血塗られた、オペラ「ボリス・ゴドゥノフ」ミラノスカラ座 プレミアムシアター | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

2022年12月7日 ミラノ・スカラ座 2023年3月 NHK BSP

 

 

オペラ「ボリス・ゴドノフ」は

 

モデスト・ムソルグスキーが作曲したプロローグと4幕からなるオペラ。


ボリス・ゴドゥノフ(1551年 - 1605年)はロシアの実在した皇帝・ツァーリ。

 

その生涯を描く。

 

 

ステージ写真、こちらにたっぷりと

オペラFLASH 2022/2023[スカラ座]ボリス・ゴドノフ | 月刊音楽祭 (m-festival.biz)

 


 
◆イワン雷帝時代の後のロシア、

 

跡継ぎのとなる皇子ドミトリー(甥)を殺したボリスは

 

皇帝になるが内心の罪の意識は消えない。

 

ボリスを探り記録追求するピーメンとその弟子クリゴリー。

 

そのグレゴリーは脱走し、皇子と同じ歳と知り、偽ドミトリーとなる。

 

佞臣シェイスキー、

 

ボリスの死で終わる。
 
 

このオペラでの、ボリスのモノローグ「私は最高の権力を手にした」

 

しみじみと聴かせる。

 

物思いに沈むボリス。

 

「自分は権力を手に入れ、6年の間、国を無事治めてきたが、心に幸福はない。

 

娘の許婚の急死、大貴族の裏切り、外国の陰謀、飢饉や疫病が続き、

 

全ての罪が自分にあると国中で怨嗟の声が上がっている」と歌うその悲痛なこと。
 
ロシアとその群衆の苦しみ・悲哀。合唱の底力がすごい。

 

 

 

 

 

  聖愚者とボリス

 

 

 

聖愚者とボリスのやりとり! この息詰まるほどの緊張感。

 

聖愚者(ユーロヴィジイ)ニコルカは

 

  皇帝ボリス・ゴドゥノフが現れると、

 

子供たちに嘲弄されたことを訴え、ボリスに向かってこう言う。

 

「ボリスやボリス、あの子供たちを殺しておくれ

 

…お前が皇子を殺したように!」

 

 

 

ボリスは殺害され、

 

偽ドミトリーの野心にみちた嘲笑で幕。

 

 

 

 

ムソルグスキー:ボリス・ゴドノフ
2022年12月7日 … スカラ座, ミラノ

[演出]
 … カスパー・ホルテン


[出演]
 … ボリス・ゴドゥノフ:イルダル・アブドラザコフ


 … フョードル:リリー・ヨルスタッド


 … クセニア:アンナ・デニソワ


 … クセニアの乳母:アグニエツカ・レーリス


 … ヴァシリー・シュイスキー公:ノルベルト・エルンスト


 … アンドレイ・シチェルカーロフ:アレクセイ・マルコフ


 … ピーメン:アイン・アンガー


 … グリゴリー・オトレピエフ=偽ドミトリー:ドミトリー・ゴロブニン


 … ヴァルラーム:スタニスラフ・トロフィモフ


 … ミサイール:アレクサンドル・クラヴェッツ


 … 聖愚者の声:ヤロスラフ・アバイモフ

 


[指揮]


 … リッカルド・シャイー


[オーケストラ]
 … スカラ座管弦楽団
[合唱]


 … スカラ座合唱団