2016年今年は、
萩原朔太郎・生誕130年、
『月に吠える』の出版から100年になる。
詩人にして弁護士の中村稔による『萩原朔太郎論』。
前橋という地方都市生まれでありながら、
自然を書くことがない朔太郎。
菊をとりあげることはあっても「饐えたる菊」と。
そのような自然に対する<朔太郎>という詩人を、
全集をじつに丹念に読み込んでゆくことで肉薄してゆく。
『月に吠える』『青猫』『定本 青猫』、
とりあげる詩の鑑賞により、
詩がよりふかく味わえる。
詩論への言及も鋭く、
あまり論理的でない朔太郎の<論>を
ときに舌鋒鋭く突く。
◆『萩原朔太郎論』 2016年1月刊
青土社(548ページ )
http://www.amazon.co.jp/dp/4791769082/ref=nosim/?tag=biglobe06-jcom-22&linkCode=as1
◆詩人・小説家 小池昌子による『萩原朔太郎論』書評
http://style.nikkei.com/article/DGXKZO98085380V00C16A3MY7001