これまでの話
「僕と一緒にSHINDEくれる?」
埠頭に停めた車の中で、突然、私はイケメン君にそう言われた。
どう返事していいか、私は一生懸命言葉を探した。
けれども、イケメン君にかける言葉がみつからなかった。
イケメン君の瞳に私の顔が映っていた。
この日はイケメン君の誕生日だった。いつ彼の誕生日を知ったか、考えてみると、2人で飲みに行った日だった。
例によって誕生日に会う予約をしていた私。
下宿は呼び出し電話だったので、イケメン君の実家の電話しか知らなかった。
いつも彼からの電話待ち。
友だちだからと線をひかれても
イケメン君からの電話が楽しみだった。
誕生日のプレゼントを手に彼が車で迎えに来てくれるのを家の近くで今か今かと待っていた。
30分経っても40分経っても彼は約束の場所に来なかった。仕方がないので、家に戻っていた。しばらくすると、今近くまで来たからと電話が入った。
無言でこの埠頭まで来た。そして、いきなり衝撃的なことを言われたので、何が何だかわからない。
こんなところで心中なんてまっぴらごめんなんだけど・・・
しばらくの重苦しい沈黙の時間が流れた。そして、ポツリポツリと事の顛末をイケメン君が話し出した。
私との待ち合わせの場所に来る前に、
自分の過失で交通事故をおこしていた。
バイトでやっと買った中古の車だったので、相当ショックだったようだ。事故自体はそんなにひどくはなかったようだったが・・・・・・
こんな弱いイケメン君を見るのは初めてだった。惚れた弱みで結構私にはいつも強気の発言をしていたのに。
でも、私は正直嬉しかった。
イケメン君の弱さにはじめて触れてイケメン君との距離が縮まった気がした。イケメン君の心を支えてあげたいと思った。
サザンの「チャコの海岸物語」が流れていた・・・・
気がついたらイケメン君に心をゆだねていた・・・・
結局わたしの恋は
イケメン君の気の迷いのせいで
友だちに戻る事も出来ず、だからといって恋人に進むことも出来ず・・・・・
同情でお付き合いしてもらおうとは思わなかった。
儚くも関門の海に散りました。
何も言わずに海に車ごとドボンとかされんでよかった。
彼は今でもこの日のこと覚えているでしょうか?
私の人生のなかで言われた一番衝撃的な言葉です。
おまけ
実は、35歳の時、彼の消息を偶然聞くことになりました。
職場の同僚がイケメン君の高校の同級生だったのです。
高校の話をしている時、さりげなく、イケメン君の名前を出して、聞いてみたら、
あんまり印象が良くなかったみたいで、ボロクソ言われました。オッホッホ
「どうして、知っているの?」と聞かれて、適当にごまかしてしまった私です。
いえません。この話。
別れる時、彼と1つだけ約束しました。
偶然街であったら、笑顔で挨拶しようねって。
もう、今更会いたくありませんが。
多分街でですれ違っても気づかないでしょうね。
あまりにも私の体型がかわっているので。
長々とおつきあいありがとうございました。
Facebookはこちらでございます
⇒https://www.facebook.com/barbara.chizuru.fukuda
instagramはこちらでございます⇒https://www.instagram.com/chizusha/
ツイッターはこちらです
⇒https://twitter.com/nagareboshi1960
すべてのお問い合わせ・お申込み
メールはyumeginga2525@yahoo.co.jp
電話は093-645-5352
(留守番電話対応の場合あり 連絡先を入れてくだされば折り返し連絡させていただきます!)
しゲさん【藤繁和】さん製作のジングル
バーバラふくだのCMソング