「鯰絵とボードレール」という
不思議な展覧会を見に鎌倉へ。
「この前はいつ?」
というくらい久しぶりの鎌倉。
人込みの小町通をぬけて神奈川近代美術館は
八幡宮の一角に佇んで。
ちょうど蓮の見ごろ。
白蓮やほのかに紅をはいた蓮が美しい。
「気谷誠の眼」というサブタイトルでわかるように
西洋古書や蔵書票などのコレクター気谷の
コレクションの展示。
ホームページによると
「このたび寄贈を受けた気谷誠(1953-2008)コレクションのなかから、
氏自身研究者として知られ、個人コレクションとしても出色の、
地震を起こした大鯰の姿を多数描いた鯰絵や、
明治期の銅版画など約40点を厳選して展示します。
さらに、19世紀フランスの詩人シャルル・ボードレール(1821-1867)と
同時代に生きた銅版画家シャルル・メリヨン(1821-1868)の
研究者でもあった気谷氏が愛蔵した19世紀の西洋版画などを約30点。
それに加えて、気谷氏と交流を深め、ともにメリヨンを考察し、
そこから触発、創作された木口木版画家柄澤齊(1950-)の
作品群も展示します。
本展は、鯰絵と西洋版画に造詣の深かったコレクター気谷誠の世界を
紹介する展覧会です。」

「面白くあつまるひとが寄りたかり」 国芳(?)
安政の大地震、それを鯰が揺らしたと
鯰を恵比寿がやっつけたり、
鹿島明神がとりおさえたり、
はては地震のおかげで仕事がふえた
大工や職人、商人を揶揄したりの鯰絵。
政府批判にも発展し、
鯰絵は2、3ヶ月で取り締まられた由。
この解説もすべて気谷による。
絵にある詞書も(解説を読むと)
面白そう。
href="http://stat.ameba.jp/user_images/20120811/20/bashouza/21/47/j/o0255033812129065212.jpg">

「ボードレール」柄澤齊
もうひとつの柱のボードレール。
木版画家・柄澤齊の作品も見ることができた。
じつに線が精緻。
平面の絵(巴里の風景)を立体的に
見ることのできる眼鏡というか、
レンズ(これも気谷コレクション)も展示。
9月9日まで。
気谷のブログを偶然みつけ、
愛読していたのだが、急な病気で帰らぬ人に。
いちど出したブログはそのままあるのも不思議。
気谷誠 ビブリオティカ グラフィカ」
http://bibliotheca-g.jugem.jp/?eid=54