吟遊舞踏苦労狂 Bard Ball Chronicle~競技ダンス冒険譚~ -30ページ目

吟遊舞踏苦労狂 Bard Ball Chronicle~競技ダンス冒険譚~

理想を語るだけのヘタッピ中高年による
競技ダンス冒険譚、幻想譚もとい妄想譚
『ファンタジーとダンスが交錯する世界』
のつもりで書き始めましたが
気づいたら普通の(変な)ダンスブログになっていました

 昨日はジャイブを習いました。主に踏み込む足の重要性について。

 

 「上にあがる動きで音を捉えるのが課題」な僕だからこそ、あらためて床への踏み込みを見直す機会を貰って、充実でした。 

 

 話は変わって、フラメンコ時代の先生の、かなり昔のブログより。

 

「毎朝のようにすれ違う二人の若い女性がいる。二人とも走っている。一人は、一流メーカーのランニングシューズとウェアを着用し、正しく美しいフォームで颯爽と走っている。もう一人は、(食パンを咥えてこそいないものの)いかにも会社に遅刻しそうな様子で、ボサボサ髪とヨレヨレ服で駅に向かって必死で走っている。さて、これがフラメンコ舞踊だとしたら、どちらの踊りを観たい? 正しさ、上手さは大事。颯爽と走っている女性も素晴らしい。でも、踊り手の人生を皆は舞踊の中に見たいんだよね」

 

 だいたい、こんな内容。

 

 これを、そのまま競技ダンスに当てはめることは出来ないし、当てはめる必要もありません。そもそも、(一概には言えませんが)フラメンコも競技ダンスも技術あっての表現です。

 

 また話は変わって、今日の僕。

 遅刻しそうだったので、駅まで走りました。

 

 気づいたのは、

 “僕の頭は上下しすぎ!”

ということ。

 上下運動したってロクに進まず、疲れるだけなのにね。

 

 きっと僕は、

「頑張って走っています!」

を、誰に見せている訳でもないのに、何かに向かってアピールしていたのです。

 仮に誰かが「あいつ頑張って走っているな」と思ってくれても、それで駅に早く着ける訳ではないのにです。

 「激しい上下運動=疲れる=頑張っている=駅に早く着く」

 という無意味な幻想があったのです。

 

 踏み込んだ力で体を前方に送れば、その分早く駅に着くんです。

 「もっと速く! もっと早く!」と。

 

 競技ダンスも、そうやってちゃんと正しさを追求しながら、必死で

 「もっと上手く! もっと強く!」

と足掻いていると、踊りの中に人生が見えてくるのかもしれません。

 

 ちなみに上下運動といえば。

 むか~し、初めてサンバのクルザードウォークを習った時。体勢は妙な前傾になっていて、緊張で両手首が曲がって固まっていて、無駄に送り足を意識していて、頭をピョコピョコ上下運動させていたので、

「ティラノサウルスの赤ちゃん!」

と、笑われたことがありましたとさ。

 本日の大さん橋。C級スタンダード。

 

 危なかった!(冷や汗)

 

 僕の背番号は△△番だったのですが、訳あって一つ後ろの○○番だと勘違いしてしまったのです。

 

 もちろん、渡されたゼッケンは△△番なので△△番を付けて踊ったのですが、自分では○○番を付けてるつもりで踊っていました。

 

 一次予選が終わって、

「さすがに一次敗退は無いだろう」

と思っていたので、二次予選開始前まで一次予選結果掲示は見に行きませんでした。

 

 二次が始まるホントの直前に、二次のヒート表を確認しました。

 

 残念ながら僕の△△番は有りませんでした。

 

 普通なら「落ちてた! 残念!」で終わるのですが…

 そう。二次ヒート表に有る○○番を見て、上がったと思ってしまったんですね。

 

 パートナー様に「(番号)有った?」と聞かれ、

「有るに決まってんじゃん。2ヒート目だからね」

と言ったところで、そばにいた知人が変な表情に…

 

 妙な空気を察知した僕はパートナー様に、

「ウチら何番だっけ!?」

と慌てて確認して、無事(?)、自分の立場を理解することが出来ました。

 

 危うく、二次予選の2ヒート目に悠々と入場して踊り始めるところでしたよ。

 「もし、そうなっていたら…」を想像してしまいます(恐)。

 

 異変に気づくジャッジ達。一人のジャッジが本部席に確認に行く。曲が止まる。司会者が背番号を読み上げる。

 

 司会者は僕に「あなた落ちてますけど」って、どんな言葉で告げるんだろう…?

 

 「およびでない? およびでない。およびでないね。

  こりゃまた失礼しました!」

 と退場したら、みんなズッコケてくれるんでしょうか。

 

 と、おちゃらけていますが、非常に不甲斐ない!

 頂けた点数と頂けなかった点数の意味をしっかり考えます。

 精進します!!

 それはそれは綺麗な光景でした。

 

 4月16日の財団B・C級戦。産業貿易センター浜松町館。

 5階が競技会場で、4階が控室でした。

 

 C級プロラテン決勝を観終わって、B級アマラテン準備のために下りのエスカレーターに乗りました。

 

 僕が下る左横。上りのエスカレーターには、控室から競技に向かうB級プロスタンダードの選手たちの背中、背中、背中…。

 

 息を呑みました。

 

 一段ずつ、パートナー、リーダー、パートナー、リーダー…

 エスカレーターの幅は一人用なので、左右の隙間もなく、

 規則正しく、ドレス、燕尾、ドレス、燕尾、ドレス、燕尾…

 

 赤、黒、緑、黒、白、黒、青、黒、黄、黒…

 

 選手は既に姿勢が試合モードですが、荒ぶらない研ぎ澄まされた闘志で前後の選手を牽制し合っている様子。

 そして、衣装の高級さもあってか、優雅。

「C級君たち、終わりましたか? 今から私たちが本当の舞踏会を始めますよ」

と言っている様な行列を、エスカレーターがスローフォックストロットの流れのように運びます。

 

 美しさを通り越した不気味さを放つ行列は、まるで狐の嫁入り。

 

 窓の外も、晴天と雨降りを繰り返していました。