3月のサービスボトル | BAR white L(ホワイトエル)のブログ

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天神橋最南端のBARです。
「身近で温かいオーセンティック」
をコンセプトに下町のbar文化を発信していく所存です。
心地良く背筋を伸ばし、限りなく心に寄り添う。
white Lはそんなお店でありたい。

BAR white L
ほぼ無休 18時〜4時
大阪市北区天神橋1-10-9 2F

当店が主に取引する酒屋さんは5社。
ウイスキーに特化した酒屋、ジンに特化した酒屋、ワインやシャンパーニュが強い酒屋、希少酒ばかり取り扱う酒屋、365日配達の酒屋。その全てから一斉に4月からの値上げリストが届きました。
17年営業して初めての事態です。これまでも細かな値上げは多々ありましたが、今回は大々的ですね。
財布の許す限り今のうちに仕入れに勤しむ。最後まで抵抗するバー店主、鈴木です。

3月のサービスボトルを御紹介。



値上げ前に王道ブレンデッドスコッチを!
そして昨年何とか定価で手に入れた超高級希少酒を‼︎
共に限界サービス価格で御提案致します。



オールドパー18年
¥1600/shot

1873年、かの維新十傑・岩倉具視が使節団としてヨーロッパ各国を巡った際に手に入れ明治天皇に献上した「日本人が初めて口にしたウイスキー」、それがオールドパー。
以降、吉田茂や田中角栄など多くの政治家に愛されました。

オールドパーの歴史は、ウイスキー販売を営んでいた父から家業を継いだグリンリース兄弟が「グリンリースブラザーズ社」をロンドンに設立した1871年に遡ります。同社はオリジナルブレンドウイスキーを開発し成功を収めます。

それにしても会社設立から2年後には日本に持ち込まれ未だ世界中で愛飲されているとは、岩倉具視の先見の明は凄いですよね。

ラベルに描かれる爺さんは実在の人物で、その名もトーマス・パー(1483〜1635)。
1483〜1635( ゚д゚)⁉︎
152歳まで生きたスーパー御長寿で、「10人の英国王の時代に生きた男」と称される。
しかも80歳で初婚。2人の子供を授かりその後離婚。更に122歳で再婚する等、数々の伝説の持ち主。
どこまでホンマの話か分かりませんが、とにかくイギリスで人気の人物で、ルーベンスやヴァン・ダイクも絵画でパー爺さんを描いてます。

グリンリース兄弟もパー爺さんの長寿に肖り、「長く深く歴史に残る様に」とこのウイスキーをオールドパーと名付けました。

現在は世界最大の蒸留酒メーカー・ディアジオ社がブランドを保有しますが、製造は今でもグリンリース社。

会社もウイスキーもその名に恥じぬ歴史を持ち、来年にはトーマス・パーと同い年に達しますね。

主要原酒(キーモルト)はクラガンモア、グレンダラン等。

大手ブレンデッドウイスキーの中では重厚な味わいと長い余韻が特徴です
スコッチらしいスモーキーフレーバーも持ち合わせる。

陶器ボトル時代を模したクラックパターンと呼ばれるひび割れ模様のガラス瓶で販売されます。
このボトル、下記写真の様に底面の一点で立たせる事が可能。



この裏技は結構有名で、オールドパーを見る度に立たせる方がいらっしゃいますが、BARのカウンターではおやめ下さい...。
失敗した時の音もうるさいし、そもそも他の皆様も口にするボトルをベタベタ触るのは御法度です。特に今のご時世は。

この一本はオールドパーの上級品で、長期熟成の18年物!
少し前まで18年はシングルモルトウイスキーのみで構成されたブレンデッドモルトでしたが、今はグレーンウイスキーも使用しています。
原酒不足ですからね。でも少し寂しいなぁ。

ともあれ、素晴らしいテイストの一本‼︎

洋梨やバニラを思わせる甘い味わい。
モルティーでスモーキーなスコッチらしい伝統的なフレーバー。
優しく続く余韻。

誰しもが楽しめ、誰しもがこれは「スコッチ」だと認識する。
愛されるが媚びない。
150年の歴史を一杯のウイスキーに込めて。

お楽しみ下さい。

お次は超高級シングルモルトウイスキーです。
この価格でも破格。
世界最高峰の一杯をどうぞ。



ロングロウ21年
¥4800/shot

今やスタンダード品すら入手困難。
そのクオリティと希少性から世界中で奪い合いが続くスプリングバンク蒸溜所のシングルモルトウイスキー。
そのピートタイプ「ロングロウ」の最高峰を御用意致しました。日本には600本のみ入荷。
目にする事すら珍しい一本です。

スコットランド・キンタイア半島南端の港町、キャンベルタウンのシングルモルトウイスキー蒸溜所「スプリングバンク」。
キャンベルタウンはかつて20以上の蒸溜所が稼働するウイスキーの聖地でしたが、アメリカ禁酒法や大恐慌・戦争などの影響で衰退し、現在は3蒸溜所が残るのみ。
スプリングバンクはその代表格。

創業当時(1828年)の設備や製法を現在も保つ「操業する博物館」の異名を持ちます。
次々と蒸溜所が買収されグループ化する業界の中で、一族経営を貫き伝統を守り続ける数少ない造り手。

その結果、原料の全てを自家製麦(フロアモルティング)で賄うのは今やスプリングバンク蒸溜所のみ。
夜霧に包まれる港町・キャンベルタウンで熟成を重ねた原酒は、潮の香りとリッチな甘みから「塩キャラメル」と呼ばれる特有のテイストに仕上がります。

「飲む香水」と評されるスプリングバンク。
それは意固地な迄の伝統製法とキャンベルタウンのテロワールが生み出す奇跡。

同蒸溜所はピートの強さや蒸留回数に応じ異なる名でシングルモルトウイスキーをリリースしており、具体的には...

「スプリングバンク」
麦芽の乾燥...最初6時間ピート使用後30時間を熱風。
フェノール値...8ppm
蒸留回数...2.5回
ニューポット...71%

「ロングロウ」
麦芽の乾燥...ピートのみを使用
フェノール値...50ppm〜
蒸留回数...2回
ニューポット...68%

「ヘーゼルバーン」
麦芽の乾燥...熱風のみ
フェノール値...0ppm
蒸留回数...3回
ニューポット...74%

の3種があります。

この一本はロングロウ。
フェノール値50〜55ppm(アードベッグと同値)の強烈なピート麦芽を2回蒸留し、シェリー樽65%・バーボン樽35%の比率で21年以上熟成させた芸術品!

強烈な燻香を包まれた甘いナッツとカシスのフレーバー、スプリングバンクらしい「塩」と共に味わうハチミツシロップとキューバシガーの優雅なテイスト、最後にはロングロウを象徴する「火打石」が炸裂し、パワフルで甘美な余韻を呼び込む。

これぞ『飲む香水』!その最高峰‼︎