「歌川豊国 -歌川派の役者絵」を
国立劇場芸能情報館で観てきました。
2019年今年は、
初代歌川豊国(1769~1825)の生誕250年。
歌川派の役者絵、
歌川派の開祖である歌川豊春をはじめとし、
豊国のそれぞれの役者の個性をいかした絵。
画面も一枚摺り、から二枚、三枚と横長の大画面へとなり、
画がダイナミックで見ごたえがあります。
さらに豊国は国貞、国芳ら多数の弟子を育て、
明治期の国周や芳年に続きます。
寛政・享和期から文化・文政期を経て幕末に至る
役者絵に名優の姿がくっきりと。
それぞれの時代の歌舞伎、芝居小屋の様子などなど。
芳年の『奥州安達がはらひとつ家の図』もあって、びっくり。
これは縦に二枚の摺り。
展示浮世絵のすべては国立劇場の所蔵とか。
国立劇場へ観劇のおりは芸能情報館へ、どうぞ。
2020年1月27日(月)まで。
「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」
中村芝翫の初役を国立劇場で観てきました。
「天竺徳兵衛韓噺」は鶴屋南北の出世作。
ケレン(外連)の早替りや仕掛け物、
巨大な蝦蟇(がま)や屋体崩しなどなど
見どころたっぷり。
通し狂言での上演。
天竺徳兵衛の登場は2幕から。
天竺帰りの船頭徳兵衛仕方話、
ここで沖縄の水族館が出たり、
ハワイで芝翫に見間違えられたりと
いっきに劇場が沸いてきました。
芝翫、ちょっと貫目がまして、さすが座頭。
席が花道左で、ちょうど七三のあたり。
「裏見の七三(笑)」でしょうか。
役者の息遣い、衣装の質感までじっくり観られました。
とくに六法では、芝翫の息の<詰めはなち>
どれだけの緊張・集中をもっているか、目の当たりに。
そうそう、座頭徳一では「木琴」をたたきながら、
唄もうたって。
吉岡宗観の坂東彌十郎。
銀杏の前の中村米吉のかわゆらしいこと。
26日(土)まで。
山本掌の個人俳誌「月球儀」7号、
<DiPS news vol71>で紹介されています。
◆山本掌 個人俳誌「月球儀」
https://ameblo.jp/bashouza/entry-12501104948.html
昨年刊行した句集『月球儀』も
ノイエス朝日(前橋市)に置いてあります。
展覧会にお立ち寄りのときに、
お手にとってみてください。
◆ノイエス朝日
「月球儀」7号
装画:伊豫田晃一
遠田潤子『廃墟の白墨』 2019年9月刊 光文社
遠田潤子さんの小説は
ひとであったり、
その関係性であったり
じつに過酷にひりひりと痛み、
身体に、精神に棘を突きつけられるような、
壮絶と言えるほど、
存在がミリミリと崩壊していくような・・・
で、あっても(であるからこそ)、
その構築された<虚構>は招いてやまない。
この新刊『廃墟の白墨』もそう。
装幀:柳川貴代
装画:agoera
造本は黒地に白い薔薇の装画、
装幀はちょっとレトロでうつくしい。
見開きは「の」とおなじ赤、
扉は黒で一輪の薔薇。
「白墨の廃墟」の書体が印象的。
この「の」は赤(血のよう綺麗)。
この本の紹介はこちら
「ミモザの父・閑に封筒が届いた。
チョークで描いた薔薇の絵の写真、
裏には「四月二十日。零時。王国にて。」とあった。
廃墟と化した明石ビルに行った彼を三人の男たちが待っていた。
男たちは語りはじめる。
哀しい少女・白墨の切なく凄まじい物語を──」と。
みつみつと紡ぎだされる<白墨>に、
ロルカ詩集、カスタネットと
チョークで薔薇を描くことしか知らない
この少女に、
小説を手にとって、触れてほしいと思う。






