大量に採ってきた四倉港のマテ貝。
海水をペットボトルに入れて持ち帰ってきたので、
その水で砂出しします。
あまり砂を噛まない貝とのことでしたが、
確かに半日置いても
そんなに砂は出てませんでした。
まず、どんな味なのか。
ネットで調べると、クセがあるという人と、
クセが無いという人がバラバラ。
気になったのはこの気まぐれクックさんの動画。
気まぐれクックのかねこさんは、
独特の風味があって、苦手だと言ってます。
これは自分で食べて判断してみるしかあるまい。
はじめに風味が一番良く分かる
酒蒸しを作ってみました。
料理酒しかなかったのが残念。
殻が開くとこんな感じ。
圧巻はその可食部の多さ。
一本で大きなアサリ5個分、いや、
それ以上はあろうかというほどの大きな身。
この間、足元でポップが騒いでます。
お前、貝は食えないだろ?
ついに実食!
普通においしいです。
おいしいけど、なるほどなるほど、
かねこさんの言ってる意味がなんとなく分かりました。
味はめちゃくちゃ濃いです。
そして、味が濃い分、香りも濃い。
でもそれは、アサリやハマグリのような、
万人受けする後味の良さではなくて、
なんとなく重ったるいような、泥臭いような、
なんともいえない後味があります。
でもそんなに強いわけではない。
(独特の風味があると言ったら
コタマガイの方が私は苦手です)
特に今は夏なのと、
この四倉港のマテ貝の生息環境が
ちょっと泥っぽい場所であることから、
香りは悪い方にシフトしていると思います。
ニンニクやネギ類を使ってごまかした方が
おいしく頂けるかもしれません。
次に、市販のアサリのスープパスタに
マテ貝を突っ込んでみましたが、
これはぜんぜんダメでした。
ちなみに、真ん中にいるアサリは、
息子が採った今日唯一のアサリです。
野菜や香辛料などがいっぱい入った
パスタソースならいざ知らず、
このような貝本来の風味に依存する
ソースは合いません。
個人的にはですが。
そして、もう一つ気付いたのが、
ワタのところに若干シャリシャリ感がある
個体があります。
ジャリジャリという砂感ではなく
シジミの身を食べた時の
シャリシャリ感と言えば
分かってもらえるでしょうか。
よく注意しなければ分からないくらいの、
本当に微妙な砂感ですが。
そしてこのワタのところが、
風味を決定づけているような気がします。
もうちょっと砂抜きしたり、
この部分を取り除けば改善されるかも?
でも、かねこさんの言う通り
ダシというか、うまみ成分は
半端ない
ワタの部分を取ってしまうと、
このダシも減ってしまうのかもしれません。
あと、この殻の色も良くないですね。
黒いでしょ?
これは生息環境に泥が多いことを意味していて、
殻に泥臭さが閉じ込められてしまっています。
いわき市だと、昔、勿来火力で
よくアサリ採りをしたことがありますが、
あそこも砂泥地で、アサリの殻は真っ黒でした。
風味もちょっと泥臭さがあったので、
殻を念入りに洗って、
表面の黒いのをできるだけ落としたものです。
(※2021年現在、勿来火力発電所の
放水口付近にいたアサリは
堤防かさ上げ工事の影響で
ほぼ絶滅してしまいました。
昔はバケツ一杯採れたんですが
収穫ゼロです※)
さて、まだまだ大量にあるマテ貝たち。
酒蒸しも、料理酒ではなくて
本物の日本酒で作ったらどうか?
白ワイン蒸しにしたらどうか?
ニンニクで炒めたら?
殻から外して調理してみるか?
色々と創作意欲が湧いたのでした。