明日です♪ <萩原朔太郎を朗読する> 風船乗の夢『定本 青猫』、序『月に吠える』  | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

明日です♪

 

<萩原朔太郎を朗読する>

 

『定本 青猫』より「風船乗の夢」

 

『月に吠える』の序。

 

この「序」朔太郎の<詩>への思い、

 

なんと切々としていることか。

 

 

 

 

  風船乗の夢

 

 

 夏草のしげる(くさむら)から

 

ふはりふはりと天上さして昇りゆく風船よ

 

籠には旧暦の暦をのせ

 

春か地球の子午線を越えて吹かれ行かうよ。

 

ばうばうとした虚無のなかを

 

雲はさびしげにながれて行き

 

草地も見えず 記憶の時計もぜんまいがとまつてしまった。

 

どこをめあてに翔けるのだらう!

 

さうして酒瓶の底は空しくなり

 

酔ひどれの見る美麗な幻覚(まぼろし)も消えてしまつた。

 

 しだいに下界の陸地をはなれ

 

愁ひや雲やに吹きながされて

 

知覚もおよばぬ眞空圏内へまぎれ行かうよ。

 

この瓦斯體もてふくらんだ氣球のやうに

 

ふしぎにさびしい宇宙のはてを

 

 

友だちもなく ふはりふはりと昇つて行かうよ。

 

 

 

 

 

スプリングコンサート 高崎演奏家協会

 

2024年4月17日(水) 14:00~

 

高崎シティギャラリーコアホール

 

入場無料です。