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「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この夏の大野和士による

「トゥーランドット」を録画で観ました。

 

 

 

イレーネ・テオリンのトゥーランドット、

力強い合唱、分厚いオーケストラを

突き抜ける強靭な、圧倒的な<声>。


中村恵理のリュー、素晴らしい。

その哀切きわまりない歌唱、演技。

テオドール・イリンカイのカラフ。

話題騒然のアレックス・オリエ演出のラスト、

それまでの積上げられてきた劇の流れから、

トゥーランドットの自刃はうなずけるもの。


アルフォンス・フローレスの美術、

プロセニアムいっぱいの壁、それを覆うような階段、

これは威圧そのもの。

権力をもつものと民衆・群集をくっきりと示して。

リュック・カステーイスの衣裳もそのコンセプトのもと、

トゥーランドット、皇帝は純白、

民衆、カラフさえもダークなすすけた衣装に

ここまで<汚し>たか、という顔・顔。

この合唱が圧巻。

この舞台は劇場で観たかった!




◆プッチーニ/オペラ 『トゥーランドット』

トゥーランドット:イレーネ・テオリン

カラフ:テオドール・イリンカイ

リュー:中村恵理

ティムール:リッカルド・ザネッラート

アルトゥム皇帝:持木 弘

ピン:桝 貴志

パン:与儀 巧

ポン:村上敏明


指揮:大野和士

演出:アレックス・オリエ(ラ・フーラ・デルス・バウス)

美術:アルフォンス・フローレス

衣裳:リュック・カステーイス

照明:ウルス・シェーネバウム

合唱指揮:三澤洋史

合唱:新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部、
    びわ湖ホール声楽アンサンブル

児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団

管弦楽:バルセロナ交響楽団
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイロイト音楽祭2019、ワーグナー「タンホイザー」
  (2019年新演出、バイロイト祝祭劇場、8月25日)

録画で観ました。

すでにyoutubeで出ています!?


「タンホイザー」第一幕
 https://www.youtube.com/watch?v=Ma_NEenVbJA

「タンホイザー」第二幕
 https://www.youtube.com/watch?v=oOmOSeJW8do

「タンホイザー」第三幕
 https://www.youtube.com/watch?v=DjRwl5f9Ihg



演出:トビアス・クラッツァー

指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ




タンホイザー:ステファン・グールド

エリーザベト:リーゼ・ダヴィドセン

ヴェーヌス:エレナ・ツィトコーワ


ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ:マルクス・アイヒェ

領主ヘルマン:シュテファン・ミリング


ヴァルター:ダニエル・ベーレ

ビテロルフ:カイ・スティーファーマン

ハインリッヒ:ホルヘ・ロドリゲス=ノートン

ラインマル:ヴィルヘルム・シュヴィングハマー

牧童:カタリーナ・コンラーディ


ル・ガトー・ショコラ:ル・ガトー・ショコラ

オスカル:マンニ・ラウデンバッハ


バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団

(合唱指揮:エベルハルト・フリードリッヒ)




トビアス・クラッツァーによる新演出の「タンホイザー」。

バイロイト音楽祭での読み替えの演出は恒例(?)でしょうか。

賛否両論は当然でしょうが、私には面白かった。

クラッツァーの意図は、映像に集約されているのでしょう。

ヴェーヌスベルクをヴェーヌスが率いるサーカスの一座に置き換え、

ワーグナーが掲げた理念、

「意志における自由」、

「行為における自由」、

「享楽における自由」を実践している、と。


第1幕、序曲が始まるとスクリーンに動画。

ロードムービーのような空撮で、お城から森、

街道を走るミニバス。

そこにはサーカスの一行。

ヴェーヌスが運転をし、

 

助手席にはピエロの格好のタンホイザー。

ドラッグ・クイーンのガトー・ショコラと、

太鼓叩きの小人のオスカル。

ガトー・ショコラとオスカルは黙役なのだけれど

芝居がうまく、存在感は抜群。


このヴェーヌスの一行は

 

ドライヴ・スルーでガソリンやハンバーガーを盗み、

さらに車の前に立ちはだかる警備員を轢き殺して逃走する。

タンホイザーはヴェーヌスとの言い争い、道路に飛び降りる。

倒れているタンホイザーに水を飲ませて介抱する

牧童ならぬ自転車に乗った女の子。

連れて行かれたのはバイロイト祝祭劇場。



この映像と舞台という構造が

二幕ではさらにあざやかに。


四角い白い額縁のなかで、

 

(これが結界にもなっているよう)

領主へルマンのもとの歌合戦が、ドラマが

クラシックな衣装、演出のもと進行するのですが、

舞台の上部ではモノクロの映像が映し出され、

出演直前の歌手や舞台裏の様子、

さらにはヴェーヌス一行が劇場正面にハシゴをかけ、

テラスから侵入し、ヴェーヌスは小姓役を軟禁して、

あろうことか舞台へ乱入。

まさに

「意志の自由、行動の自由、享楽の自由」


この侵入者に気づいて警察に通報するのは、

なんとあのバイロイト総裁のカタリーナ・ワーグナー!?

ヴェーヌス讃歌を歌ったタンホイザーは警官に逮捕される。

このドキュメンタリータッチの映像と舞台のタイミングなど、

じつによく出来ていること。


第三幕は廃車が置かれた荒廃した場所。

タイヤも取れたミニバスにオスカルひとり、

缶スープをあの太鼓であたためている。

彷徨ってきた エリーザベト。

そのエリーザベトを追ってきたヴォルフラム。

ふたりが交わり、その直後に歌われる

「夕星の歌」のなんと哀切なことか。


歌手たちはこの演出の下、

緻密な演技、歌唱も素晴らしい!

ヴェーヌスのエレナ・ツィトコーワ、

スリムなのにその声はじつに強靱。

第二幕では歌はないのですが、

とってもチャーミングで奔放。演技力、抜群です。



エリーザベトのリーゼ・ダヴィドセン 、

声は清楚、ドラマティック・リリコでじつに魅力的。



タイトルロールを歌ったステファン・グールド、

圧倒的な説得力をもって聴き手に迫ってくる。


そしてなんといってもバイロイト合唱の

 

厚みのある歌声は素晴らしい。


「タンホイザー」の新しい一ページが刻まれた公演では。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テノール・笛田博昭のリサイタル、

今年6月9日にテアトロ・ジーリオ・ショウワで催され、

会場で笛田博昭のベルカントのテノールを堪能。

そのリサイタルが放映されました。

 

 

 

テノール<笛田博昭>の

その輝かしい声、

きらきらと一音一音が雫となって、

ホールいっぱいに降りそそいで。


プログラムは時代を追っていて、

一部はベッリーニ、トスティの歌曲と

ドニゼッティのオペラ『ラ・ファヴォリータ』のアリア。

トスティの<アマランタの4つのカンツォーネ>

聴くことのまれなこの作品、

2曲目の「そっとしておいて」の印象深いこと。

笛田さんがさらに経験や時間をかさねたとき、

また聴いてみたい曲。


マスネの歌曲とオペラ。

歌曲「エレジー」が切々として。

『ウェルテル』から「春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか」、

このアリアのよかったこと。

笛田ウエルテルを聴いてみたい♪

さらに

ヴェルディの『運命の力』から

「おお、天使の胸に抱かれている君よ」、


ベルカントから重いものへ、

声がどんどん伸びて、響きわたる、

まさにテノールの輝かしさが、煌びやかな歌唱。

胸板が厚く、頭蓋もじつに良く鳴りそう。


私事ですが、

笛田さんの大学時代の中島基晴先生、

私の発声の師匠。


ピアノはオペラ・アリア、歌曲の伴奏者として

絶大な信頼を寄せられているスカレーラ。



 

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皆川博子『彗星図書館』は

『辺境図書館』につぐ、

皆川博子愛惜・耽溺の<本>たちへのいざない。


この『辺境図書館』、『彗星図書館』の本をもとめて、

本屋、図書館、アマゾンを巡り、ただよう、

 

その焦燥と愉楽。



『彗星図書館』のなかに手持ちの本、

 

載っているのがうれしい♪

塚本邦雄『詞華美術館』(文藝春秋 1978年)がそれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 装幀:柳川貴代
 
 装画:伊豫田晃一



このおふたりによる瀟洒な造本。

四六版を小ぶりにしのも素敵。



『辺境図書館』そして『彗星図書館』、

本、それ自体が双子のよう。