カウフマン「オテロ」英国ロイヤルオペラ2017 @NHK-BS | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

カウフマン(「カウフマンFB」より)

 

 

 

 

カウフマン、今回は無事に来日。

大阪と東京でのオペラコンサート、

スタンディングオベーションの盛会のよう。

 

 

 

 

 

 

オペラ「オテロ」(公式ページより)

 

 

 

 




そのカウフマンの「オテロ」を録画で観る。

指揮はパッパーノ。

キース・ウォーナーによる演出。



主題は「嫉妬」。

オテロは最愛の妻への疑惑。

それを煽るイヤーゴは、

副官になれなかったことへのそれ。



カウフマンのやや暗めな声がぴったりとオテロにはまり、

その狂気すらおびてくるその一途な<愛>が、

細かなニュアンスまでの歌・演技が、素晴らしい。

 
今回のイヤーゴのヴラトーニャ、

その悪役ぶりがたっぷりと味わえた。

スキンヘッドで凄味抜群、

まなざしの不気味なこと、

二幕のアリアでの「死は無」の虚無をつきつめたような凄み。

なんとも凶悪な表情を増してゆく。

白と黒の仮面も効く。


どもまでもすれ違ってゆく<愛>が痛ましい。

 



<出 演>


 オテロ:ヨナス・カウフマン (Jonas Kaufmann)

 デズデモナ:マリア・アグレスタ (Maria Agresta)

 ヤーゴ:マルコ・ヴラトーニャ (Maria Agresta)

  カッシオ:フレデリック・アントゥーン (Frédéric Antoun)

  ロデリーゴ:トーマス・アトキンス (Thomas Atkins)

  エミーリア:カイ・ルーテル (Kai Rüütel)

  モンターノ:ユシフ・エイヴァゾフ (Simon Shibambu)


<指 揮> アントニオ・パッパーノ (Antonio Pappano)

<演 出> キース・ウォーナー (Keith Warner)

<合 唱> 英国ロイヤル・オペラ合唱団

<管弦楽> 英国ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団



収録:2017年6月24日 英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ロンドン)