「ジャック・カロ リアリズムと奇想の劇場」@ 西洋美術館 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

ジャック・カロ チラシ

         「アルノ川の祝祭」チラシ


「ジャック・カロ リアリズムと奇想の劇場」
を西洋美術館で観る。

ジャック・カロは17世紀の版画家。
ロレーヌ(フランス)やイタリアで活躍。
メディチ家の宮廷版画家でもあった。

西洋美術館が所蔵するカロの400点の作品から展示(!?)
年代順に連作が並ぶ。
エッチング、ビュランやエングレービングなどの版画を
線まで間近でじっくりと見ることができた。


二人のザンニ

              「二人のニザン」


1センチくらいの人物が数百人いたり、
当時の生活風俗、道化、槍試合、戦争、処刑などが
じつに精緻に描かれる。

実在するかのような悪魔たち、
なかでも「聖アントニウスの誘惑」は見事。

聖アントニウスの誘惑

             「聖アントニウスの誘惑」


西洋美術館 ホームページ

「ジャック・カロ(1592-1635)は、
17世紀初頭のロレーヌ地方が生んだ、
優れた技量と豊かな創造性を兼ね備えた版画家です。

若い頃に滞在したイタリアでは、メディチ家の宮廷附き版画家に抜擢され、
1621年の帰郷後も、ロレーヌの宮廷や貴族たち、
聖職者たちのためのみならず、周辺諸国の貴顕たちの
注文にも応えて制作を行うなど、華やかなキャリアを築きました。

わずか40数年の生涯に残した作品の数は1400点以上にのぼります。
当時の喧騒が今にも聞こえてきそうな祝祭や市の様子、
民衆喜劇(コメディア・デラルテ)の役者たちや道化たちを描いたもの、
対抗宗教改革の潮流を映した作品群、
社会を暗い影で包んだ戦争に取材したもの、
イタリアや1630年頃に滞在したパリ、故郷ロレーヌの風景・・・、
多彩な主題を扱った画面の中では、現実に向けられた鋭いまなざしと、
想像力に富んだ着想が交錯する、独特の世界が作り上げられています。

また、カロは試行錯誤を重ね、腐食銅版画(エッチング)の技法に
新境地を開いたことでも知られます。
この新しい技法から生み出された、ときに明暗を鮮やかに対比し、
ときに柔らかな空間の広がりを詩情豊かに描き出す
線の表現の美しさは、見るほどに深い驚きをもたらします」。


6月15日(日)まで。


チラシ 裏