この話には続きがあって
映画に行ったその日の夜に
なんと、2人で飲みに行ったんです。
成人の日だった。
嬉しかったのだけ覚えてる。
小倉駅に帰りながら紫川のほとりで話した。
飲みに行ってからしばらくして電話がかかってきて
すぐに2月14日の予約をした。誰にも邪魔されないうちに。
というのもクリスマスに私の後輩が彼にマフラーを渡していたのだ。もちろん彼は一部始終私に報告してくれた。
「私は彼と2人で飲みに行ったのよ。」
言いたいけど、とても彼女には言えなかった。
一体何人の女性を泣かせてるんだ?
罪作りな男。
2月14日は日曜日だった。
彼が車で家の近くまで迎えにきてくれた。
彼と2人でドライフすることが嬉しくて。
私だけに微笑んでくれる横顔が優しくて。
けれども、彼はただの友だちなんだと自分に言い聞かせて・・・・・
それが、切なくもあった。
山陰の海沿いを車は走った。
海がキラキラ光って見える。
私の心もときめいていた。
彼を独り占めに出来る幸せ。
お昼をどうしたか?
実は覚えていない。
チョコレートを渡したら、彼は照れていた。
帰り道、ラブリーなホテルが2・3軒あった。
突然、彼がウインカーを出した。
「ちょっと待って、何、何・・・・・」
焦る私。
入ったんですか?って。
気になりますよね。
答えはノーです。
私がどんな反応を見せるか見たかったそうだ。
それにしても危険な男だ。
「対向車のおっさんからにやりとされた」
と話す余裕はなんだ。こっちはあれほど焦ったのに。
本心で言ってるのかは不明だったが、
彼の口癖は
据え膳食わぬは男の恥
がちらっと頭をかすめた。
私がいつ誘惑したと言うのか?
彼の大学の近く通ってから、なぜか進路を山側に変えた。
山道を走っていく。突然脇道に入っていった。
そして、車を停めた。
え?
しばらくの沈黙
お互いに見つめあって
彼の顔が近づいてきた。
続く・・・・
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