと、「言うとくけど、俺がバンダナはずしたらやばいよ。バンダナはずしたら絶対に勝つから」とオレンジのバンダナをはずし始めたのですが、次のレースしこたま負けたんですよ。
かっこ悪いな、おい!そもそもバンダナはずしたから馬券はずしたんと違うんかコラ!
こいつはその後、頭にバンダナを戻しました。ギャーギャー騒ぎ始めるなど、バンダナや馬券だけではなく、羽目もはずしてました。
⑥「(入り口で)この競馬場、犬連れて入ってもいいよね?」 50代・女性
ええわけあるか、お前!ええわけないやろ、こんな人多いところにペット!
「すいません、競馬場は動物の持ち込み禁止なんですよ!」
「あんなに馬おんのに!?」
そういう問題と違うわ!そりゃ馬はおるやろここ競馬場やねんから!
「あんなに馬おるやん!」
だから関係ないねんそんなこと!どんな理屈やねんそれ!お前それは「私の実家は寿司屋なのでタダで水族館入れてください!」ってお願いするようなもんやぞってちょっと違うやろこれは!ちょっとどころか全然違うやろ!
このオバハンは、白いマルチーズを連れています。交渉したものの断られ、渋々近くのカフェに足を運んだのですが、そこでも入店断られてました。
⑦「白髪1本でもある騎手はクズ!」 30代・男性
勝手なこと言うな、お前!30すぎたらそりゃ白髪の1本ぐらいあるやろ!
「白髪があるってことは髪の毛が負けてるってことや。だったら騎手なんてやめろって話やろ」
まったく共感できん!発想が完全に北朝鮮!
こいつは負けた腹いせに、騎手をのきなみクズ呼ばわりしています。「太ってる騎手はクズ」「ボロボロの長靴履いてる騎手はクズ」などとムチャクチャな理由でクズあつかいし、しまいには「そもそも騎手になった時点でクズ」って言ったんですよ。
どういうことやねんそれ!騎手は選ばれし奴しかなれん職業やねんぞ!
「だって騎手って全員中卒やで。中卒のくせに高卒の俺にたてつきやがってよ!」
大卒と違うの、自分!?大学院まで出てるみたいなテンションで上からしゃべってるけど高卒なん、自分!?お前それはフリーターがニートに説教するようなもんやぞ!
もうワケがわかりませんよ、こんな奴……。
⑧「どうなってんねん、皇潤!」 70代・男性
ギャンブル関係ないわ、皇潤!皇潤に馬券当たる効能とかないわ!
「皇潤飲んだのに!」
箱の裏よう読め、お前!皇潤やいうてもふところまで潤うわけじゃないねん!主成分に「アタリウム」とか入ってへんやろ!
「負けすぎてむしろ体壊しそうやんけ!」
お前のせいやろ、それは!もうイヤ、ジジイの皇潤神話!
ちなみに余談ですが、このジジイは腹巻きをしています。いろいろなモノを突き刺すなど、圧迫を利用して腹巻きをカバン代わりにしています。新聞やボールペンは当たり前、サキイカを袋ごと刺して食いながらモニター見てました。
⑨「(ベージュのパンストとスカートを履いたオッサンが)筋の通らんことすんなよ!」 50代・男性
お前もや!お前も筋通ってないねんその生き様!何系か教えろ、その気持ち悪いファッション!
「何考えとんねん、コラ!」
お前も何考えとんねんコラ!近くの外人、お茶持つ手震えとるやんけ!「ジャップ、怖い……」みたいな顔しとるやんけ!
このオカマは、関西一帯のウインズに姿を現します。左ひじみたいな顔してるくせに派手なパンストやスカートを履きこなし、すね毛も一切処理していません。崖から転落してもスネ毛が枝に絡まって助かりそうなぐらい濃く、過去に1度、緑のパンストに赤のスカート、上にピンクのキャミソールを身につけながら左目の横に星型のシールを貼り付けていたのです。
もう憲法違反、こいつ!なんかわからんけど憲法に抵触してる、こいつの存在!この国の国民やる権利ない!
ウインズには、妙なオカマが多いです。足を運ばれる際は、じっくりと観察してみてください。
⑩「この喫煙室、メガネジジイばっかりやんけ!」 20代・男性
何言い出すねん、お前!本人たちに丸聞こえやんけ!
「流行ってんのか!」
流行るか、お前!視力0.1ブームとか来るか、ボケ!「流行に乗り遅れたくない!」とか言いながら画面に両目引っつけてテレビ見る奴とかおるか!
ニッカボッカを履いたチンピラ丸出しの奴で、恐ろしいまでに口が悪いです。当たり前のように「ジジイ」と口にし、ヨボヨボのおばあちゃんが視界に入るやいなや、「ここ、ねりけしみたいなババアおるやん」って言ったんですよ。
なんぼほど口悪いねん、こいつ!もうプロの仕業に思えてきた!
「あんなん、ほとんどねりけしやん」
たしかにねりけしやけど!ボディーのグズグズさからそれ自体は否定せえへんけど人前でそんなこと言うなよ!
こいつは何かあると、友達のお尻を蹴ります。絵に描いたような荒くれ者だったのですが、使ってるタオルはクレヨンしんちゃんでした。
⑪「バケンニ、ティーポイントタマルヨウニセイヤ」 40代・アラブ人
外人やんな?ちょっと待って、ゴリゴリのアラブ人がTカード持ってんの!?
「ヒャクエンカッタラゴポイントツケロヤ」
あかん、頭が整理できん、俺!アラブ人がTポイント貯めてるだけでもありえへんのに、関西弁しゃべるわムチャな要求するわで頭が混乱してきた!
「それ、いいね!」
「デッシャロ?」
外人やんな?でっしゃろて、おい!でっしゃろなんてお前、なにわ歴40年超えてる大阪人でもめったに言わんぞ!もうお前1人で雑誌の特集組めるわ!ヘタしたら『今週のアラ部』みたいなタイトルでレギュラーコラムなるわ!
日本人の彼女を連れたこのアラブ人は、日本語がペラペラです。妙な関西弁を駆使し、当たり前のようにお箸を使って弁当を食べます。彼女に「エビフライノシッポ、タベルタイプ?」って訊いてましたから。
⑫「しゃぶしゃぶ、中止!」 20代・男性
飯代使うなよ、ギャンブルで!ロマンよりも目先の肉汁奪いにかかれや!
「すき屋に、変更!」
なんぼ負けてん、お前!肉のグレード下がりすぎやろ!お前それはソープあきらめてローションでシコるようなもんやぞ!
大学生と思しき団体で、大負けしたのか尋常じゃないぐらいヘコんでいます。全員がため息を漏らし、そのうちの1人が「あかん、目がかすんできた!」って言ったんですよ。
なんぼ負けたらそんなことなんねん!あの八甲田山でも往路やったらまだ目かすまんぞコラ!
「メガネ買いに行かないと!」
そういう問題と違うわ!メガネはその症状対応してないわ!視力は矯正できても死力は無理やねん!
ちなみに余談ですが、この大学生、もなかアイス7秒で食ってました。
⑬「あれっ。イスに置いてた俺の新聞、どっか行った」「兄ちゃんごめん、わしが借りてる」 60代・男性
誰やねん、お前!なあ誰、当たり前のように隣の俺の新聞使ってるけど!?
「使う?」
使うわ!使うからここ置いとんねん!
「悪いけど、もうちょっとだけ貸しといて。この茶色大根、食べてくれていいから」
切り干し大根や!茶色大根ってなんやねん!ていうかそもそもなんで弁当箱いっぱいに切り干し大根だけ入れてくんの!?これは飯なん、おやつなん、それとも酒のあてなん!?どの用途を考えても信じがたいチョイスやねんけど切り干し大根だけって!?
「うまいで、この茶色大根。みーちゃんが苦労して買ってきよってん」
誰やねんみーちゃんって!で、みーちゃん買ってきてんやったら苦労してへんやんけ別に!苦労して作ったんやったらわかるけど買ってきただけやろ!地雷よけながら買いに行ったわけでもあるまいしよ!
場内のイスに座っていると、隣のオッサンが頻繁に話しかけてきます。ペットボトルのお茶を勝手に飲まれることもあるぐらいで、犯罪者まがいの奴がうじゃうじゃしているのです。
⑭「(電車の車内で)チキショー!!!」 20代・男性
どこで叫ぶねん、お前!車内でシャウトすんなよ!
「ちゃんと乗れや!」
運転手がか!?騎手じゃなくて電車の運転手のこと言ってんのかそれ!?
競馬場の最寄り駅は、濃い奴が多いです。とりわけ最終レースが終わった17時前の電車は大混雑しており、馬券に負けた連中がホームで荒れています。眉間にシワを寄せた奴だらけで、なにしろ1度、噛んでるガムを通過していく特急の車体に投げつけている奴がいたのです。
何考えてんねん、お前!で、投げたガム、引っ付かんとお前の足元に戻ってきてるやんけ!ばつの悪さに耐えられんと場所移動してるやんけ、こいつ!
本当に勘弁してほしいですよ、こんな奴……。
⑮「競馬は勇気!エッチは根気!」 30代・男性
やかましいわ、コラ!何をうまいこと言ってくれとんねん!
「バイトは短期!」
知らんがな、そんなもん!そもそもそれは業種によるやろ!俺の後輩なんて「時給は安いんですけど社長さんがよくお餅をくれるんです」と訳のわからん理由で下水道の掃除7年やってたぞ!
「孫正義はすごい!」
なんやねん、それ!いきなり何言うねん、こいつ!話の流れ無視してなんで獰猛なハゲ方してるカリスマ社長出すねん!
ちなみに余談ですが、こいつはものすごい猫背です。猫背中の猫背で、海老よりも曲がってました。
⑯「兄ちゃん、いふぁんぼーくふぇんない?」 80代・男性
はっ?はっ?
「えっ?」
「いふぁいふぁ、いふぁんぼーくふぇん?」
「すいません、もう1回だけいいですか?」
「いふぁんぼーくふぇん」
「もう1回?」
「いふぁんぼーくふぇん」
「もう1回?」
「いふぁんぼーくふぇん」
「もう1回?」
大塚愛か、俺!何回も「もう1回」って言わせんなよ!俺とお前はさくらんぼってか、コラ!
異常に滑舌の悪いジジイで、何回訊いても聞き取れません。5回訊き直してようやくわかったのですが、気弱そうな見た目に反してこれ、「いらんボールペンない?」とナメたことお願いしてました。
⑰「せめて便所のトイレットペーパー持って帰ってやる!」 30代・男性
しょうもなっ、こいつ!ここにだいぶしょうもない奴おった!
「これだけ金取られてんやからそれぐらいええやろ!」
死んだらええねん、お前!寝違えすぎて死んだらええねん、お前みたいな奴!
「JRAになんか仕返ししないと俺の気が済まんわ!」
「しょうもないこと言うなよ、バスコ」
俺やった!このしょうもない奴、俺やった!33の独身男が追い込まれて窃盗考えてた!
ちなみに余談ですが、仲間と別れたこの男はその後、なけなしの小銭で競馬場近くのラーメン屋に入りました。トッピングで高菜を入れてもらったのですが、ラーメンができあがると同時にお金が足りないことに気づき、「入れてもらって悪いんですけどすいません、高菜戻してください!」とムチャな要求してました。
⑱「ハア……。ハア……。ハア……。生きるって、難しいな」 40代・男性
なんぼ負けてん、お前!なんぼ負けたらそれほど心折れんの!?
「生きる、か……」
ミサ通えや、お前!ミサで聞いてもらえ、そんないかつい悩み!「これはほんのお礼です」とか言って2万ぐらいつかましたったら今度は向こうのほうから電話してきよるわ!「5分でもいいのでお立ち寄りください」とかもっともらしいこと言いながらよ!
このフロア一帯には、負のオーラが充満しています。灰色やドドメ色など、どのオッサンもゴミと紙一重の服を着ており、全員が壁を背中に地べたに座って死にそうな顔をしています。ガンジス川よりも死臭が漂っており、しばらくして、服80枚ぐらい着たホームレスがもうどう考えても食うところがないリンゴをまだ食いながらやってきたのです。
白髪増えるわ、ここおったら!負のオーラがすごすぎて2時間もおったら髪の毛全部抜けるわ!死臭がすごすぎて窓開けとったらハゲタカつがいでやってきよるわここ!
寝転んで熟睡しているジジイに至っては、ジャージのお尻の部分が10センチ近く破けています。「負け組のカリスマ」みたいな奴ばかりで、見ていて恐ろしかったですよ。
⑲「おい!」「……おー、久しぶりやないか!元気か?」「元気やで。あんたも元気?」「元気、元気」「歳、いくつになったん?」「7、80」 70代・男性2人
7、80ってなんやねん!7、80!?お前、人生における10年をなんやと思ってんねん!「2、3個」みたいなノリで言ってるけどなんぼほど適当に生きとんねんこいつ!
「7、80ってことはそれ、78ってこと?」
どういう解釈やねん、それ!おかしなこと言われてんのはわかるけど78ではないやろどう考えても!もっと皇潤飲めよ!
「それより、あんたのほうはいくつになったん?」
「来年で75」
なんで来年の歳言うねん!今年の奴言えや!そもそもお前みたいなフラフラのジジイ来年ないかもしらんねんぞ!
「75か。ひじゅか」
何ひじゅって!?喜寿やったら知ってるけどひじゅって何!?もうイヤ、この2人!
ジジイ2人が、延々と妙な会話をくり広げています。このあと再会を祝して食事をするために場内のフードコートに移動したのですが、ここでも妙な会話は健在。2人で競馬新聞を読みながら、『根岸ステークス』というレース名のことを「峰岸カップ」と呼んでました。
そして、最後。
この野次に見られる理不尽さこそが、ロストシャウトの真骨頂。頻繁に耳にする野次で、今回の殿堂入りとさせていただきます。
⑳「差せ!差せ、コラ!差せ差せ差せ、差しすぎや!」 60代・男性
どないやねん、お前!はっきりせいやコラ!
「差しすぎや!戻れ!」
戻れるか、お前!戻る余裕とかあるかこの音速のハイラップに!競馬と人生は戻りたくても戻られへんねん!
「戻りまくれ!」
戻りまくれってなんやねん!もう何歩か指定せいや、コラ!『拝啓 武豊さま 5歩バックでお願いします』とか手紙に書いて紙ヒコーキにして飛ばせ大至急!
「ちょっと戻ってちょっと差せ!」
ややこしい言い方すんなよ!「ちょっと戻れ!」でええやんけそれ!
「よっしゃ戻った!」
いやそれほかが差したからや!ほかの馬が差したから戻ったように見えただけや!
「やっぱり差せ!」
ええ加減にせいよ、コラ!もうその与太そのへんにしとけ!言ってることスターリンと同じ!
「あー、はずした!死にたい!」
200円やねんけど手にしてる馬券!?全財産賭けてるみたいなテンションで叫んでたけどびっくりするぐらい張り方しょぼいねんけど!?
レースが直線に入ると、たくさんの人が声を荒げます。理不尽な発言を連発し、やることなすことがツッコミどころ満載。はたで見ているとおかしくて仕方がなく、この発言を今回の殿堂入りとさせていただきます。
以上が、今回の考察です。
ちなみに今年の僕は、負けまくりでした。大負けの連続だったため、次に競馬場に行ったときは便所の芳香剤を持って帰ってやろうと思っています……。
それ、言ってどうするのか?の考察③(パソコン読者用)
昨日、僕の母親がカワハギの煮付けをつくりました。
このカワハギは、僕の父親が釣ってきたものです。煮豆腐を添えて食卓に並べられたのですが、僕は煮付けが大嫌い。何がおいしいのかわからず、骨を取るのも面倒くさいです。
「父さん、釣ってきてもらって悪いけど、俺の魚、食べてや」
僕の父親は、僕が煮付けを嫌いなことを知っています。「いいよ」と2つ返事だったのですが、母親のほうが声を荒げました。
「なんで残すねん、あんた!残したら魚に失礼やろ!」
これ、毎回言われるんですよ。「魚の気持ちも考えろ!」と妙な正義感を振りかざしてくるのですが、こんなもん、魚はなんとも思ってませんよ。殺されといて「せめてキレイに食べてくれよ!」なんて崇高なことを思うわけがなく、なんやったら、残してくれ、と思ってますよ。「罪もない我々を問答無用で殺すような奴らに食べてほしくないわ!」と考えるほうが至極まともで、そんなマザー・テレサみたいな生き物が存在するわけがないのです。
もちろん、食べ物を残すことはよくありません。僕もそれは重々承知しているのですが、「魚に失礼だから」という論拠で注意されても納得できないんですね。
「アフリカの子供たちのことも考えろ!あの子らは食べたくても食べられへんねんで!」
これも同様で、意味がわかりません。アフリカの子供たちが食べ物に困っていたとしても、「このカワハギの煮付け食べ!」と言って渡したら、食べない奴のほうが多いですよ。異国の得体の知れないものを渡されて食べる気など起こるはずがなく、ヘタしたら捨てますよ。実態のともなわない精神論にすぎず、そもそもアフリカの子供たちにも食べ物の好き嫌いはあります。僕らが残したパセリを届けたところで食うわけないんですよ。
世の中には、「それ、言ってどうするの?」と思わずにはいられない、謎のフレーズが存在します。諸所の理由で口にする人がいるものの、言われたほうからすれば正直、迷惑なのです。
そこで今回は、「それ、言ってどうするのか?」の考察③です。
以下、誰もが1度は聞いたであろう、「それ言ってどうするのかフレーズ」をご紹介します。
①「今日、風、強くない?」
会うと、天気の話をしてくる人がいます。会話の常套句といえるテーマで、コミュニケーションの潤滑油として使用している人は多いでしょう。
僕も、会ったばかりの人には気候の話を振ります。「暑いですね」「そうですね」「僕は汗かきなので大変なんですよ」「そうなんですか」といった会話で相手との距離を縮めるのですが、中には、ワケのわからないテーマで天気の話をしてくる人がいます。その典型例が「風」で、「今日、風、強くない?」と、会っていきなり風の強さを質問してくるのです。
お前、風確認してなんの意味あんねん!そんなこと確かめあって何になんねん!テポドン飛ばすわけじゃあるまいしよ!
「昨日よりも風強くない?」
昨日の風とか知らんわ、ボケ!ライト兄弟やないねんぞ!
「風が強すぎて吹き飛ばされそうになったよ」
だからなんやねん!お前のそんなしょうもない事件簿まったく興味ないわ!公民館に行って聞いてもらえ、そんなどぎつい与太!
そもそも風なんて、10メートルも場所が違ったら強さは違います。台風が来ているのならまだしも、全員が同じ強さを感じるわけがないんですね。
ほかにも「今日って雨降んの?」と、降雨の有無を断じてもらおうとする人がいるのですが、こんなもん、こっちが知ってるわけないんですよ。雷神じゃあるまいし、こんな超難問の答えを求められても困るのです。
お前、人間が全知全能やと簡単に思うな!東大出の天気予報士でも間違う奴のほうが多いのに、しょっちゅう松屋のゴミみたいな肉で胃袋満たしてるような庶民がそんな難問解けるわけないやろ!
「大雨なん?」
だから知らんねん、そんなこと!俺がわかるわけないやろ!お前それは女子高生に「集団的自衛権って何?」って訊くようなもんやぞ!
「カミナリは鳴んの?」
雲仕切ってる奴に訊け、そんなこと!雲にお勤めのベテラン雷神に伝書鳩でも送れ!「梅雨の書き入れどきでお忙しいところ恐縮ですが……」みたいな一筆添えてよ!
天気の話は、使い方を間違えると相手をうんざりさせます。テーマ選びには注意しましょう。
②「だまされたと思って食べてみ!」
これは頻繁に言われます。嫌いな食べ物だと報告しているのに、むりやり食べさせようとする人がいるのです。
いらん言うてるやろ、お前!そもそもお前の言い分を信用できる証拠が何ひとつないねん、こっちに!お前だって、キャバクラで会って2秒で「ママ、ビョウキ。ダカラ、オカネイル」とか言うフィリピーナおったらすぐにチェンジ入れるやろ!
しかも、やけにしつこいです。「ほんまにダメなんで!」と断っても、「いいから、いいから!」と、決算前の営業マンなみに押してきます。半ギレで断っているのに、「いいからいいから!いいからいいから!」と一歩も引かないのです。
なんでそんなに必死やねん!ラガーマンか、お前!
「いいからいいから!いいからいいから!」
「無理です!」
「いいからだまされたと思って食べて!お願いやから!本当にお願いやから!」
人質おんのか、お前!身内を人質に取られてるとしか思えん、この退路を断ったような腹のすわり方!
あまりにしつこいため、こちらも食べざるをえません。ですが、100%に近い確率でだまされます。おいしかったためしがなく、食べさされたほうはだまされ損なのです。
ふざけんなよ、お前!ほんまに人質取ったろか、コラ!お前の息子を人質に取って冷凍のカニの脚で全身まんべんなくしばいたろか!お前の息子が本来なら修学旅行に行ってたであろう日によ!
「あっ、これダメ?」
だからダメや言うてるやろさっきから!「あんたのほうもしつこいで!」って言われるぐらい言うとるわ、俺!8000回は言うたわ!8000回は言いすぎた、3回は言うたわ!
しかもだましたくせに、謝罪がありません。やってることは詐欺師と同じなのに、「まあでも、食べ物は好みもあるしね」と、妙にクールなコメントを残しやがるのです。
なめてんのか、てめえこの野郎!ていうか賠償せい、コラ!まずいもん食わしてんやからせめてモンダミン代ぐらい払え!もしくは巨乳すぎてちょいちょい顔に当たってくる歯医者紹介しろ!手で払いのけるフリして不可抗力で触ったるわ!
そもそも食べさしたところで、本人には何のメリットもありません。お互いが損をするだけなので、典型的な「それ言ってどうするのかフレーズ」といえるでしょう。
③「今、何時?」「8時5分前」
これも意味がわかりません。時刻をたずねたら、「○時○分前」と、妙な言い回しを使ってくる人がいます。7時55分なら「8時5分前」と言いやがるので、正直、ピンとこないのです。
普通に言えや、お前!何のメリットあんねん、そんな小難しい言い方して!慶応の幼稚園の面接受けるんやないねんぞ!
「8時5分前すぎ」
もうわからん、それ!そもそも「もうすぐ8時」でええやんけ!なんでわかりにくい言い方すんねん!官僚か!
僕の母親が、必ずこの言い方をします。「8時10分前」「8時20分前」などと当たり前のように口にし、つい先日なんて「あと5分で9時10分前」って言ったんですよ。
まったくわからん!もう池上彰の説明いる、これ!
「今、何時?」
「8時30分前」
7時半やんけ!7時半やろ、8時30分前って!これが許されるんやったらお前、「9時2時間前」とか言えるわ!もしくは「今日、何日?」と訊かれて「29日6日前」とかも成立するわ!
「今、何時?」
「正午頃」
正午頃ってなんやねん!正午頃!?假屋崎の誕生日かなんかか、コラ!
「正午頃すぎ」
正午頃やろ、それ!正午頃すぎは正午頃やろ!
「正午頃5分前」
正午頃やろだからそれ!正午頃5分前は正午らへんやから正午頃やろってトラウマなるわ!これだけ正午頃正午頃言われたら、これから正午頃を迎えるのが怖くてしょうごごろがないわってもう混乱してるわ俺!医者紹介してくれ、できれば巨乳の!「先生、僕もうどうしたらいいかわからないんです!」と体にすがるフリして不可抗力で胸元に顔面うずめたるわ!
このような言い回しは、すぐにでも改めるべきです。大きな勘違いにつながることもあり、たとえば、「8時15分前に集合しろ!」と指示された場合。この場合、「7時45分」という解釈だけではなく、「8時15分の少し前」と捉えることもできます。語り手のイントネーションひとつでどちらとも取れることから、ややこしくて仕方がないでしょう、
④「冬でもアイスとか食べる人?食べない人?」
会話というのは、発展させなければなりません。話題の振りは「きっかけ」であり、きっかけを起点として話を広げていくのが定石でしょう。
ですが、どうでもいいことを訊いてくる人がいます。何も考えずに思ったことを口にするタイプの人で、たとえばナンバータイトルにある、「冬でもアイスとか食べる人?食べない人?」。つい先日質問されたのですが、こんなことを訊いたところで会話が盛り上がるわけないのです。
少しは考えてしゃべれや、お前!そもそもアイスは誰でも通年じゃ、基本!冬場のババアでも厚手のカーディガン羽織りながら抹茶アイス食っとるわ!じいさんの仏壇に1回供えてからよ!
「食べますよ」
「そうだよね。寒くても関係ないよね」
「そうですね」
「でもやっぱり、夏に食べるアイスが1番おいしいよね」
「そうですね」
「汗をかいたときには特に……」
何がおもろいねん、この会話!やる意味ある、こんなもっちゃりとした会話!?
「話変わるけど、天ぷらって何度で揚げる?」
訊いてどうすんねん、そんなこと!道場六三郎と話せよ、そんなテーマ!ただ道場はジジイやから、会話の合間に戦時中の苦労話も聞いたれよ!ジジイはそれで機嫌がよくなるから!
世の中には、どうでもいい質問をしてくる人がたくさんいます。今年耳にしたものだけでも、以下のようなものがありました。
「ご飯にフリカケとか振るタイプの人?」
訊いてどうすんねん、そんなこと!そもそもフリカケなんて団地の奴しか振らんわ!団地でいまだに生協利用してるようなご家庭でしか振らんわ!もしくはがんばった奴隷へのご褒美用にたまに船長が買いにくるだけや!
「テレビで横浜広島戦とオリックスロッテ戦が同時に中継されてたらどっち見る?」
TSUTAYA行く!そんな地味な5位争い見るぐらいやったら、TSUTAYAでユージュアル・サスペクツもう1回借りる!
「高校のときの水木先生の話、していい?」
なんの確認やねん、これ!なんでそんな許可求めてくんの、いちいち!?すっと言えや、どうせおもんない話なんやろうけど!「すごくひょうきんな先生でさ、『プレパラートを割った生徒はぶっちゃうぞ~!』って拳突き上げて言うもんだらからおかしくておかしくて!」とかなんやろうけどよ!
会話には、最低限の「質」が必要です。どうでもいい質問はやめたほうがいいでしょう。
⑤「サ~~~ンクス!」
会話の節々に、横文字を使ってくる人がいます。お礼を言うときは「サンクス!」、急いでほしいときは「ハリーアップ!」と、急にアメリカナイズしてくるのです。
どう思われたいねん、お前!機嫌いいかどうか知らんけどいきなりアメ公ぶってなんの意味があんねん!言葉の貿易摩擦やぞ、もうこれは!
「イエッサー!」
ナチスか!閣下と違うわ、俺!ちょびヒゲなんて生えてないやろ!
「オフコース!」
腹立つわ、こいつ!こんなん言われるぐらいやったら、まだ「もちのろんよ」のほうがええわ!これやとなんの躊躇もなく無視できるから!
僕が放送作家になりたてのころに、この手の英語を連発してくる上司がいました。ブーツでスタジオに来るような外人かぶれのチャラい人で、「イエッサー!」や「オフコース!」を連発してきます。忘年会のときなんて、僕が楽しんでいるかどうかを確認するために、僕の隣に来て「エンジョイ?」って言ったんですよ。
意味わからん!エンジョイ?ってなんやねん!もっと進研ゼミで勉強しとけよ!
「エンジョイ?」
「エ、エンジョイです」
「どのぐらいエンジョイ?」
どういうことやねん、それ!ていうか自分、何ペン先生の教え子!?何ペン先生の添削受けたか教えろ!
ほかにもこの人は、スタジオに来ると、その場のスタッフ全員に「ハッピー?」と訊いていきます。偉いさんなので、全員渋々「イエス!」と英語で返していたのですが、毎日のようにやられるため、全員がうっとうしく感じています。僕も含めてこの人に冷たくするようになり、本人もそのことに気づいたのでしょう。次第に英語を一切言わなくなりました。
ある日、出演者のタレントさんが誕生日を迎えました。スタジオの中央に特大のケーキを用意し、そのタレントさんを囲んでスタッフがハッピーバースデイを歌います。するとその上司は我慢できなくなったのでしょう。「今やったら言える!」とばかりにスタジオ中に響き渡る大声で「♪ハッピバースデイ!!!」って歌い出したんですよ!
何なんお前、マジで!溜まってたか知らんけどヨダレたらしながら歌い狂ってるやんけ!
「♪ハッピバースデイ、ディアハッピー!!!」
そこハッピーと違うわ!こいつあかん、久しぶりの英語に興奮して自分を見失ってやがる!タレントよりもこいつのほうが幸せそう!
むりやり英語を使ったところで、得るものなどありません。連発するとウザがられるので注意してください。
そして、最後。このフレーズだけは、本当の本当に意味がわかりません。
⑥「子づくりに専念します!」
みなさまも、このフレーズを聞いたことがあるはずです。いわゆる「子づくり宣言」という奴で、新婚夫婦が周囲に発表してきます。
ですが、「勝手にせいよ!」という話です。いちいち告知してくる意味がわからず、なにより、この発言は下ネタです。子づくりに「専念する」と言っているわけですから、「週6で旦那のおちんちん触ります!」と宣言しているのと同じなのです。
変態番長か、コラ!週6で握るてお前、俺でも週3やぞって何言わすねんお前!イブ直前にヤモメの裏事情言わせんなよ!
「仕事なんかほっといて子づくりに専念します!」
昼間っからペロンチョやんの!?お天道様に見られてると思ったら興奮するタイプなんや!?
『(年賀状で)今年は子づくりに専念します!』
新年早々下ネタやんけ!なんや、「開けオメ」か!?年末に108回も突かれたのに年明けすぐにもうご開帳ってかコラ!
こんなことを宣言されたら、知り合いだとて、おめおめと連絡できません。なにしろ昼夜を問わず、子づくりに励んでいるわけです。「電話しても、今も子づくりをしているのではないか……」と妙な気遣いをしてしまうんですね。
4年前の年明けのことです。
その日、僕は仕事の先輩の家にお呼ばれしました。女性の方で、年賀状には「今年は子づくりに専念します!」と記されていました。結果、「この家の中で子づくりに専念しているのか……」と思わずにはいられず、「少しでも隙を見せたら旦那の股間を触りにかかるんじゃないか」と考えて気が気じゃありません。
「バスコ君、何を飲む?」
この発言ひとつ取ってもドキドキです。あらゆることを子づくりに結びつけてしまい、「カルピスあるけど?」なんて訊かれた日には、僕のほうがカルピスまみれになるでしょう。
旦那さんも含めて、鉄板焼きをすることになりました。たくさんの具材を買い込んできており、ホットプレートを用意するやいなや、その先輩の女性が極太のエリンギを手で2本握り締めたのです。
勘弁してくれよ、おい!俺の股間もエリンギになるやんけ!
「大きいね、これ」
エロすぎる!ここまでエロかったらもう、キッチンのチンまでが別のチンに思えてきた!
「バスコ君、タレは足りてる?」
「足りてます……」
「バスコ君、ホットプレートの火を強めて」
「わかりました。……どうですか?」
「もっと!もっと強く!」
「これぐらいですか?」
「もっと!!!」
「これぐらいですか?」
「ちょっと弱めにして!」
「バスコ君、俺が代わるわ」
ごめん、トイレ行ってくるわ!もう限界、エリンギ小さくしてくるわ!このままいったらこのままイってまうから!
とにかく、「子づくりに専念します!」は下ネタです。僕のように解釈する人もいるので、くれぐれも宣言しないようにしてください。
以上が、今回の考察です。
それ言ってどうするのかフレーズは、積もり積もると嫌われます。もちろん、そんなことを気にしていたら会話などできないのですが、言わないにこしたことがないことは避けるべきでしょう。
最後に余談ですが、最近、このブログのアクセス数が減少しています。お手数ですが、「だまされたと思ってバスコの人生考察読んでみ!」と周囲に広めてください……。
それ、言ってどうするのか?の考察③(携帯読者用)
昨日、僕の母親がカワハギの煮付けをつくりました。
このカワハギは、僕の父親が釣ってきたものです。煮豆腐を添えて食卓に並べられたのですが、僕は煮付けが大嫌い。何がおいしいのかわからず、骨を取るのも面倒くさいです。
「父さん、釣ってきてもらって悪いけど、俺の魚、食べてや」
僕の父親は、僕が煮付けを嫌いなことを知っています。「いいよ」と2つ返事だったのですが、母親のほうが声を荒げました。
「なんで残すねん、あんた!残したら魚に失礼やろ!」
これ、毎回言われるんですよ。「魚の気持ちも考えろ!」と妙な正義感を振りかざしてくるのですが、こんなもん、魚はなんとも思ってませんよ。殺されといて「せめてキレイに食べてくれよ!」なんて崇高なことを思うわけがなく、なんやったら、残してくれ、と思ってますよ。「罪もない我々を問答無用で殺すような奴らに食べてほしくないわ!」と考えるほうが至極まともで、そんなマザー・テレサみたいな生き物が存在するわけがないのです。
もちろん、食べ物を残すことはよくありません。僕もそれは重々承知しているのですが、「魚に失礼だから」という論拠で注意されても納得できないんですね。
「アフリカの子供たちのことも考えろ!あの子らは食べたくても食べられへんねんで!」
これも同様で、意味がわかりません。アフリカの子供たちが食べ物に困っていたとしても、「このカワハギの煮付け食べ!」と言って渡したら、食べない奴のほうが多いですよ。異国の得体の知れないものを渡されて食べる気など起こるはずがなく、ヘタしたら捨てますよ。実態のともなわない精神論にすぎず、そもそもアフリカの子供たちにも食べ物の好き嫌いはあります。僕らが残したパセリを届けたところで食うわけないんですよ。
世の中には、「それ、言ってどうするの?」と思わずにはいられない、謎のフレーズが存在します。諸所の理由で口にする人がいるものの、言われたほうからすれば正直、迷惑なのです。
そこで今回は、「それ、言ってどうするのか?」の考察③です。
以下、誰もが1度は聞いたであろう、「それ言ってどうするのかフレーズ」をご紹介します。
①「今日、風、強くない?」
会うと、天気の話をしてくる人がいます。会話の常套句といえるテーマで、コミュニケーションの潤滑油として使用している人は多いでしょう。
僕も、会ったばかりの人には気候の話を振ります。「暑いですね」「そうですね」「僕は汗かきなので大変なんですよ」「そうなんですか」といった会話で相手との距離を縮めるのですが、中には、ワケのわからないテーマで天気の話をしてくる人がいます。その典型例が「風」で、「今日、風、強くない?」と、会っていきなり風の強さを質問してくるのです。
お前、風確認してなんの意味あんねん!そんなこと確かめあって何になんねん!テポドン飛ばすわけじゃあるまいしよ!
「昨日よりも風強くない?」
昨日の風とか知らんわ、ボケ!ライト兄弟やないねんぞ!
「風が強すぎて吹き飛ばされそうになったよ」
だからなんやねん!お前のそんなしょうもない事件簿まったく興味ないわ!公民館に行って聞いてもらえ、そんなどぎつい与太!
そもそも風なんて、10メートルも場所が違ったら強さは違います。台風が来ているのならまだしも、全員が同じ強さを感じるわけがないんですね。
ほかにも「今日って雨降んの?」と、降雨の有無を断じてもらおうとする人がいるのですが、こんなもん、こっちが知ってるわけないんですよ。雷神じゃあるまいし、こんな超難問の答えを求められても困るのです。
お前、人間が全知全能やと簡単に思うな!東大出の天気予報士でも間違う奴のほうが多いのに、しょっちゅう松屋のゴミみたいな肉で胃袋満たしてるような庶民がそんな難問解けるわけないやろ!
「大雨なん?」
だから知らんねん、そんなこと!俺がわかるわけないやろ!お前それは女子高生に「集団的自衛権って何?」って訊くようなもんやぞ!
「カミナリは鳴んの?」
雲仕切ってる奴に訊け、そんなこと!雲にお勤めのベテラン雷神に伝書鳩でも送れ!「梅雨の書き入れどきでお忙しいところ恐縮ですが……」みたいな一筆添えてよ!
天気の話は、使い方を間違えると相手をうんざりさせます。テーマ選びには注意しましょう。
②「だまされたと思って食べてみ!」
これは頻繁に言われます。嫌いな食べ物だと報告しているのに、むりやり食べさせようとする人がいるのです。
いらん言うてるやろ、お前!そもそもお前の言い分を信用できる証拠が何ひとつないねん、こっちに!お前だって、キャバクラで会って2秒で「ママ、ビョウキ。ダカラ、オカネイル」とか言うフィリピーナおったらすぐにチェンジ入れるやろ!
しかも、やけにしつこいです。「ほんまにダメなんで!」と断っても、「いいから、いいから!」と、決算前の営業マンなみに押してきます。半ギレで断っているのに、「いいからいいから!いいからいいから!」と一歩も引かないのです。
なんでそんなに必死やねん!ラガーマンか、お前!
「いいからいいから!いいからいいから!」
「無理です!」
「いいからだまされたと思って食べて!お願いやから!本当にお願いやから!」
人質おんのか、お前!身内を人質に取られてるとしか思えん、この退路を断ったような腹のすわり方!
あまりにしつこいため、こちらも食べざるをえません。ですが、100%に近い確率でだまされます。おいしかったためしがなく、食べさされたほうはだまされ損なのです。
ふざけんなよ、お前!ほんまに人質取ったろか、コラ!お前の息子を人質に取って冷凍のカニの脚で全身まんべんなくしばいたろか!お前の息子が本来なら修学旅行に行ってたであろう日によ!
「あっ、これダメ?」
だからダメや言うてるやろさっきから!「あんたのほうもしつこいで!」って言われるぐらい言うとるわ、俺!8000回は言うたわ!8000回は言いすぎた、3回は言うたわ!
しかもだましたくせに、謝罪がありません。やってることは詐欺師と同じなのに、「まあでも、食べ物は好みもあるしね」と、妙にクールなコメントを残しやがるのです。
なめてんのか、てめえこの野郎!ていうか賠償せい、コラ!まずいもん食わしてんやからせめてモンダミン代ぐらい払え!もしくは巨乳すぎてちょいちょい顔に当たってくる歯医者紹介しろ!手で払いのけるフリして不可抗力で触ったるわ!
そもそも食べさしたところで、本人には何のメリットもありません。お互いが損をするだけなので、典型的な「それ言ってどうするのかフレーズ」といえるでしょう。
③「今、何時?」「8時5分前」
これも意味がわかりません。時刻をたずねたら、「○時○分前」と、妙な言い回しを使ってくる人がいます。7時55分なら「8時5分前」と言いやがるので、正直、ピンとこないのです。
普通に言えや、お前!何のメリットあんねん、そんな小難しい言い方して!慶応の幼稚園の面接受けるんやないねんぞ!
「8時5分前すぎ」
もうわからん、それ!そもそも「もうすぐ8時」でええやんけ!なんでわかりにくい言い方すんねん!官僚か!
僕の母親が、必ずこの言い方をします。「8時10分前」「8時20分前」などと当たり前のように口にし、つい先日なんて「あと5分で9時10分前」って言ったんですよ。
まったくわからん!もう池上彰の説明いる、これ!
「今、何時?」
「8時30分前」
7時半やんけ!7時半やろ、8時30分前って!これが許されるんやったらお前、「9時2時間前」とか言えるわ!もしくは「今日、何日?」と訊かれて「29日6日前」とかも成立するわ!
「今、何時?」
「正午頃」
正午頃ってなんやねん!正午頃!?假屋崎の誕生日かなんかか、コラ!
「正午頃すぎ」
正午頃やろ、それ!正午頃すぎは正午頃やろ!
「正午頃5分前」
正午頃やろだからそれ!正午頃5分前は正午らへんやから正午頃やろってトラウマなるわ!これだけ正午頃正午頃言われたら、これから正午頃を迎えるのが怖くてしょうごごろがないわってもう混乱してるわ俺!医者紹介してくれ、できれば巨乳の!「先生、僕もうどうしたらいいかわからないんです!」と体にすがるフリして不可抗力で胸元に顔面うずめたるわ!
このような言い回しは、すぐにでも改めるべきです。大きな勘違いにつながることもあり、たとえば、「8時15分前に集合しろ!」と指示された場合。この場合、「7時45分」という解釈だけではなく、「8時15分の少し前」と捉えることもできます。語り手のイントネーションひとつでどちらとも取れることから、ややこしくて仕方がないでしょう、
④「冬でもアイスとか食べる人?食べない人?」
会話というのは、発展させなければなりません。話題の振りは「きっかけ」であり、きっかけを起点として話を広げていくのが定石でしょう。
ですが、どうでもいいことを訊いてくる人がいます。何も考えずに思ったことを口にするタイプの人で、たとえばナンバータイトルにある、「冬でもアイスとか食べる人?食べない人?」。つい先日質問されたのですが、こんなことを訊いたところで会話が盛り上がるわけないのです。
少しは考えてしゃべれや、お前!そもそもアイスは誰でも通年じゃ、基本!冬場のババアでも厚手のカーディガン羽織りながら抹茶アイス食っとるわ!じいさんの仏壇に1回供えてからよ!
「食べますよ」
「そうだよね。寒くても関係ないよね」
「そうですね」
「でもやっぱり、夏に食べるアイスが1番おいしいよね」
「そうですね」
「汗をかいたときには特に……」
何がおもろいねん、この会話!やる意味ある、こんなもっちゃりとした会話!?
「話変わるけど、天ぷらって何度で揚げる?」
訊いてどうすんねん、そんなこと!道場六三郎と話せよ、そんなテーマ!ただ道場はジジイやから、会話の合間に戦時中の苦労話も聞いたれよ!ジジイはそれで機嫌がよくなるから!
世の中には、どうでもいい質問をしてくる人がたくさんいます。今年耳にしたものだけでも、以下のようなものがありました。
「ご飯にフリカケとか振るタイプの人?」
訊いてどうすんねん、そんなこと!そもそもフリカケなんて団地の奴しか振らんわ!団地でいまだに生協利用してるようなご家庭でしか振らんわ!もしくはがんばった奴隷へのご褒美用にたまに船長が買いにくるだけや!
「テレビで横浜広島戦とオリックスロッテ戦が同時に中継されてたらどっち見る?」
TSUTAYA行く!そんな地味な5位争い見るぐらいやったら、TSUTAYAでユージュアル・サスペクツもう1回借りる!
「高校のときの水木先生の話、していい?」
なんの確認やねん、これ!なんでそんな許可求めてくんの、いちいち!?すっと言えや、どうせおもんない話なんやろうけど!「すごくひょうきんな先生でさ、『プレパラートを割った生徒はぶっちゃうぞ~!』って拳突き上げて言うもんだらからおかしくておかしくて!」とかなんやろうけどよ!
会話には、最低限の「質」が必要です。どうでもいい質問はやめたほうがいいでしょう。
⑤「サ~~~ンクス!」
会話の節々に、横文字を使ってくる人がいます。お礼を言うときは「サンクス!」、急いでほしいときは「ハリーアップ!」と、急にアメリカナイズしてくるのです。
どう思われたいねん、お前!機嫌いいかどうか知らんけどいきなりアメ公ぶってなんの意味があんねん!言葉の貿易摩擦やぞ、もうこれは!
「イエッサー!」
ナチスか!閣下と違うわ、俺!ちょびヒゲなんて生えてないやろ!
「オフコース!」
腹立つわ、こいつ!こんなん言われるぐらいやったら、まだ「もちのろんよ」のほうがええわ!これやとなんの躊躇もなく無視できるから!
僕が放送作家になりたてのころに、この手の英語を連発してくる上司がいました。ブーツでスタジオに来るような外人かぶれのチャラい人で、「イエッサー!」や「オフコース!」を連発してきます。忘年会のときなんて、僕が楽しんでいるかどうかを確認するために、僕の隣に来て「エンジョイ?」って言ったんですよ。
意味わからん!エンジョイ?ってなんやねん!もっと進研ゼミで勉強しとけよ!
「エンジョイ?」
「エ、エンジョイです」
「どのぐらいエンジョイ?」
どういうことやねん、それ!ていうか自分、何ペン先生の教え子!?何ペン先生の添削受けたか教えろ!
ほかにもこの人は、スタジオに来ると、その場のスタッフ全員に「ハッピー?」と訊いていきます。偉いさんなので、全員渋々「イエス!」と英語で返していたのですが、毎日のようにやられるため、全員がうっとうしく感じています。僕も含めてこの人に冷たくするようになり、本人もそのことに気づいたのでしょう。次第に英語を一切言わなくなりました。
ある日、出演者のタレントさんが誕生日を迎えました。スタジオの中央に特大のケーキを用意し、そのタレントさんを囲んでスタッフがハッピーバースデイを歌います。するとその上司は我慢できなくなったのでしょう。「今やったら言える!」とばかりにスタジオ中に響き渡る大声で「♪ハッピバースデイ!!!」って歌い出したんですよ!
何なんお前、マジで!溜まってたか知らんけどヨダレたらしながら歌い狂ってるやんけ!
「♪ハッピバースデイ、ディアハッピー!!!」
そこハッピーと違うわ!こいつあかん、久しぶりの英語に興奮して自分を見失ってやがる!タレントよりもこいつのほうが幸せそう!
むりやり英語を使ったところで、得るものなどありません。連発するとウザがられるので注意してください。
そして、最後。このフレーズだけは、本当の本当に意味がわかりません。
⑥「子づくりに専念します!」
みなさまも、このフレーズを聞いたことがあるはずです。いわゆる「子づくり宣言」という奴で、新婚夫婦が周囲に発表してきます。
ですが、「勝手にせいよ!」という話です。いちいち告知してくる意味がわからず、なにより、この発言は下ネタです。子づくりに「専念する」と言っているわけですから、「週6で旦那のおちんちん触ります!」と宣言しているのと同じなのです。
変態番長か、コラ!週6で握るてお前、俺でも週3やぞって何言わすねんお前!イブ直前にヤモメの裏事情言わせんなよ!
「仕事なんかほっといて子づくりに専念します!」
昼間っからペロンチョやんの!?お天道様に見られてると思ったら興奮するタイプなんや!?
『(年賀状で)今年は子づくりに専念します!』
新年早々下ネタやんけ!なんや、「開けオメ」か!?年末に108回も突かれたのに年明けすぐにもうご開帳ってかコラ!
こんなことを宣言されたら、知り合いだとて、おめおめと連絡できません。なにしろ昼夜を問わず、子づくりに励んでいるわけです。「電話しても、今も子づくりをしているのではないか……」と妙な気遣いをしてしまうんですね。
4年前の年明けのことです。
その日、僕は仕事の先輩の家にお呼ばれしました。女性の方で、年賀状には「今年は子づくりに専念します!」と記されていました。結果、「この家の中で子づくりに専念しているのか……」と思わずにはいられず、「少しでも隙を見せたら旦那の股間を触りにかかるんじゃないか」と考えて気が気じゃありません。
「バスコ君、何を飲む?」
この発言ひとつ取ってもドキドキです。あらゆることを子づくりに結びつけてしまい、「カルピスあるけど?」なんて訊かれた日には、僕のほうがカルピスまみれになるでしょう。
旦那さんも含めて、鉄板焼きをすることになりました。たくさんの具材を買い込んできており、ホットプレートを用意するやいなや、その先輩の女性が極太のエリンギを手で2本握り締めたのです。
勘弁してくれよ、おい!俺の股間もエリンギになるやんけ!
「大きいね、これ」
エロすぎる!ここまでエロかったらもう、キッチンのチンまでが別のチンに思えてきた!
「バスコ君、タレは足りてる?」
「足りてます……」
「バスコ君、ホットプレートの火を強めて」
「わかりました。……どうですか?」
「もっと!もっと強く!」
「これぐらいですか?」
「もっと!!!」
「これぐらいですか?」
「ちょっと弱めにして!」
「バスコ君、俺が代わるわ」
ごめん、トイレ行ってくるわ!もう限界、エリンギ小さくしてくるわ!このままいったらこのままイってまうから!
とにかく、「子づくりに専念します!」は下ネタです。僕のように解釈する人もいるので、くれぐれも宣言しないようにしてください。
以上が、今回の考察です。
それ言ってどうするのかフレーズは、積もり積もると嫌われます。もちろん、そんなことを気にしていたら会話などできないのですが、言わないにこしたことがないことは避けるべきでしょう。
最後に余談ですが、最近、このブログのアクセス数が減少しています。お手数ですが、「だまされたと思ってバスコの人生考察読んでみ!」と周囲に広めてください……。
祭りの露店はどれだけ雑か?の考察(パソコン読者用)
先月末、僕の地元で夏祭りが行われました。
毎年恒例のお祭りで、近所の公園に30を超す露店が並びます。金魚すくい、たこ焼き、綿菓子……。香ばしい匂いが公園一帯を包み込み、園内に子供の嬌声が飛び交いました。
僕は毎年、このお祭りに行きます。子供のころから大好きなのですが、大人になった今では、別の目的で訪れます。祭りを楽しむためではなく、「あること」を観察するために足を運ぶのです。
それは、「雑さ」です。
僕の地元にかぎったことではなく、縁日に立ち並ぶ露店は、総じて雑です。特に関西では、関西人独特の気質も相まって、「例外なく雑」といっても過言ではありません。怪しい露店の数々が、客を無視して乱雑な商売を繰
り広げているのです。
そこで今回は、「祭りの露店はどれだけ雑か?」の考察です。
僕はお祭りが大好きです。アルバイトとして露店で働いたこともあるぐらいで、客としても、過去に数え切れないほどのお祭りに足を運びました。
今回は、祭りフリークの僕が過去に遭遇した、露店の雑さについてご紹介したいと思います。
①商品の値段設定がムチャクチャである
露店の商品の値段は、べらぼうに高いです。焼きそば1つとっても、当たり前のように500円以上します。僕の地元の祭りの焼きそばなんて、普通の焼きそばが500円、とんこつ焼きそばが600円で、ホルモン焼きそばに至っては750円もするのです。
高っ、ホルモン焼きそば!なんでそんなに高いねん!
「味噌ホルモン焼きそばお待ちの方、900円になります!」
高っ、味噌ホルモン焼きそば!なんで味噌載せただけで150円もアップすんねん!900円ってお前、独居老人2日分の食費やんけ!
なかでも目を引くのが、かき氷の値段です。
露店のかき氷は、ガラスの器に入れるのではありません。使い捨ての丸い紙のトレーを使用しており、氷の量も少ないです。なのに200円や300円は当たり前、僕の地元のかき氷なんて400円もするのです。
なんでそんなに高いねん!400円もあったらガリガリ君6本半食えるやんけ!
「宇治金時大盛りの方?」
大盛りとかあんの!?そんなん大盛りにする奴とかおんの!?
「600円になります!」
高っ、宇治金時!で、あずき4つしかないやんけ!目視で数えれるぐらい量少ないやんけ!
とりわけ、焼きトウモロコシの値段は常軌を逸しています。1本500円ならまだましなほうで、僕の地元の祭りに「北の大地から直送!」と銘打った焼きトウモロコシが販売されているのですが、1本700円なのです。
高っ、これ!お前、700円もあったら何人の難民が新米食えると思ってんねん!
「お客さん、買ってってや!うちのトウモロコシは両面焼いてるよ!」
そりゃそうやろ!そんなことアピールしてどうすんねん!「おいみんな、ここ両面焼いてくれるぞ!」とか言うとでも思ったか!
「グリルだよ~!」
なんやねん、それ!グリルだよ~ってなんやねん!シュッとした横文字言ったら客が食いつくと思うな!
「おい、ヤス!そろそろモロコシがなくなりそうやから、そこの業務スーパーで買ってこい!」
どこが北の大地直送やねん!ていうか業務スーパーはここから北の方角にあんねんけど、そこから直送ってこと!?北海道じゃなくてこの場所から北ってことなんや!?
昨夏、大阪のとあるお祭りで、雨が降り始めたときのことです。
「ちょっとそこの100均に行って、売ってる傘、全部買ってこい!」
金魚すくいを商いするオッサンが、若い従業員を100均に行かせました。僕は傘を持っていません。店の前に傘を並べ始めたのを見て買うことにしたのですが、1本200円やったんですよ。
闇市か、ここ!客の足元見すぎやろ、こいつら!
「お客さん、いい傘あるよ!」
いい傘ってなんやねん!むしろ悪い傘やろ、それ!で、傘に「100円」ってシール付いたままやんけ!せめてそれ剥がしてから値上げせいや!
露店の商品は、値段が雑です。どんぶり勘定でやってるところがあり、ムダに高いです。ほかにも、りんご飴500円、綿菓子600円……。祭り独特の雰囲気につられて買ってしまう客心理を見越した、えげつない商売といえるでしょう。
②商品のクオリティが低すぎる
露店の商品は、総じてクオリティが低いです。「よくこんなもん売るよな!」と思わずにはいられない商品が多く、たとえば、かき氷。露店のかき氷のミツは、四角のプラスチックの箱に入れられていることが多いです。そのミツを小さなヒシャクですくって入れるのですが、かけて2杯までなのです。
もうちょっとかけろや、お前!このときばかりは汁男優になってくれよ!
「トルピカルハワイアン、お待ちの方?」
ただのパイナップル味やんけ!お前、名称のグレード上げたら客増えると思うな!それが露店商の浅はかなところやねん!
ミツが少なすぎて、後半の氷にはほとんど味がありません。しかもスプーンではなく、先の尖ったストローを氷に刺してくる店が多いです。このストローがまた意味なく長く、めちゃくちゃ食べにくいんですね。
ほかにも、焼きそば。
露店の焼きそばは、恐ろしいまでに具が少ないです。日清のUFOとどっこいどっこいで、具の少なさを誤魔化すかのように、最後に真っ赤な紅しょうがを大量に載せてきます。「真っ赤にしたら多少は見栄えするやろ!」とばかりに、叩きつけるかのように膨大な紅しょうがを投げつけてくるのです。
多すぎんねん、紅しょうが!こんな脇役にメイン張らすなよ!お前だって渡辺いっけい主役の月9なんて見たくないやろ!
「紅しょうが足らんかったら言ってや!」
足りまくりじゃ、こんなもん!アリの一生分ぐらいあるわ、この量!で、汁を切れや、少しは!真っ赤っ赤やんけ、この焼きそば!
具が少ないのは焼きそばだけではありません。たこ焼きに至っては、極薄のタコがぶち込まれています。「タコ1匹で1000人前つくりますよ!」というぐらい、入っているタコは3ミリぐらいの厚みしかないのです。
ふざけんなよ、お前!お前これ、釣りのエサやんけ完全に!年金暮らしのジジイがチヌを仕留めるときの薄さやんけ!
それでも、食べ物関係は、まだましです。問題は小動物系で、たとえば、金魚すくい。
金魚すくいの金魚は、元気な金魚とはかぎりません。ヨレヨレの金魚を平気な顔で水槽に入れている露店もあり、なかには死んでいる金魚をそのままにしているところもあるのです。
処理せいや、屍!ベトナム戦争やないねんぞ!
「お嬢ちゃん、それ、すくいやすいで!」
死体やんけ、これ!お前、なんで死体持って帰らないとあかんねん!遺族か!
死体だけではなく、水槽の中にはデブのデメキンが数匹放たれています。紙を破ろうとしているのが見え見えで、金魚すくいに輪をかけてひどいのが亀すくいです。
亀すくいは、金魚すくい同様に紙ですくいます。ですが、池で見つけてきたであろう野性の銭亀がたくさん紛れ込んでいます。野性のため気が荒く、紙の上に載せるいなや、自らの爪で積極的に紙を破ってきやがるのです。
こんないかつい亀入れんなよ、お前!どん亀に絞った商いせいや!
「5匹すくったら1匹あげるからね!」
1匹もすくえんわ、こんな極道亀!亀田の親父を大人しくさせるよりも難易度高いわ!
露店の商品の多くは雑です。ひよこ釣りに至っては、家に持ち帰るまでに死んでしまうことなどザラです。値段相応の商品など皆無なので、くれぐれもだまされないようにしましょう。
③詐欺まがいの店がある
「露店クジ」と呼ばれる商売があります。紙を引いてその紙に書かれた数字の商品をくれるもので、超豪華な景品を取り揃えているのですが、これがびっくりするぐらい当たりません。「詐欺やわ!」と声に出しそうになるぐらい、当たっている人を見たことがないのです。
僕の地元のお祭りにも、毎年、たくさんの露店クジが立ち並びます。今年もとあるお店に、アイパッド2や任天堂のDSといった豪華な景品が並びました。僕はアイパッド2がほしいです。1回500円するにもかかわらず2回挑戦したのですが、2回ともニンジンの箸置き当たったんですよ。
ふざけんなよ、お前!お前これ100均で3つ売りしてる奴やんけ!
「はい、君は箸置きね!」
「君も箸置きね!」
「残念、君も箸置きやわ!」
全員箸置きやんけ!で、箸置きも箸置きで種類少なすぎんねん!ニンジンとトマトしかないやんけ!
「君も箸置きね!」
まだ引いてないねんけど、そいつ!?お前もう箸置き渡す前提でおるやろ!流れ作業でやってるやろ!
「君は5枚入りのゴミ袋ね!」
そんなハズレあんの!?お前、子供相手にひどすぎるやろ、いくらなんでも!文字通りゴミやぞ、こんな景品!
「君は10枚入りのほうのゴミ袋やわ!」
どっちでもええわ、5枚でも10枚でも!で、10枚入りのほうを渡すときなんでちょっと得意げやねんお前は!「いっぱい入ってるから当たりやで!」みたいな顔すんなよ!
詐欺まがいなのは露店クジだけではありません。輪投げにもふざけた細工を施しており、僕の地元の輪投げなんて、投げる場所から1番手前の景品まで3メートル近くもあるのです。
ドラえもんいるわ、この輪投げ!ドラえもんの力借りないと絶対に入らん、こんないかつい距離!
「輪っかが首にかかっただけやとあかんで!下まですっぽり入らないとあげへんで!」
未来が見えん、この輪投げ!どの角度から考察しても特大の招き猫に輪がすっぽり入る絵が浮かばん!
それでも、露店クジや輪投げは、まだましです。問題は射的で、距離が遠いのはもちろん、景品には硬いものが多いです。弾を当てて倒すのは至難の業なのです。
先月末に、地元の祭りに行ったときのことです。
射的の露店の前に、近所の小学生がたくさんいました。僕とは顔見知りで、僕に景品をねだってきます。そのうちの1人がガンダムのフィギュア(プラモデルを完成させたもの)をほしがっているので、当ててやることにしました。
射的は3発500円です。長い木の板の上に、横一列にたくさんの景品が並んでいます。僕は最初の3発はハズしました。もう500円追加し、その2発目にガンダムのフィギュアに弾が当たったのですが、落下した衝撃で首はずれたんですよ。
ふざけんなよ、この店!諸星和己の下敷き置いてる時点ですでにふざけてるっていうのによ!
「お客さん、おめでとう!」
直してから渡せ、コラ!で、なんで例の箸置き置いてんの、この射的!?なんで500円も払ってあんなしょぼいもん狙わないとあかんの!?
博打的なお店は、モラルが問われます。子供相手の商売とは思えないところが多く、クレームをつけられても文句は言えないでしょう。
④従業員のオッサンが不潔すぎる
露店の従業員は、例外なく小汚いです。おでこにタオルを巻いた荒々しい奴ばかりで、なかでもオッサン従業員の不潔さだけは尋常ではありません。「顔にミロ塗ってます!」というぐらい脂ぎった汗だくのオッサンばかりで、たこ焼きを焼きながら、鉄板の穴1つ1つに普通に汗を入れていくのです。
食えるか、こんなもん!で、保健所も許可出すなよ、こんな小汚い奴!見た目も込みで判断しろよ!
しかもお金を触ったあとに、平気な顔で具材を触ります。今年も地元の祭りで焼きそばを買った際、手渡されたおつりの100円玉が、紅しょうがの真っ赤な汁でベトベトだったのです。
ダイイングメッセージか、これ!俺のこの握り締めた手、血まみれのダイイングメッセージみたいやんけ!
「次のお客さんごめん、ちょっとだけウンコ行かして!」
言わんでええねん、そんなこと!ウンコとか言うなよ、料理つくりながら!
「ウンコに行ってくるからちょっとだけ焼きそば頼むわ、二郎ちゃん!」
名前いかついな、二郎って!典型的な露店やってる奴の名前やんけって、二郎ちゃん顔黒っ!黒さを通り越してもう軽く焦げとるやんけ!シャレならんわ、こいつの顔面!
そしてその不潔さを象徴するかのように、ガラが悪いです。客に敬語を使わない奴などザラで、くわえタバコで調理している奴もいます。僕の地元の祭りに至っては、ビール飲みながら焼きそばを炒めている奴が普通にいる
のです。
ふざけんなよ、お前!どこの世界に酒飲みながら接客する奴がおんねん!
「すいません、ビールください!」
「ごめん、今、ビール切らしてんねん!」
お前が飲んだからや!従業員のお前が飲むからなくなったんや!
「二郎ちゃんごめん、そこの業務スーパーで発泡酒買ってきてくれ!」
言ってええの発泡酒って!?ビールや言うてんのに紙コップの中身が実は発泡酒やってバラしていいのって、スケボーで行った、二郎ちゃん!スケボーに乗って業務スーパー行きやがった!
「発泡酒を買ってきます~!」
開き直りがすごい、この店!ここまでやられたらむしろ感動するわ!
今から4年前の夏のことです。
大阪のとあるお祭りに、友達と一緒に行きました。僕だけ広島焼きを買うことになり、列に並びました。僕の買う番になったので財布を出したところ、中には1万札しかありません。従業員はオールバックのこわもてのオッサンで、忙しいことから機嫌も悪そうです。僕は恐る恐る1万札を手渡したところ、びっくりするぐらいストレートに舌打ちされたんですよ。
僕をおもいっきりニラみながら普通に舌打ちしてきたんですよ!僕がお客さんという意識など皆無、なんの躊躇もなく普通にブチギレてるんですよ!
お前、何様やねん、コラ!なんぼ迷惑か知らんけど客やぞ、俺!
「チッ!チッチッチッチッ!」
連発してきた!で、なんでこの店、BGMにドリカムのLOVELOVELOVE流してんの!?涙が出ちゃうんは俺のほうやねんけど!?
僕は納得が行かないながらも、オールバックが怖いため渋々引き下がりました。店の近くのベンチに座って食べ始めたところ、小学生ぐらいの子供がレーザーポインターで遊んでいます。いろいろな場所にレーザーを当てており、ほどなくして、鬼の形相で広島焼きを焼くオールバックの目元に当て始めたのです。
やばい……。マジでシャレにならん……。
案の定、オールバックの顔色が変わりました。調理する手を止めてその子供の前につかつかと歩み寄り、めちゃくちゃ低い声で「お前、お母さん呼んでこい。一緒に殺したるわ」って言ったんですよ。
怖すぎるわ、お前!手に持つコテが武器に見えるわ!
『♪LOVELOVE愛を叫ぼう!』
ドリカム流れてた!こんな状況で珠玉のバラードが流れてた!
『♪愛を呼ぼう!』
警察呼んでくれ!ラブよりも今は国家権力が必要やから!
露店の従業員のガラの悪さは、尋常ではないです。カタギとは思えないような人ばかりなので、くれぐれもご注意ください。
そして、最後。祭りの露店の雑さは、以下の特徴に象徴的に現れています。
⑤ガラガラの露店がある
人でごった返す祭り会場といえども、すべての露店が儲かっているわけではありません。勝ち組と負け組の差が激しく、同じ焼きそばを販売する店でも、露骨なまでに売り上げが違うことがあるのです。
なかには、得体の知れない肉を串に刺して販売している露店もあります。店が放つ負のオーラがすごすぎて、にぎわうほかの露店を尻目にずっとガラガラ。昨秋に足を運んだ大阪のとある縁日に至っては、「オシャレなホー
ムレス」ぐらいの小汚いオッサンが謎の肉を販売しており、気になった僕はオッサンに話しかけました。
「おじさん、これ、なんの肉なんですか?」
「肉や」
「いやだから、なんの肉なんですか?」
「だから肉や」
「牛ですか?」
「違う」
「豚ですか?」
「違う」
「スズメですか?」
「……違う」
スズメやろ!その妙な間からして絶対スズメやろ!
「スズメなんですか、これ!?」
「違うわ!」
「じゃあ牛ですか?」
「違う」
「豚ですか?」
「違う」
「スズメですか?」
「……違う」
スズメやろ、完全に!その動揺の仕方からして完全にスズメやんけ!
僕の地元の祭りも、毎年、ガラガラの露店があります。今年も、繁盛するお好み焼き屋とたこ焼き屋に挟まれて、誰1人として寄りつかないお店がありました。気になったので近づいて見たところ、パキスタン人があめ細工つくってたんですよ。
お前、何がどうなってこうなってん!来日してあめ細工に手を出そうと思ったきっかけを教えろ!
「ミンナ、ミテイキナハレ!」
どこで覚えてん、そんな関西弁!何前留学したら外人がそんな流暢に関西弁しゃべれるようになんねん!
それでも気になったので、僕は足を止めました。何気に隣に視線を投げたところ、「あなたの似顔絵を書きます!」と書かれた張り紙の後ろで、もう1人の別のパキスタン人がモダン焼き食べながら少年ジャンプ読んでたんですよ。
なんの集団やねん、こいつら!で、お前はジャンプのどの漫画読んでんの!?どぎつい中東人のハートを満たしてくれる冒険漫画はどの漫画なん!?
「モグモグ。オニイサン、カコウカ?」
描こうかってなんやねん!で、2人ともタンクトップから見えてる胸毛が獰猛すぎんねん!リス飼えそうやんけ!
似顔絵師のパキスタン人の前には、自分が過去に書いた有名人の似顔絵が貼り付けてあります。トム・クルーズ、貴乃花、小泉純一郎……。意外にも絵の完成度は高くて感心したのですが、貴乃花の似顔絵の横に、カレーのイラストが書かれた林真須美の似顔絵があったんですよ。
何考えてんねん、お前!そんな希代の犯罪者の似顔絵なんて書くなよ!
「オニイサン、カコウカ?」
だからなんやねん描こうかって!なんでちょっと上からやねん、客誰もおらんくせに!
あまりに押してくるため、僕は断りきれません。僕が地元の人間であることを伝えたところ、1500円を1000円にまける、といいます。僕は折り畳みのイスに座って似顔絵を描いてもらうことにしたのですが、そのパキスタン人が急にシャックリを出し始めたのです。
「ヒック!ヒック!」
シャックリのせいで、シャックリが出るごとに筆がずれます。「ヒック、オットット!ヒック、オットット!」などとちゃんと描けていないのが見え見えで、不安そうにしている僕に、U字工事と同じ言い方で「オニイサン、ゴメンネゴメンネー!」って言ったんですよ。
何者やねん、お前!どこで覚えてん、そんな栃木ギャグ!
「ゴメンネゴメンネー、ヒック!ゴメンネゴメンネー、ヒック!」
帰国しろ、お前!ビザ没収じゃ、お前みたいな得体の知れん外人!国に戻ってラマダンでもしとけ!
お祭りには、雑を極めた謎の露店がたくさんあります。どれも例外なくガラガラで、怪しすぎて買う気がしないでしょう。
以上が、今回の考察です。
ちなみに先ほどご紹介した、似顔絵師のパキスタン人。すでに日本に帰化しているらしく、名字は「小野」でした。
祭りの露店はどれだけ雑か?の考察(携帯読者用)
先月末、僕の地元で夏祭りが行われました。
毎年恒例のお祭りで、近所の公園に30を超す露店が並びます。金魚すくい、たこ焼き、綿菓子……。香ばしい匂いが公園一帯を包み込み、園内に子供の嬌声が飛び交いました。
僕は毎年、このお祭りに行きます。子供のころから大好きなのですが、大人になった今では、別の目的で訪れます。祭りを楽しむためではなく、「あること」を観察するために足を運ぶのです。
それは、「雑さ」です。
僕の地元にかぎったことではなく、縁日に立ち並ぶ露店は、総じて雑です。特に関西では、関西人独特の気質も相まって、「例外なく雑」といっても過言ではありません。怪しい露店の数々が、客を無視して乱雑な商売を繰り広げているのです。
そこで今回は、「祭りの露店はどれだけ雑か?」の考察です。
僕はお祭りが大好きです。アルバイトとして露店で働いたこともあるぐらいで、客としても、過去に数え切れないほどのお祭りに足を運びました。
今回は、祭りフリークの僕が過去に遭遇した、露店の雑さについてご紹介したいと思います。
①商品の値段設定がムチャクチャである
露店の商品の値段は、べらぼうに高いです。焼きそば1つとっても、当たり前のように500円以上します。僕の地元の祭りの焼きそばなんて、普通の焼きそばが500円、とんこつ焼きそばが600円で、ホルモン焼きそばに至っては750円もするのです。
高っ、ホルモン焼きそば!なんでそんなに高いねん!
「味噌ホルモン焼きそばお待ちの方、900円になります!」
高っ、味噌ホルモン焼きそば!なんで味噌載せただけで150円もアップすんねん!900円ってお前、独居老人2日分の食費やんけ!
なかでも目を引くのが、かき氷の値段です。
露店のかき氷は、ガラスの器に入れるのではありません。使い捨ての丸い紙のトレーを使用しており、氷の量も少ないです。なのに200円や300円は当たり前、僕の地元のかき氷なんて400円もするのです。
なんでそんなに高いねん!400円もあったらガリガリ君6本半食えるやんけ!
「宇治金時大盛りの方?」
大盛りとかあんの!?そんなん大盛りにする奴とかおんの!?
「600円になります!」
高っ、宇治金時!で、あずき4つしかないやんけ!目視で数えれるぐらい量少ないやんけ!
とりわけ、焼きトウモロコシの値段は常軌を逸しています。1本500円ならまだましなほうで、僕の地元の祭りに「北の大地から直送!」と銘打った焼きトウモロコシが販売されているのですが、1本700円なのです。
高っ、これ!お前、700円もあったら何人の難民が新米食えると思ってんねん!
「お客さん、買ってってや!うちのトウモロコシは両面焼いてるよ!」
そりゃそうやろ!そんなことアピールしてどうすんねん!「おいみんな、ここ両面焼いてくれるぞ!」とか言うとでも思ったか!
「グリルだよ~!」
なんやねん、それ!グリルだよ~ってなんやねん!シュッとした横文字言ったら客が食いつくと思うな!
「おい、ヤス!そろそろモロコシがなくなりそうやから、そこの業務スーパーで買ってこい!」
どこが北の大地直送やねん!ていうか業務スーパーはここから北の方角にあんねんけど、そこから直送ってこと!?北海道じゃなくてこの場所から北ってことなんや!?
昨夏、大阪のとあるお祭りで、雨が降り始めたときのことです。
「ちょっとそこの100均に行って、売ってる傘、全部買ってこい!」
金魚すくいを商いするオッサンが、若い従業員を100均に行かせました。僕は傘を持っていません。店の前に傘を並べ始めたのを見て買うことにしたのですが、1本200円やったんですよ。
闇市か、ここ!客の足元見すぎやろ、こいつら!
「お客さん、いい傘あるよ!」
いい傘ってなんやねん!むしろ悪い傘やろ、それ!で、傘に「100円」ってシール付いたままやんけ!せめてそれ剥がしてから値上げせいや!
露店の商品は、値段が雑です。どんぶり勘定でやってるところがあり、ムダに高いです。ほかにも、りんご飴500円、綿菓子600円……。祭り独特の雰囲気につられて買ってしまう客心理を見越した、えげつない商売といえるでしょう。
②商品のクオリティが低すぎる
露店の商品は、総じてクオリティが低いです。「よくこんなもん売るよな!」と思わずにはいられない商品が多く、たとえば、かき氷。露店のかき氷のミツは、四角のプラスチックの箱に入れられていることが多いです。そのミツを小さなヒシャクですくって入れるのですが、かけて2杯までなのです。
もうちょっとかけろや、お前!このときばかりは汁男優になってくれよ!
「トルピカルハワイアン、お待ちの方?」
ただのパイナップル味やんけ!お前、名称のグレード上げたら客増えると思うな!それが露店商の浅はかなところやねん!
ミツが少なすぎて、後半の氷にはほとんど味がありません。しかもスプーンではなく、先の尖ったストローを氷に刺してくる店が多いです。このストローがまた意味なく長く、めちゃくちゃ食べにくいんですね。
ほかにも、焼きそば。
露店の焼きそばは、恐ろしいまでに具が少ないです。日清のUFOとどっこいどっこいで、具の少なさを誤魔化すかのように、最後に真っ赤な紅しょうがを大量に載せてきます。「真っ赤にしたら多少は見栄えするやろ!」とばかりに、叩きつけるかのように膨大な紅しょうがを投げつけてくるのです。
多すぎんねん、紅しょうが!こんな脇役にメイン張らすなよ!お前だって渡辺いっけい主役の月9なんて見たくないやろ!
「紅しょうが足らんかったら言ってや!」
足りまくりじゃ、こんなもん!アリの一生分ぐらいあるわ、この量!で、汁を切れや、少しは!真っ赤っ赤やんけ、この焼きそば!
具が少ないのは焼きそばだけではありません。たこ焼きに至っては、極薄のタコがぶち込まれています。「タコ1匹で1000人前つくりますよ!」というぐらい、入っているタコは3ミリぐらいの厚みしかないのです。
ふざけんなよ、お前!お前これ、釣りのエサやんけ完全に!年金暮らしのジジイがチヌを仕留めるときの薄さやんけ!
「天かす、サービスで多めに入れといたで!」
ルンペンか、俺!ルンペンしか喜ばんわ、天かす大盛りにされても!ていうかもっと懐痛めるようなもんおまけせいよ!古本屋のジジイでも機嫌よかったらしおりつけてくれるぞ!
それでも、食べ物関係は、まだましです。問題は小動物系で、たとえば、金魚すくい。
金魚すくいの金魚は、元気な金魚とはかぎりません。ヨレヨレの金魚を平気な顔で水槽に入れている露店もあり、なかには死んでいる金魚をそのままにしているところもあるのです。
処理せいや、屍!ベトナム戦争やないねんぞ!
「お嬢ちゃん、それ、すくいやすいで!」
死体やんけ、これ!お前、なんで死体持って帰らないとあかんねん!遺族か!
死体だけではなく、水槽の中にはデブのデメキンが数匹放たれています。紙を破ろうとしているのが見え見えで、金魚すくいに輪をかけてひどいのが亀すくいです。
亀すくいは、金魚すくい同様に紙ですくいます。ですが、池で見つけてきたであろう野性の銭亀がたくさん紛れ込んでいます。野性のため気が荒く、紙の上に載せるいなや、自らの爪で積極的に紙を破ってきやがるのです。
こんないかつい亀入れんなよ、お前!どん亀に絞った商いせいや!
「5匹すくったら1匹あげるからね!」
1匹もすくえんわ、こんな極道亀!亀田の親父を大人しくさせるよりも難易度高いわ!
露店の商品の多くは雑です。ひよこ釣りに至っては、家に持ち帰るまでに死んでしまうことなどザラです。値段相応の商品など皆無なので、くれぐれもだまされないようにしましょう。
③詐欺まがいの店がある
「露店クジ」と呼ばれる商売があります。紙を引いてその紙に書かれた数字の商品をくれるもので、超豪華な景品を取り揃えているのですが、これがびっくりするぐらい当たりません。「詐欺やわ!」と声に出しそうになるぐらい、当たっている人を見たことがないのです。
僕の地元のお祭りにも、毎年、たくさんの露店クジが立ち並びます。今年もとあるお店に、アイパッド2や任天堂のDSといった豪華な景品が並びました。僕はアイパッド2がほしいです。1回500円するにもかかわらず2回挑戦したのですが、2回ともニンジンの箸置き当たったんですよ。
ふざけんなよ、お前!お前これ100均で3つ売りしてる奴やんけ!
「はい、君は箸置きね!」
「君も箸置きね!」
「残念、君も箸置きやわ!」
全員箸置きやんけ!で、箸置きも箸置きで種類少なすぎんねん!ニンジンとトマトしかないやんけ!
「君も箸置きね!」
まだ引いてないねんけど、そいつ!?お前もう箸置き渡す前提でおるやろ!流れ作業でやってるやろ!
「君は5枚入りのゴミ袋ね!」
そんなハズレあんの!?お前、子供相手にひどすぎるやろ、いくらなんでも!文字通りゴミやぞ、こんな景品!
「君は10枚入りのほうのゴミ袋やわ!」
どっちでもええわ、5枚でも10枚でも!で、10枚入りのほうを渡すときなんでちょっと得意げやねんお前は!「いっぱい入ってるから当たりやで!」みたいな顔すんなよ!
詐欺まがいなのは露店クジだけではありません。輪投げにもふざけた細工を施しており、僕の地元の輪投げなんて、投げる場所から1番手前の景品まで3メートル近くもあるのです。
ドラえもんいるわ、この輪投げ!ドラえもんの力借りないと絶対に入らん、こんないかつい距離!
「輪っかが首にかかっただけやとあかんで!下まですっぽり入らないとあげへんで!」
未来が見えん、この輪投げ!どの角度から考察しても特大の招き猫に輪がすっぽり入る絵が浮かばん!
それでも、露店クジや輪投げは、まだましです。問題は射的で、距離が遠いのはもちろん、景品には硬いものが多いです。弾を当てて倒すのは至難の業なのです。
先月末に、地元の祭りに行ったときのことです。
射的の露店の前に、近所の小学生がたくさんいました。僕とは顔見知りで、僕に景品をねだってきます。そのうちの1人がガンダムのフィギュア(プラモデルを完成させたもの)をほしがっているので、当ててやることにしました。
射的は3発500円です。長い木の板の上に、横一列にたくさんの景品が並んでいます。僕は最初の3発はハズしました。もう500円追加し、その2発目にガンダムのフィギュアに弾が当たったのですが、落下した衝撃で首はずれたんですよ。
ふざけんなよ、この店!諸星和己の下敷き置いてる時点ですでにふざけてるっていうのによ!
「お客さん、おめでとう!」
直してから渡せ、コラ!で、なんで例の箸置き置いてんの、この射的!?なんで500円も払ってあんなしょぼいもん狙わないとあかんの!?
博打的なお店は、モラルが問われます。子供相手の商売とは思えないところが多く、クレームをつけられても文句は言えないでしょう。
④従業員のオッサンが不潔すぎる
露店の従業員は、例外なく小汚いです。おでこにタオルを巻いた荒々しい奴ばかりで、なかでもオッサン従業員の不潔さだけは尋常ではありません。「顔にミロ塗ってます!」というぐらい脂ぎった汗だくのオッサンばかりで、たこ焼きを焼きながら、鉄板の穴1つ1つに普通に汗を入れていくのです。
食えるか、こんなもん!で、保健所も許可出すなよ、こんな小汚い奴!見た目も込みで判断しろよ!
しかもお金を触ったあとに、平気な顔で具材を触ります。今年も地元の祭りで焼きそばを買った際、手渡されたおつりの100円玉が、紅しょうがの真っ赤な汁でベトベトだったのです。
ダイイングメッセージか、これ!俺のこの握り締めた手、血まみれのダイイングメッセージみたいやんけ!
「次のお客さんごめん、ちょっとだけウンコ行かして!」
言わんでええねん、そんなこと!ウンコとか言うなよ、料理つくりながら!
「ウンコに行ってくるからちょっとだけ焼きそば頼むわ、二郎ちゃん!」
名前いかついな、二郎って!典型的な露店やってる奴の名前やんけって、二郎ちゃん顔黒っ!黒さを通り越してもう軽く焦げとるやんけ!シャレならんわ、こいつの顔面!
そしてその不潔さを象徴するかのように、ガラが悪いです。客に敬語を使わない奴などザラで、くわえタバコで調理している奴もいます。僕の地元の祭りに至っては、ビール飲みながら焼きそばを炒めている奴が普通にいるのです。
ふざけんなよ、お前!どこの世界に酒飲みながら接客する奴がおんねん!
「すいません、ビールください!」
「ごめん、今、ビール切らしてんねん!」
お前が飲んだからや!従業員のお前が飲むからなくなったんや!
「二郎ちゃんごめん、そこの業務スーパーで発泡酒買ってきてくれ!」
言ってええの発泡酒って!?ビールや言うてんのに紙コップの中身が実は発泡酒やってバラしていいのって、スケボーで行った、二郎ちゃん!スケボーに乗って業務スーパー行きやがった!
「発泡酒を買ってきます~!」
開き直りがすごい、この店!ここまでやられたらむしろ感動するわ!
今から4年前の夏のことです。
大阪のとあるお祭りに、友達と一緒に行きました。僕だけ広島焼きを買うことになり、列に並びました。僕の買う番になったので財布を出したところ、中には1万札しかありません。従業員はオールバックのこわもてのオッサンで、忙しいことから機嫌も悪そうです。僕は恐る恐る1万札を手渡したところ、びっくりするぐらいストレートに舌打ちされたんですよ。
僕をおもいっきりニラみながら普通に舌打ちしてきたんですよ!僕がお客さんという意識など皆無、なんの躊躇もなく普通にブチギレてるんですよ!
お前、何様やねん、コラ!なんぼ迷惑か知らんけど客やぞ、俺!
「チッ!チッチッチッチッ!」
連発してきた!で、なんでこの店、BGMにドリカムのLOVELOVELOVE流してんの!?涙が出ちゃうんは俺のほうやねんけど!?
僕は納得が行かないながらも、オールバックが怖いため渋々引き下がりました。店の近くのベンチに座って食べ始めたところ、小学生ぐらいの子供がレーザーポインターで遊んでいます。いろいろな場所にレーザーを当てており、ほどなくして、鬼の形相で広島焼きを焼くオールバックの目元に当て始めたのです。
やばい……。マジでシャレにならん……。
案の定、オールバックの顔色が変わりました。調理する手を止めてその子供の前につかつかと歩み寄り、めちゃくちゃ低い声で「お前、お母さん呼んでこい。一緒に殺したるわ」って言ったんですよ。
怖すぎるわ、お前!手に持つコテが武器に見えるわ!
『♪LOVELOVE愛を叫ぼう!』
ドリカム流れてた!こんな状況で珠玉のバラードが流れてた!
『♪愛を呼ぼう!』
警察呼んでくれ!ラブよりも今は国家権力が必要やから!
露店の従業員のガラの悪さは、尋常ではないです。カタギとは思えないような人ばかりなので、くれぐれもご注意ください。
そして、最後。祭りの露店の雑さは、以下の特徴に象徴的に現れています。
⑤ガラガラの露店がある
人でごった返す祭り会場といえども、すべての露店が儲かっているわけではありません。勝ち組と負け組の差が激しく、同じ焼きそばを販売する店でも、露骨なまでに売り上げが違うことがあるのです。
なかには、得体の知れない肉を串に刺して販売している露店もあります。店が放つ負のオーラがすごすぎて、にぎわうほかの露店を尻目にずっとガラガラ。昨秋に足を運んだ大阪のとある縁日に至っては、「オシャレなホームレス」ぐらいの小汚いオッサンが謎の肉を販売しており、気になった僕はオッサンに話しかけました。
「おじさん、これ、なんの肉なんですか?」
「肉や」
「いやだから、なんの肉なんですか?」
「だから肉や」
「牛ですか?」
「違う」
「豚ですか?」
「違う」
「スズメですか?」
「……違う」
スズメやろ!その妙な間からして絶対スズメやろ!
「スズメなんですか、これ!?」
「違うわ!」
「じゃあ牛ですか?」
「違う」
「豚ですか?」
「違う」
「スズメですか?」
「……違う」
スズメやろ、完全に!その動揺の仕方からして完全にスズメやんけ!
僕の地元の祭りも、毎年、ガラガラの露店があります。今年も、繁盛するお好み焼き屋とたこ焼き屋に挟まれて、誰1人として寄りつかないお店がありました。気になったので近づいて見たところ、パキスタン人があめ細工つくってたんですよ。
お前、何がどうなってこうなってん!来日してあめ細工に手を出そうと思ったきっかけを教えろ!
「ミンナ、ミテイキナハレ!」
どこで覚えてん、そんな関西弁!何前留学したら外人がそんな流暢に関西弁しゃべれるようになんねん!
それでも気になったので、僕は足を止めました。何気に隣に視線を投げたところ、「あなたの似顔絵を書きます!」と書かれた張り紙の後ろで、もう1人の別のパキスタン人がモダン焼き食べながら少年ジャンプ読んでたんですよ。
なんの集団やねん、こいつら!で、お前はジャンプのどの漫画読んでんの!?どぎつい中東人のハートを満たしてくれる冒険漫画はどの漫画なん!?
「モグモグ。オニイサン、カコウカ?」
描こうかってなんやねん!で、2人ともタンクトップから見えてる胸毛が獰猛すぎんねん!リス飼えそうやんけ!
似顔絵師のパキスタン人の前には、自分が過去に書いた有名人の似顔絵が貼り付けてあります。トム・クルーズ、貴乃花、小泉純一郎……。意外にも絵の完成度は高くて感心したのですが、貴乃花の似顔絵の横に、カレーのイラストが書かれた林真須美の似顔絵があったんですよ。
何考えてんねん、お前!そんな希代の犯罪者の似顔絵なんて書くなよ!
「オニイサン、カコウカ?」
だからなんやねん描こうかって!なんでちょっと上からやねん、客誰もおらんくせに!
あまりに押してくるため、僕は断りきれません。僕が地元の人間であることを伝えたところ、1500円を1000円にまける、といいます。僕は折り畳みのイスに座って似顔絵を描いてもらうことにしたのですが、そのパキスタン人が急にシャックリを出し始めたのです。
「ヒック!ヒック!」
シャックリのせいで、シャックリが出るごとに筆がずれます。「ヒック、オットット!ヒック、オットット!」などとちゃんと描けていないのが見え見えで、不安そうにしている僕に、U字工事と同じ言い方で「オニイサン、ゴメンネゴメンネー!」って言ったんですよ。
何者やねん、お前!どこで覚えてん、そんな栃木ギャグ!
「ゴメンネゴメンネー、ヒック!ゴメンネゴメンネー、ヒック!」
帰国しろ、お前!ビザ没収じゃ、お前みたいな得体の知れん外人!国に戻ってラマダンでもしとけ!
お祭りには、雑を極めた謎の露店がたくさんあります。どれも例外なくガラガラで、怪しすぎて買う気がしないでしょう。
以上が、今回の考察です。
ちなみに先ほどご紹介した、似顔絵師のパキスタン人。すでに日本に帰化しているらしく、名字は「小野」でした。
