「猫町観光案内」 作・栗原飛雄馬
演出・中村ひろみ
前橋文学館リーディングシアターフェス2022 IN マエバシ
の第1弾を観ました。
前橋文学館の小ぶりなホール、
さらに客席を50にして。
その「猫町」の不思議な世界に
朔太郎の詩「猫」もあらわれて。
出演者はこちら
昨日の山本掌の句
「青水無月あおき空洞(うろ)ですわたくしは」
金子兜太先生が鑑賞し、
金子兜太主宰「海程」512号 2015年5月号
「秀句鑑賞」に掲載されました。こちらです。
青水無月あおい空洞(うろ)ですわたくしは 山本 掌
「青水無月」ってあたりは梅雨時のひじょうに青い季節。
そこへもってきて、
自分は空洞(うろ)のようだけれど青々している。
自分の虚無感のようなものがあるんだろうな。
普通の言葉で言うと
寂しいということなんじゃないかな。
「あおい」とひらがなで書いたので、
明るくありたいという気持ちもあるんでしょうね。
「青水無月あおい空洞(うろ)です」と、
こんなにくどく書いて
解釈出来るということは成功でしょうね。
こういう書き方でこの人の複雑な空しい状態
をどのくらいの程度で受け取るかは
読む人によって違うでしょうね。
共通な受け取り方は出てこない気がします。
私なんかは、
かなり深刻に受け取ってますけどね。
青水無月あおい空洞ですわたくしは 掌
(うろ)
◆水無月・青水無月
陰暦六月の異称。
「水の月」の異で、田に水を引く必要のある月という意。
このころは樹木が青々と茂る。
夏の季語。
高崎兜太句会、ゆとりの30分前に着いた。
なんと兜太先生すでに来てらして、
パンなど召し上がっている!?
先生、どうも時間を勘違いしたらしい。
2・3ヵ月前に3句を提出し、
兼題は「事故」が2句、自由句が1句。
選句は3句と問題句を1句。
最高点句は7点が2句あって、その句から合評を始める。
ビニール一枚春空を飛ぶ事故の予感
花の村事件あらかた狐の仕業
とった評は当然のことながら好意的な意見が続出。
事故の「予感」がいい。
兜太評:新鮮でない。
「ビニールが飛ぶ」のも、「狐の仕業」もマンネリ。
この2句、発想が似ている。
「どうしてこんなに点がはいったかわからんな」。
「事故」という兼題で、がんばりすぎたり、きどったり、と
無理をしている、とも指摘される。
「フクシマ」「チェルノブイリ」「大震災」などを書いた句は
報告にとまっている。
4点句は
キャッチボールの姉と妹豆の花
評:今は兄弟だけでなく、姉妹キャッチボールをやるのも
めずらしい事でない。
兜太評:あっさりした季語、「豆の花」が効いている。
地味に作っていい。
大地震ありったけの燕よ来い
兜太評:おもいきった言って、実感あり。
「ありったけの燕」がいい。ちょっと言い方が幼い、か。
春愁のすこし大きな馬に乗り
兜太評:自分の春愁をなだめるために馬に乗った。
「乗る」終止形だときつくなる。
「乗り」だ。このぼかすほうがいい。
続いて、すべて問題5点となったこの句。
男ありけり無遅刻無事故宇宙塵
評:なにが言いたいか?
いなくなって宇宙の塵となった?
「宇宙塵」の働きがわからない。
兜太評:男がいた。無遅刻、無事故で、
その男をみていると宇宙塵としかみえない。
哀れを込めて、皮肉った。
皮肉ったが、哀れをこめている。
面白い。自画像か?
「これは肯定的な問題句だな」
はい、これは山本掌の句。
今回は秀逸、秀作、佳作ではなく、
以上の句が兜太選となった。
夏至の夜のどの小骨を捨てにけり 掌
◆夏至・夏至の雨・夏至の夜
二十四節季のひとつ。
6月21日ごろ。
一年のうちで昼が最も長く、
夜がもっとも短い一日である。
夏の季語。