金子兜太の俳句鑑賞 「青水無月あおき空洞(うろ)ですわたくしは」 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日の山本掌の句

 

「青水無月あおき空洞(うろ)ですわたくしは」

 

金子兜太先生が鑑賞し、


金子兜太主宰「海程」512号 2015年5月号


「秀句鑑賞」に掲載されました。こちらです。




   青水無月あおい空洞(うろ)ですわたくしは    山本 掌



 「青水無月」ってあたりは梅雨時のひじょうに青い季節。


そこへもってきて、

 

自分は空洞(うろ)のようだけれど青々している。


自分の虚無感のようなものがあるんだろうな。


普通の言葉で言うと

 

寂しいということなんじゃないかな。


「あおい」とひらがなで書いたので、


明るくありたいという気持ちもあるんでしょうね。


 
「青水無月あおい空洞(うろ)です」と、

 

こんなにくどく書いて

 

解釈出来るということは成功でしょうね。



こういう書き方でこの人の複雑な空しい状態


をどのくらいの程度で受け取るかは


読む人によって違うでしょうね。


共通な受け取り方は出てこない気がします。


私なんかは、

 

かなり深刻に受け取ってますけどね。