2023年シーズンはリーグ3連覇を達成し、今シーズンはリーグ4連覇、日本一奪回を狙うオリックスバファローズ。
今オフは絶対的エースだった山本由伸がメジャーへ移籍し、またFA権を行使していた山﨑福也も退団。また外国人投手は昨年在籍していたコットン、ニックス、ワゲスパックが自由契約となっており、総入れ替えは確実。
昨年11月に外国人投手としてアンドレス・マチャドの獲得を発表したものの、それ以降は外国人選手獲得などの情報はなかなか出てきていない状況でした。
そんな中で1月16日、昨年サンディエゴ・パドレス3Aで28試合に登板し、メジャー通算7試合に登板した経験を持つアンダーソン・エスピノーザ投手と契約を結んだと発表しました。
オリックスがエスピノーザ投手を獲得 昨季はマイナーで28試合に先発(BASEBALLKING)
オリックスは16日、アンダーソン・エスピノーザ投手の獲得を発表した。背番号は『00』に決まった。
エスピノーザは25歳の右腕で、昨季はメジャーでの登板はなく、カブス時代の22年に7試合・18回1/3を投げて、0勝2敗、防御率5.40。昨季はマイナーで28試合・131回2/3を投げ、8勝9敗、117奪三振、防御率6.15だった。
今回はオリックスが獲得を発表したアンダーソン・エスピノーザについて紹介します
トッププロスペクトとして将来を嘱望された右腕も2度のトミージョン手術を経験
アンダーソン・エスピノーザはベネズエラ・カラカス出身の25歳。右投右打の投手です。
2014年8月15日にボストン・レッドソックスと16歳でプロ契約を結び、入団。
2015年に傘下ルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・レッドソックスでプロデビュー。その後はアメリカ本土のルーキー級や1Aでもプレーし、3球団合計で15試合0勝2敗、防御率1.23、65奪三振を記録。
2016年は1Aで開幕を迎え、17試合5勝8敗、防御率4.38、72奪三振を記録。同年7月14日に交換トレードでサンディエゴ・パドレスへ移籍した。
移籍後は1Aでプレーし、8試合1勝3敗、防御率4.73、28奪三振を記録し、移籍前を含めた合計で25試合6勝11敗、防御率4.49、100奪三振を記録した。
2017年にMLB.comが発表したプロスペクトランキングで球界全体19位、球団内1位にランクイン。活躍が期待されたものの、4月に右肘の故障で離脱し、7月には右肘のトミージョン手術を受けて、シーズンを全休した。
2018年も右肘手術の影響でシーズンを全休。オフの11月20日にルール・ファイブ・ドラフトによる流失を防ぐために、40人枠入りした。
2019年は2度目の右肘のトミージョン手術を受けた事でシーズンを全休した。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でマイナーリーグの開催が中止となり、公式戦の登板はなかった。
2021年5月3日に1A+で1709日ぶりに実戦復帰を果たし、12試合0勝1敗、防御率5.02、37奪三振を記録。同年7月30日に交換トレードでシカゴ・カブスへ移籍した。
移籍後は2Aでプレーし、3試合0勝0敗、防御率1.35、16奪三振を記録し、移籍前を含めた合計で20試合1勝3敗、防御率4.19、80奪三振を記録した。
2022年5月30日にメジャー契約を結んで、アクティブ・ロースター入りし、当日の試合でメジャーデビュー。この年はメジャーで7試合0勝2敗、防御率5.40、16奪三振を記録した。オフの11月30日にFAとなり、12月15日にサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結んだ。
2023年は3Aでプレーし、28試合8勝9敗、防御率6.15、117奪三振を記録した。オフの11月6日にFAとなった。
シーズン成績
上記はアンダーソン・エスピノーザのシーズン成績です。
メジャーでは2022年にデビューを果たし、7試合0勝2敗、防御率5.40、19奪三振を記録しています。ただメジャーでの登板はこの年だけに留まりました。
今季は3Aでプレーし、28試合8勝9敗、防御率6.15、117奪三振を記録しています。エスピノーザが今季プレーしていた3Aのチーム、エルパソは標高が高い地域に本拠地があり、屈指のヒッターズパークです。ある程度防御率は差し引きが必要と言えます。
武器と言えるのは奪三振率の高さで通算9.3K/9(426.2イニング/440奪三振)を記録しており、イニング数を超える三振を奪えるだけの力はあると言えます。
一方で制球力の課題は明確で、メジャー通算7.9BB/9(18.1イニング/16四球)やマイナー通算4.2BB/9(426.2イニング/198奪三振)となっています。
原因として考えなければならないのは2度のトミージョン手術の影響。
2017年に一度目のトミージョン手術を受け、2019年に2度目のトミージョン手術を受けたと見られ、約5年間公式戦での登板から離れていました。
実戦復帰後のBB/9の悪化を考えると、手術以前以後で何らかの変化があったと考える必要がありそうです。
ストレートが投球の軸もスピンレートが低い傾向に
上記がアンダーソン・エスピノーザの球種別成績です。
1シーズンしかメジャーでプレーしておらず、データとしては乏しい部分もありますが、ストレートを軸にスライダー、カーブ、チェンジアップを投じています。
ストレートですが、最速155.9キロ、平均151.2キロを計測しています。被打率.190と数字上は優秀です。ただスピンレート1904とMLB平均を大きく下回るなどボールの伸びがやや乏しい印象。
これが原因で空振り率が低くなっていると考えられます
プレー映像
2017年にはMLB.com選定のプロスペクトランキングで全体19位、球団内1位にランクインするなど将来を嘱望されていましたが、2度のトミージョン手術を受けるなどし、約5年も実戦を離れてしまったという過去があります。
復帰後にはメジャーでのマウンドを経験したものの、定着には至りませんでした。ただ素材と言う部分では光るものがあり、25歳と言う年齢もまだまだ伸びる印象があり、磨き上げていきたい存在です。