オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」を
録画(プレミアムシアターで放映)で観ました。
2018年5月、シャンゼリゼ劇場で上演されています。
「オルフェオとエウリディーチェ(Orfeo ed Euridice)』は、
クリストフ・ヴィリバルト・グルック
(Christoph Willibald Gluck/1714年-1787年)の
作曲したオペラです。
この当時のバロック・オペラでの
カストラート(去勢し、女声の高音をたもち、胸声の強い)の声が
どれほど愛好されていたことか、と思います。
いまではその役はメゾソプラノ、カウンターテナー、
バリトンということもあります。
このオペラでの「オルフェオ」は
フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー) 、
輝かしい高音、容姿や演技はさすが。
成人男性でのあの<声>、
わかっていても造形の妙としかいいようのないような・・・
「エウリディーチェ」はパトリシア・プティボン。
現代物もよく歌うソプラノ、じつにチャーミングです。
この2人の冥界からの<道行き>が素晴らしい。
オルフェオがエウリディーチェを
死から取り戻すための辛い試練、
それがかえって<愛>を信じられない、妻はと嘆く。
そのこころの微妙な心理の動き、
そのドラマティックなこと。
あのグルックの音楽でこんなに
納得して聴けたのは初めてのこと。
ここでのアリア「われはエウリディーチェを失えり」の
なんと痛切であることか。
演出はカナダのロバート・カーセン。
現代風に置き換えてじつにシンプルで、
バロックオペラに新しい風を吹き込んだよう。
オーケストラもバロック楽器による
<イ・バロッキスティ>
指 揮のディエゴ・ファソリスが熱い。
美術は舞台一面の土砂がひかれ、
衣装は喪服の黒のスーツ、
女性は黒のワンピース。
現代的な装いでもなんの違和感もない。
それがこの土砂の灰色とで、
モノトーンの舞台が効果的。
照明も無彩色で暗いライティング、
陰影が美しい。
合唱は様式的な動きもあって、
ギリシャ劇のコロスのよう。
オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」を
愉しんで観劇できた公演。
フィリップ・ジャルスキー とパトリシア・プティボン
オルフェオ:フィリップ・ジャルスキー
エウリディーチェ:パトリシア・プティボン
アモーレ:エメケ・バラート ほか
<指 揮>ディエゴ・ファソリス
<演 出>ロバート・カーセン
<合 唱>フランス放送合唱団
<管弦楽>イ・バロッキスティ
収録:2018年5月28・31日 シャンゼリゼ劇場(パリ)
◆「エウリディーテェを失えり」 ジャロウスキー
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(画像はネットからお借りしました)