皆様こんにちは。沙貴 誉 (さき ほまれ) です。
『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海&新たなる戦いの序曲』も、上映終了となりました。
コロナが流行して以来、全く映画館へは行かなかったので、久しぶりに大スクリーンと高品質な音響で映画を楽しめて、良い時間を過ごせました。
それでは早速、私の感想を続けて書いてみます。
ネタバレがありますので、注意して下さい。
重要な登場人物が、続々登場!
『新たなる戦いの序曲』では、『わが征くは星の大海』と比べて、重要な人物が沢山登場します。
前回紹介したラップとジェシカ、そしてラインハルトの姉アンネローゼ、ヤンの被保護者のユリアン、ヤンの先輩のキャゼルヌ、帝国皇帝の娘婿ブラウンシュヴァイク公、フェザーン自治領の領主ルビンスキー等が登場します。
ラインハルト、キルヒアイス、アンネローゼの3人のシーンでは、わんぱくで少年ぽいラインハルトが描かれています。
氷の貴公子のようなラインハルトが心を開けるのは、アンネローゼとキルヒアイスの前だけなのです。
私は以前はあまりアンネローゼには感情移入をしませんでしたが、人生で色々と経験を積んでいる今は、アンネローゼがラインハルトの生き急いでいる様子を心配しているシーン等は、何だか一番心に響いてきます。
そしてアンネローゼ役の声優さん、潘恵子さんなのですが、素晴らしいですね。一言一言がやはり深いです。
潘恵子さんと言えば、私は『聖闘士星矢』のアテナを思い浮かべます。
ラインハルト役は堀川りょうさんなので、ついつい瞬とアテナを連想して楽しんでいる自分がいます(笑)。
それと、ユリアンが『新たなる戦いの序曲』に出演していて、私は非常に嬉しかったです。
ユリアンは戦争孤児です。自由惑星同盟の戦争孤児への法律により、ヤンに引き取られる事となりました。
ユリアンは文武両道でしっかり者、特記すべきはハイレベルな家事能力です。
ヤンがフレデリカと結婚するまでは、ユリアンが家事全般においてヤンの面倒を見ていたという感じです。
うちにもユリアンがいて欲しいと、私は何度思った事か(笑)。
ちなみに、フレデリカは料理不得意です。私はとても親近感を抱きます(笑)。
ユリアン役の声優さんは、佐々木望さんです。
佐々木望さんと言えば、私がすぐに思い浮かべるのは、『鎧伝サムライトルーパー』の水滸のシン、『ここはグリーン・ウッド』の蓮川一也ですかね。
懐かしい、『ここはグリーン・ウッド』のスカちゃん。私はスカちゃんも好きですし、光流先輩も大好きでした。
佐々木望さんは、数年前に大学を卒業したような話を、ネット上で見たことがあります。
私はそのネット記事か何かを読んで、年齢に関係なくチャレンジ精神旺盛なその姿に、勝手に励まされた気持ちになった事があります。
年齢に関係なく、やりたい事にチャレンジしたいなと思います。
アスターテ会戦~玉砕は是か非か
『新たなる戦いの序曲』では、帝国軍と同盟軍との戦争があります。
それが、「アスターテ会戦」です。
ラインハルト率いる帝国軍を、2倍(だったかな?)の兵力の同盟軍が、3方向から包囲しようとします。
しかし、まだ包囲網は完成されていません。
ラインハルトはこれを各個撃破の好機とみなし、まずは同盟軍第4艦隊を殲滅、次にラップの所属する第6艦隊をも殲滅しました。
残りの第2艦隊だけは、ヤンの作戦のもとに殲滅を免れました。
で、私が思わず考えてしまったのは、ラップの所属していた第6艦隊での出来事です。
帝国軍に圧倒された第6艦隊。
もう勝負はついたので、キルヒアイスはラインハルトに、第6艦隊に対して降伏を呼びかけたらどうかと進言します。
ラインハルトはそれを聞き入れて、第6艦隊に降伏を呼びかけます。
しかし第6艦隊の内部では、指揮官は降伏を拒絶します。
生きて囚われるような辱めを受けてたまるか、という感じの言い分だったと思います。(記憶が曖昧なので、違っていたらすみません)
武人魂を見せてやる、玉砕だ、という意気込みです。
ラップはそれに反対します。
生きていればこそ再戦が叶う、玉砕など無駄死にだ、あなたの自己満足に将兵を巻き込むな、という感じの主張です。
しかし最終的には指揮官の命令で玉砕を決行し、第6艦隊は帝国軍に殲滅されてしまいます。
ラップはジェシカとの結婚を目前にして、戦死してしまいます。
このシーンを観た時、私は深く考えずにはいられませんでした。
第6艦隊の指揮官のような自己満足で多くの味方を道連れに玉砕するのは言語道断ですが、ただ、玉砕という選択をする人は確実に存在するだろうな、と思いました。
相手がラインハルトだったら、たとえ捕虜となっても捕虜として適切に扱ってくれるだろうし、寛大な処置もしてくれるでしょう。
しかし、誰もがラインハルトのような清廉潔白な人間ではないのです。
捕虜を捕虜として扱わずに、暴力や虐待を行う人々もいないとは限りません。
いっそ玉砕で死んだ方がマシだった、と思うような悲惨な目に遭わないとも限らないのです。
それに、たとえ捕虜として適切に扱われて寛大な処置もしてくれてやがて母国に帰還できたとしても、母国に帰還できて幸せになれるとは断言出来ません。
可能性のひとつとして母国から、「裏切り者」「売国奴」「敵国のスパイ」等との扱いをされる事も考えられます。
それが自分だけに向けられるのならばまだマシだけれど、大抵の場合は家族や親戚にも向けられる可能性も全く無いとは言い切れません。
裏切り者の家族だ、売国奴の子供らだ、敵国のスパイの親戚だ、等と、人々から酷い扱いをされるかもしれません。
家族に迷惑を掛けるくらいならば、戦死した方がマシだ。と思う人が出てきても不思議ではありません。
戦死だったならば、たとえ戦争という国の政策の犠牲にはなっても、国を守って死んだという事実は消えない。
世間から白い目で見られる、という理不尽からは逃れられます。
しかし、全ての場合がそうでは無いけれども、降伏して捕虜となって帰還するならば、それこそあらゆる恥辱や困難が待っているかもしれないのです。
どのような恥辱や困難を受けても、立ち上がってみせる。という強靭な意思が必要になる場面も出てくるかもしれません。
とは言え、ラップが主張したように、玉砕する理由が指揮官の自己満足のためならば、将兵の命を軽視した無駄死にです。
冗談ではないと思います。何で指揮官の自己満足のために犠牲にならねばならないのか、理不尽の極みです。
これがもし、責任は全て自分が背負うから将兵の命を守りたい、という指揮官だったら、その後の道は拓けたかもしれません。
生きてさえいれば、未来の可能性は無限にあるのですから。
やはり指揮官には、人間力が必要だという事でしょう。
玉砕は是か非か。
難しいですね。
本当に、難しいと思います。
可能ならば、玉砕派と降伏派に分かれて、それぞれの思う方向に進むという解決案がベターなのかな?、とは思いますが。
ただ極限状態の戦場で、玉砕派と降伏派に分かれる余裕はあるのかな?、とも思うのですが。
本当に難しいと思います。
私の結論。
玉砕が是か非か、そのどちらであっても、戦争は犠牲が大きすぎる。戦争はしてはいけない。私は平和を目指したい。
そう心から思いました。
『新たなる戦いの序曲』の感想は、以上になります。
最後は重いテーマになってしまいましたが、“戦争”がこの世にある限り無視できない問題だなと思いますので、素直に書いてみました。
現在も戦争は世界で勃発していますし、万が一台湾事変があったら、日本も他人事ではありません。
私は平和が良い。全ての人々が平和であって欲しい。
まずは自分の心の平和から、だと思います。
一歩一歩、学んでいきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
愛と平和と喜びが皆様と共にありますように