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「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俳句空間ー豈」61号&「セレネッラ・創刊号~16号」

関西の俳人からご恵与いただきました。

「豈」の特集は「俳壇の新人賞」について。

そして第4回攝津幸彦記念賞の授賞全作品を掲載しています。

同人の作品は各20句、

充実した誌面、

俳句をたっぷり堪能できそう♪

 

‐俳句空間‐「豈」 (61号) 目次          表紙絵・風倉 匠

                               表紙デザイン・長山真

◆祝!「朝日俳壇」新選者就任・特別作品60句     高山れおな 2

◆新鋭招待作家作品 倉田明彦 8 西山ゆりこ
                     
◆第4回攝津幸彦記念賞 選考経過「賞とはいかにあるべきか」筑紫磐井 10

 ☆優秀賞 「余白に献ず」打田峨者ん 13       
  「猿と牛」亀山鯖男 14 
  「山椒魚内閣」久坂夕爾  15     
  「諸国集」倉阪鬼一郎 16 
  「あなたがここにいてほしい」田沼泰彦 17 
  「ノン」嵯峨根鈴子 18 
  「旋律」中嶋憲武 19         
  「被写体深度」山本敏倖 20 

 ☆若手推薦賞

  「七人の妹たちへ」佐藤りえ 21
  「待つてゐる」椿屋実椰 22 
  「くひちがふ雲」牟礼鯨 23

◆ 特集 俳壇の新人賞

 俳壇の新人賞について 筑紫磐井 24 
 芝不器男俳句新人賞について 対馬康子 27
 攝津幸彦記念賞について 大井恒行 29 
 若さは一瞬―石田波郷新人賞 甲斐由紀子 30 
 北斗賞 大井恒行 31
 星野立子新人賞 中西夕紀 32  
 俳句四季」新人賞について 仙田洋子 33 
 円錐新鋭作品賞について 澤 好摩 34    
 田中裕明賞 山岡喜美子 35
 現代俳句新人賞について 柏田浪雅 36  
 俳人協会新鋭俳句賞 髙田正子 37

 連戦連勝しました 西村麒麟 38 
 「新人」を超えて、新人であれ 岡村知昭 
 三十六の瞳 堺谷真人 42        
 新しいということ 佐藤りえ 44
 水中のもの不可視なり 中村安伸 46     
 育み、繋げる 杉山久子 48


◆作品Ⅰ 椿屋実椰 49  青山茂根 50  飯田冬眞 51  池谷洋美 52
       池田澄子 53  丑丸敬史 54  大井恒行 55 大橋愛由等 56 
    大本義幸 57 岡村知昭 58 加藤知子 59 鹿又英一 61
     神谷 波  61  神山姫余 62

◆連載  私の履歴書⑩ 河とその名きれいに曲る朝の邦 大本義幸 63


◆作品Ⅱ 川名つぎお 64 北川美美 65  北村虻曳 66  倉阪鬼一郎 67 

 

小湊こぎく 69 堺谷真人 70  坂間恒子 71  酒巻英一郎 72 佐藤りえ 

     杉本青三郎 74 鈴木純一 75  関根かな 76  妹尾 健 77 


◆書評  筑紫磐井『季語は生きている』評 杉本徹 78 

 現代俳句文庫83『秦夕美句集』評 筑紫磐井 80

 倉阪鬼一郎歌集『世界の終り/始まり』評 藤原龍一郎 82

 加藤知子『櫨の実の混沌より始む』評 大井恒行 84


◆作品Ⅲ 高橋修宏  85 田中葉月 86  筑紫磐井 87  照井三余 88 
     中村安伸 89 夏木 久  90 萩山栄一 91  秦 夕美 92 
     羽村美和子 93  早瀬恵子 94 樋口由紀子 95


◆「豈」60号読後評 詩を書くしかない 加藤知子 96 

◆作品Ⅴ 福田葉子  98 藤田踏青 99  渕上信子 100  堀本 吟 101 
       森須 蘭 102 山﨑十生 103 山村 嚝 104 山本敏倖 105
       わたなべ柊 106  亘 余世夫 107 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現代俳句同人誌「遊牧」の<句集往来>に

句集『月球儀』が紹介されています。

「遊牧」は塩野谷仁代表で今回116号になります。

塩野谷さんは「海程」の大先輩。

<句集往来>は長井寛さんが書いていらっしゃいます。

 

 

 

 


 

 

 

 

 <句集往来> 長井寛
 
 『月球儀』 山本 掌


『月球儀』を読み進んでいくうちにいつしか常識を超え

美意識に富んだ不思議な混沌の世界に誘われてゆく。


  三月の火喰獣(サラマンドル)を腑分けせよ

  狂(た)ぶればのわれは花野の惑星よ



 作者は俳句を詠いながら詩への世界へ

 

読者を誘うのである。

サラマンドルとは伝説の上の

 

火の中に棲む蜥蜴に似た動物である。

「人間に火を与えるな」とギリシャ神話の

 

ゼウスはプロメテウスに命じる。

命令に背き拷問に処せられたプロメテウスは

鷹に内臓を啄ばまれるがヘラクレスに助けられる。


  月面漂着鵜よきみは飛べるか

  鯉幟その空洞を哲学す


 作者の思いは月に向う。

「海鵜」は信長も食した長良川の鮎を想起させる句。



二句目、作者は鯉幟の空洞の腸を

 

連想して知恵や原理を探求している。


  白馬(あおうま)のまなぶたをうつさくらかな


 東山魁夷の描く白馬のまなこに映る

 

桜の情景が目に浮ぶ。


  父という寒夕焼けを歩むかな

  母よ母よ冬の銀河を渡り来よ



 大正や昭和を生きぬいてきた両親と

 

同じ年になった作者が田佇む。


  霧を裂きゆく言の葉を一花(いちげ)とし


 霧を切り裂くことばが紡ぐ一句を

 

作者は恩師金子兜太に捧げる。


          (「遊牧」116 2018年8月)

 

 

 

 

 

 

 

『月球儀』扉

 

装画:伊豫田晃一

 

装丁:司修

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海程」から「海原」と、

ご一緒している作詞家:深山未遊さんに

山本掌 句集『月球儀』を

紹介していただいています。


  月球儀恐らく分母は蝶である        
   
  浅き眠り朝のほうたる月を吐く       

  ぎりぎりとのうぜんかずらの握力  



なんとも不思議な彼女の世界!

金子兜太門下の先輩なのです。

 

 

 

 

 

装丁:司修

 

装画:伊豫田晃一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




左:句集『月球儀』 装画:伊豫田晃一
中:『月球儀』表紙 装丁:司修
右:扉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子規(ほととぎす)こころに雨のふる夜かな

この句、谷口田女によるもの。

なんと1789年刊(フランス革命の年!?)の

『俳諧海山』に載っています。

同じような心理や情景をうたった

よく知られるヴェルレーヌ詩、



 雨の巷(ちまた)に降る如く

         われの心に涙ふる。   
 (堀口大學訳)



田女の句より百年後になります。

 




別所真紀子著『江戸おんな歳時紀』には

こんなにも多くの女性俳人、

女性の職業俳諧師が多く、

17世紀末から19世紀前半に活躍していること。

1700年には史上初の寺崎紫白『菊の道』が出版され、

その撰集も百にのぼるという。

「宮廷や大名などの支配階級でなく、

三百年前、一般庶民のおんなたちが、

その時代に多数創作に打ち込み

出版物を発行する文化は世界のどの国にもない」と

著者・別所真紀子さんは前書きに記す。




そんな俳人たちの句の数々がひかれている。

年齢も六歳の女の子から、老女まで、

妻から遊女から、さまざまな身分の女たち、

そして陸奥、江戸、京から九州まで、

なんて個性的でいきいきとしていたことか。

江戸の<おんな>は自由!


目からたくさんの鱗が落ちていった書。

 

 

 

◆別所真紀子

連句誌『解纜』を主宰する俳人・小説家。
『芭蕉にひらかれた俳諧の 女性史』
『言葉を手にした市井の女たち』など、
俳諧の面から女の生き方を追求した著書をもつ
女性史家で もある。 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画「モリのいる場所」を観てきました。

画家熊谷守一、その晩年のある1日をフィクションで描いた作品。

30年ほとんど家を出る事なく庭の<生命>を描きつづけた。

熊谷の絵画作品、極限までそぎ落とされた

シンプルで強靭な線、印象的です。

蟻、かまきり、蜥蜴などの小動物、

日の光、風にゆれる木の葉、そのいきものたち。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


夫婦役の山崎努と樹木希林、

もう演技とはおもえないほど、そこに人物としている。

その存在感は圧倒的。

監督は沖田修一。




◆予告編 
   http://mori-movie.com/

 

 

 

◆熊谷守一美術館はこちら
   http://kumagai-morikazu.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」を

録画(プレミアムシアターで放映)で観ました。

2018年5月、シャンゼリゼ劇場で上演されています。


「オルフェオとエウリディーチェ(Orfeo ed Euridice)』は、

クリストフ・ヴィリバルト・グルック
(Christoph Willibald Gluck/1714年-1787年)の

作曲したオペラです。



この当時のバロック・オペラでの

カストラート(去勢し、女声の高音をたもち、胸声の強い)の声が

どれほど愛好されていたことか、と思います。

いまではその役はメゾソプラノ、カウンターテナー、

バリトンということもあります。

このオペラでの「オルフェオ」は

フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー) 、

輝かしい高音、容姿や演技はさすが。

成人男性でのあの<声>、

わかっていても造形の妙としかいいようのないような・・・


「エウリディーチェ」はパトリシア・プティボン。

現代物もよく歌うソプラノ、じつにチャーミングです。



この2人の冥界からの<道行き>が素晴らしい。

オルフェオがエウリディーチェを

 

死から取り戻すための辛い試練、

それがかえって<愛>を信じられない、妻はと嘆く。

そのこころの微妙な心理の動き、

そのドラマティックなこと。

あのグルックの音楽でこんなに

納得して聴けたのは初めてのこと。

ここでのアリア「われはエウリディーチェを失えり」の

なんと痛切であることか。


演出はカナダのロバート・カーセン。

現代風に置き換えてじつにシンプルで、

バロックオペラに新しい風を吹き込んだよう。

オーケストラもバロック楽器による

<イ・バロッキスティ>

 

指 揮のディエゴ・ファソリスが熱い。

 



美術は舞台一面の土砂がひかれ、

衣装は喪服の黒のスーツ、

女性は黒のワンピース。

現代的な装いでもなんの違和感もない。

それがこの土砂の灰色とで、

モノトーンの舞台が効果的。

照明も無彩色で暗いライティング、

陰影が美しい。

合唱は様式的な動きもあって、

ギリシャ劇のコロスのよう。


オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」を

愉しんで観劇できた公演。

 

 

 

 

 

 

 

フィリップ・ジャルスキー とパトリシア・プティボン

 

 

オルフェオ:フィリップ・ジャルスキー

エウリディーチェ:パトリシア・プティボン

アモーレ:エメケ・バラート ほか


<指 揮>ディエゴ・ファソリス

<演 出>ロバート・カーセン

<合 唱>フランス放送合唱団

<管弦楽>イ・バロッキスティ

収録:2018年5月28・31日 シャンゼリゼ劇場(パリ)


◆「エウリディーテェを失えり」 ジャロウスキー
   https://www.youtube.com/watch?v=Z8dIevs0VlU



 (画像はネットからお借りしました)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日他界された、カバリエによる

ラヴェルの「ハバネラ形式のヴォカリーズ」。

ピアノはアレクシス・ワイセンベルグ。

ヴォカリーズ(フランス語: vocalise、ドイツ語: Vokalise)は、

歌詞を伴わずに、

母音のみによって歌う歌唱法。

ラフマニノフのヴォカリーズがよく知られていますが、

このラヴェルの「ハバネラ形式のヴォカリーズ」の素敵なこと。

一音一音が真珠の連なりのように、

精緻で磨きぬかれて、

コロラチューラの声の粒立ちの見事さ。

弱音のデリケートで芯のある美しさ。

どうぞ、お聴きください。
  
 https://www.facebook.com/AWArchive/videos/vb.448755232225593/2131137273873709/?type=2&theater

 

 

 



カバリエはかつて一度聴いています。

オペラ「アドリアーナ・ルクブルール」の

 

来日公演で、

相手役はまだデビューしたての、

初々しいカレーラス。

貴重な舞台を観ることができたこと、

とても懐かしい。

 

 

(画像は公式ホームページからお借りしています)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとからあとから夜の萩燃やしけり               掌