この夏の大野和士による
「トゥーランドット」を録画で観ました。
イレーネ・テオリンのトゥーランドット、
力強い合唱、分厚いオーケストラを
突き抜ける強靭な、圧倒的な<声>。
中村恵理のリュー、素晴らしい。
その哀切きわまりない歌唱、演技。
テオドール・イリンカイのカラフ。
話題騒然のアレックス・オリエ演出のラスト、
それまでの積上げられてきた劇の流れから、
トゥーランドットの自刃はうなずけるもの。
アルフォンス・フローレスの美術、
プロセニアムいっぱいの壁、それを覆うような階段、
これは威圧そのもの。
権力をもつものと民衆・群集をくっきりと示して。
リュック・カステーイスの衣裳もそのコンセプトのもと、
トゥーランドット、皇帝は純白、
民衆、カラフさえもダークなすすけた衣装に
ここまで<汚し>たか、という顔・顔。
この合唱が圧巻。
この舞台は劇場で観たかった!
◆プッチーニ/オペラ 『トゥーランドット』
トゥーランドット:イレーネ・テオリン
カラフ:テオドール・イリンカイ
リュー:中村恵理
ティムール:リッカルド・ザネッラート
アルトゥム皇帝:持木 弘
ピン:桝 貴志
パン:与儀 巧
ポン:村上敏明
指揮:大野和士
演出:アレックス・オリエ(ラ・フーラ・デルス・バウス)
美術:アルフォンス・フローレス
衣裳:リュック・カステーイス
照明:ウルス・シェーネバウム
合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部、
びわ湖ホール声楽アンサンブル
児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団
管弦楽:バルセロナ交響楽団