
エヴァ・ロダン
「手の痕跡」展を観に、西洋美術館へ。
館所蔵のロダンとブールデルの彫刻作品と素描。
松方幸次郎コレクションの中心をなしていた由。
これらの作品が西洋美術館の核として成立したとのこと。
ロダンの、ブールデルの作品を
これほどまとまって観ることができる、
いい機会となった。
「花子」、「接吻」などかつてみたものなど、
点のロダン作品。
「ロダンの父」の胸像に惹かれた。
右、左、正面で厳しさ、慈愛、など表情がかわる、かに。
胸像はこちらが観るというより、
彫像の内からのエネルギーが視線をとおして横溢し、
かえって「見られている」ような。
どの角度からみることのできる彫像の
なまなましさに、畏れを感じてしまう。

かの「考える人」もじっくりと対面。
思いのほかこぶり。
この「考える人」が中心になってできているのが「地獄の門」。
館の前庭に設置されているが、
ライトアップをされ威容をみせる。
これも原型の作品化をすすめたのは松方であったとか。
2013年1月27日(日)まで。
弓を引くヘラクレス・ブールデル
◆ホームページ
国立西洋美術館では、現在、ロダン彫刻58点、
ブールデル彫刻11点を所蔵しています。
これらは、当館の彫刻コレクションの中核を占めるだけでなく、
国内所蔵のロダンとブールデルの作品としても質、
数の両面から貴重なものです。
ところが当館ではこれまで常設展示でその一部をご紹介してきただけで、
これらを一堂に展示する機会がありませんでした。
今回は、素描、版画を含め所蔵のロダン、
ブールデル作品を中心に約90点を展示します。
1840年生まれのロダン、それより21歳若いブールデル。
ともにフランス近代彫刻史上に個性を輝かせた作家です。
社会や文化が足早に近代化を遂げるなかで、
独自の表現を獲得し彫刻家としての道を切り開いたロダン。
そのロダンのもとで一時は下彫り工として働き、
その彫刻に最も近く接したブールデル。
ロダンにとってブールデルは、
才能豊かな次世代の彫刻家であり、
ブールデルにとってロダンは学ぶべき師であると同時に、
乗り越えるべき先人でした。
両者の関係を探っていくと、
こうした個人的な交流に根ざした作品への影響だけではなく、
この時代の彫刻制作の現場のあり方、
彫刻における複製やオリジナリティについての考え方が見えてきます。
前庭に常設されているロダンとブールデルの
彫刻は国立西洋美術館の顔ともいえるもの。