千穐楽、当日券があるとのことで、
急遽観劇することに。
夜の部、お目当ては菊之助の八橋、
菊五郎の次郎左衛門、三津五郎の「奴道成寺」。
花道のすぐ隣だったので、
役者さんたちの出の息遣いを目の当たりに。
菊之助、ただただ綺麗。
お職の太夫というより、ドップアイドルの意気の良さ、か。
あの「微笑」もわりとあっさり、と。
菊五郎の次郎左衛門、見たことのない型なのかも。
あの「微笑」に身も心も奪われた朴訥な人物が、
入れあげ、身請けするまでになり、
一転、八橋に愛想づかしをされ、
ついに殺しへ。
花屋の二階の場、すでに殺意を秘めているというより
殺す気十分、足袋を脱ぎ、名刀「籠釣瓶」を隠し持つ。
(置屋へなぜ刀を持って上がれた?)
斬られ、仰け反り倒れる(イナバウワー?)
姿態も美しい。
「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」、
わたしにとって、この狂言は
八橋・玉三郎、
栄之丞・仁左衛門
次郎左衛門・勘三郎
あの舞台が忘れられない。
「奴道成寺」、これは初めて。
なにしろ三津五郎がいい。
その手のひとさし、
その足の軽やかなこと、
もう目は釘付けになる。
こちらを堪能した。もうもう拍手喝采。
白拍子花子、じつは狂言師左近。
男が「道成寺」を踊るという趣向。
師走の一日、楽の日を楽しんだ。
一籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
序 幕 吉原仲之町見染の場
二幕目 立花屋見世先の場
大音寺前浪宅の場
三幕目 兵庫屋二階遣手部屋の場
同 廻し部屋の場
同 八ツ橋部屋縁切りの場
大 詰 立花屋二階の場
佐野次郎左衛門 菊五郎
八ツ橋 菊之助
下男治六 松 緑
七越 松 也
九重 梅 枝
初菊 右 近
遣手お辰 歌女之丞
絹商人丈助 亀 蔵
絹商人丹兵衛 秀 調
立花屋おきつ 萬次郎
釣鐘権八 團 蔵
繁山栄之丞 三津五郎
立花屋長兵衛 彦三郎
二、 奴道成寺(やっこどうじょうじ)
白拍子花子実は狂言師左近 三津五郎
所化 亀三郎
所化 亀 寿
所化 宗之助
所化 萬太郎
所化 右 近