カウフマン(「カウフマンFB」より)
カウフマン、今回は無事に来日。
大阪と東京でのオペラコンサート、
スタンディングオベーションの盛会のよう。
オペラ「オテロ」(公式ページより)
そのカウフマンの「オテロ」を録画で観る。
指揮はパッパーノ。
キース・ウォーナーによる演出。
主題は「嫉妬」。
オテロは最愛の妻への疑惑。
それを煽るイヤーゴは、
副官になれなかったことへのそれ。
カウフマンのやや暗めな声がぴったりとオテロにはまり、
その狂気すらおびてくるその一途な<愛>が、
細かなニュアンスまでの歌・演技が、素晴らしい。
今回のイヤーゴのヴラトーニャ、
その悪役ぶりがたっぷりと味わえた。
スキンヘッドで凄味抜群、
まなざしの不気味なこと、
二幕のアリアでの「死は無」の虚無をつきつめたような凄み。
なんとも凶悪な表情を増してゆく。
白と黒の仮面も効く。
どもまでもすれ違ってゆく<愛>が痛ましい。
<出 演>
オテロ:ヨナス・カウフマン (Jonas Kaufmann)
デズデモナ:マリア・アグレスタ (Maria Agresta)
ヤーゴ:マルコ・ヴラトーニャ (Maria Agresta)
カッシオ:フレデリック・アントゥーン (Frédéric Antoun)
ロデリーゴ:トーマス・アトキンス (Thomas Atkins)
エミーリア:カイ・ルーテル (Kai Rüütel)
モンターノ:ユシフ・エイヴァゾフ (Simon Shibambu)
<指 揮> アントニオ・パッパーノ (Antonio Pappano)
<演 出> キース・ウォーナー (Keith Warner)
<合 唱> 英国ロイヤル・オペラ合唱団
<管弦楽> 英国ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団
収録:2017年6月24日 英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ロンドン)