ずっと積読だった直近の芥川賞 村田沙耶香著コンビニ人間を読了。
普段、あまり小説を読まない私ですが読みやすく一気に読み終わりました。
面白かったです。
一般的に言われる「幸せ」、、結婚・恋愛・定職に就くことなど
それを一つずつクリアして普通の生活を送ること。
それが幸せだという世間一般の“ものさし”で
人は他人を測っているけれど、その基準に外れたら不幸せなのだろうか。
そんな問いかけを静かにこの小説は語りかけてる気がします。
(な~んてもっと軽いタッチだと思いますけどね。)
主人公の古倉恵子は「幸せになりたい」とか、「自分が不幸せ」とか、
そういう意識はなくて、本当に冷静に自分の周りを見ている人。
小さい頃から人とちょっと違う物の考え方を持っていて
それを奇異と見られないために、生きていける場所がコンビニ。
周りが心配するよりも彼女なりにきちんと自分の居場所を見つけているんですね。
幸せかどうか、なんて気にしていない。他人と比べたりもしていない。
最後には自分が自分でいられる場所、
それがどこかがはっきりとわかる。なんだか清々しい感じですらありました。
コンビニの描写は実際にアルバイトをしているという筆者ならでは。
細かい描写に、なるほど~と感心したり、さすがだなあと思ったり。
誰もが自分の知っているコンビニの様子と重ね合わせていけることで
すっと物語に入っていける感じが読みやすいのかも。
そしてこれはコンビニじゃなくても、自分自身にも当てはまる。
長年勤めていると、自然と身につくルーチンワーク。
マニュアルにするほどではないけれど、ちょっとしたいろいろな習慣と気付き。
その中で生きている自分はある意味会社の中の一つの歯車。
父はよくこの雑誌を購入してきてたまに借りて読むのですが
いろいろな人の話が載っていて、結構読み応えあります。
主にインタビュー記事というか、エッセイというか意見を書いている読み物が
面白いです。
小説は限られたものしか読まないけど、人が何を考えているか、を読むのが好きです。
(でもそれは何も生かされていないけど‥自分)