昔、シカゴ・ホワイトソックスのトライアウトに合格してマイナーリーグのキャンプに参加した時、ダウンスイングしろと言ってくる打撃コーチと喧嘩した。

 

2009.01.04「アメリカへ(5)」

 

「あのテッド・ウィリアムズが言ってんだからアップスイングする」と言ったら、「テッドはパワーがあったからそうしたんだ」と言う。

 

「パワーに関係なく、マウンドから下向きに入ってくる投球に対してバットを中心衝突させてライナーを打つには、投球線に沿ったアップスイングが合理的だろ!」と言い返したかったが、僕のカタコト英語では無理だった。

 

その後、シート打撃で左中間に3打席連続3塁打を打って「アップにスイングしたけど」と言ったら超険悪なムードになった。あせる

 

まだ契約もしてない招待選手の身分で大きく出たものだ。

 

この一件が29年前のことで、テッドが『The Science of Hitting』を書いたのが55年前(翻訳書『バッティングの科学』出版が48年前)のこと。

 

 

同書の中で彼は打撃のメカニクスに関して

 

●スイングを始動させるのも先導するのも腰の動き(hip action)であること

●インパクトで手首を返さないこと

●ボールにパワーを伝えるのはトップハンドであること

●インパクト時、体重は両足に均等にかかっていること(だが、本人は前足にしっかり体重をかけて打っていた)

 

を説いているが、最もユニークで革新的だったことは29年前、喧嘩の火種となった【アップスイング】だ。

 

『バッティングの科学』52頁の図↑が示すように、投球は約5~15度下向き(内)になるから、スイングは少しアップ(水平より10度ほど上向き)にしたほうがいい。

 

そうすることで、同書50頁の図↓のようにインパクトゾーンが広くなるというわけだ。

アップスイング

 

テッドが活躍した1940~50年代は「バットは水平に振るもの」という時代だったから、彼のアップスイング理論もスイングを横から見た2次元の解説になっている。

 

しかし、実際のスイングは3次元の軌道なので、本当のアップスイングの実践方法はこちらを参照されたし。

 

2016.11.25「打撃のエッセンス(8) 投球線とスイング面」

 

おっと、前置きが長くなったので、本題は次回に。