バセドウ病と無痛甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)とヨウ素(ヨード)の関係 | 甲状腺と予防栄養学の管理栄養士Acco MUKAWAの「栄養カルテ」

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バセドウ病・橋本病のダイエットと体質改善のための食事療法

無痛甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)がテレビで取り上げられたようですね。

 

ヨウ素を多く含む食品を食べ過ぎると、甲状腺の細胞が炎症を起こし無痛甲状腺炎になる恐れがあります。

 

無痛甲状腺炎になると甲状腺機能亢進症の症状が出ます。動悸や息切れ、発汗や急激な体重減少等を伴います。

 

これは、症状は似ているもののバセドウ病とは異なり、一過性です。通常は、数か月で自然に症状が治まると言われています。


破壊性甲状腺炎と無痛甲状腺炎は同じ症状を示しています。甲状腺の細胞が破壊されることから「破壊性」と呼ばれることがあるようです。何だか怖いですね。でも、本当に怖いのです。

 

ヨウ素を多く含む昆布等の過剰摂取が続けば、無痛甲状腺炎を繰り返してしまう恐れがあります。すると、甲状腺の細胞の破壊が進み、やがては治らなくなってしまいます。


ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になる大切な栄養素です。しかし、意識しなくても基本的には日本人の日常の食事に含まれています。よほどかたよった食事をしている方は、ひょっとすると不足してしまうかもしれません。通常は、あえて沢山食べようとする必要はありません。むしろ、海藻好きの方は食べ過ぎに注意が必要です。

昆布が好きな方は、多くの場合、ヨウ素をとりすぎています。


昆布や海藻を食べるのなら、週に2回程度にしておきましょう。

最後に、これを読んで心配になった方もいるかも知れないので補足です。

 

バセドウ病=昆布の食べ過ぎではありません。昆布を止めたからといってバセドウ病が治るものでもありません。ただ、バセドウ病の方はヨウ素のとり過ぎによる負担が大きく出るのではないかと言われています。また、バセドウ病の服薬治療中にヨウ素の含むものをたくさん食べると急激に低下症に進んでしまいます。バセドウ病の方もヨウ素の食べ過ぎに注意しましょう。