十二月大歌舞伎 夜の部 @ 新橋演舞場 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

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千穐楽、当日券があるとのことで、

急遽観劇することに。


夜の部、お目当ては菊之助の八橋、

菊五郎の次郎左衛門、三津五郎の「奴道成寺」。


花道のすぐ隣だったので、

役者さんたちの出の息遣いを目の当たりに。


菊之助、ただただ綺麗。

お職の太夫というより、ドップアイドルの意気の良さ、か。

あの「微笑」もわりとあっさり、と。


菊五郎の次郎左衛門、見たことのない型なのかも。

あの「微笑」に身も心も奪われた朴訥な人物が、

入れあげ、身請けするまでになり、

一転、八橋に愛想づかしをされ、

ついに殺しへ。


花屋の二階の場、すでに殺意を秘めているというより

殺す気十分、足袋を脱ぎ、名刀「籠釣瓶」を隠し持つ。

(置屋へなぜ刀を持って上がれた?)


斬られ、仰け反り倒れる(イナバウワー?)

姿態も美しい。


「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」、

わたしにとって、この狂言は

八橋・玉三郎、

栄之丞・仁左衛門

次郎左衛門・勘三郎

あの舞台が忘れられない。


「奴道成寺」、これは初めて。

なにしろ三津五郎がいい。

その手のひとさし、

その足の軽やかなこと、

もう目は釘付けになる。

こちらを堪能した。もうもう拍手喝采。


白拍子花子、じつは狂言師左近。

男が「道成寺」を踊るという趣向。


師走の一日、楽の日を楽しんだ。



一籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)

   序 幕 吉原仲之町見染の場
  
   二幕目 立花屋見世先の場
      
       大音寺前浪宅の場
  
   三幕目 兵庫屋二階遣手部屋の場
       
       同  廻し部屋の場
       
       同  八ツ橋部屋縁切りの場
  
   大 詰 立花屋二階の場

              佐野次郎左衛門  菊五郎
                  八ツ橋  菊之助
                 下男治六  松 緑
                   七越  松 也
                   九重  梅 枝
                   初菊  右 近
                 遣手お辰  歌女之丞
                絹商人丈助  亀 蔵
               絹商人丹兵衛  秀 調
               立花屋おきつ  萬次郎
                 釣鐘権八  團 蔵
                繁山栄之丞  三津五郎
               立花屋長兵衛  彦三郎



二、 奴道成寺(やっこどうじょうじ)

         白拍子花子実は狂言師左近  三津五郎
                   所化  亀三郎
                   所化  亀 寿
                   所化  宗之助
                   所化  萬太郎
                   所化  右 近