竹 <萩原朔太郎を朗読> 3月10日(金) | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

もうひとつの「竹」

 

(画像は2022年 朔太郎没後記念の切手シート)

 

 

 

 

光る地面に竹が生え、

 

青竹が生え、

 

地下には竹の根が生え、

 

根がしだいにほそらみ、

 

根の先より繊毛が生え、

 

かすかにけぶる繊毛が生え、

 

かすかにふるえ。

 

 

かたき地面に竹が生え、

 

地上にするどく竹が生え、

 

まつしぐらに竹が生え、

 

凍れる節節りんりんと、

 

青空のもとに竹が生え、

 

竹、竹、竹が生え。