枚方市議会議員 ばんしょう映仁です。

 10/8の枚方市議会 決算特別委員会での令和元年度決算の審査。私の質疑をまとめました。

 

私の質疑項目は下記の通りです。

 10/8決算特別委員会(企業会計分野)質疑項目 
  1. 【水道事業会計】「水道事業経営戦略」の推進状況について

  2. 【下水道事業会計】汚水管への雨水時浸入水対策について

  3. 【病院事業会計】設備投資の考え方について

 

 

 

 

 

質問と答弁を要約しました。(実際にはそれぞれ2、3度質問しています)

 

1.【水道事業会計】「水道事業経営戦略」の推進状況について

 

「水道事業経営戦略」の初年度を順調にスタートしたことを確認。

職員の専門的な技術・技能の継承を含めた長期的な観点での取り組みを求める。

 

ばんしょうの質問

 中宮浄水場をはじめ、各種施設の老朽化などに対応するため、平成30年度に「水道事業経営戦略」を策定し、経営改善の取り組みを進めていると理解しています。経営戦略の初年度である令和元年度は、給水原価の推移を見ると数字上、ひとまず順調なスタートを切ったようにも思えるが、今後も着実に取り組みを進めていくための考え方について聞きたい。

市の答弁

 本市の水道事業は、これまで概ね良好な経営を行ってきたと考えているが、各施設の老朽化が進んでおり、今後は「水道施設整備基本計画」と整合を図りながら、更新改良事業に取り組んでいく必要がある中で、人口減少や地下水転換の影響により、給水収益の減少は続くものと予測され、今後の経営の改善策として、経営戦略を示してきた。この戦略の中では、各種事業の財源確保や更新など事業手法の検討、事務事業の見直しなどを掲げている。
 また、経営戦略の見直しを5年ごとの定期とし、その際には、必要な原価計算を行い、現行の水道料金と比較検証を行うなど、将来に向けて持続可能な水道事業を目指し、不退転の決意をもって取り組んでいく

 

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ばんしょうの視点
 不退転の決意を持って、持続可能な水道事業を目指していくことについては、市民の代表として「よろしくお願いします。」と申し上げたい。
 今回は、中宮浄水場の更新を進めていこうとするなかで、足元を見れば、管路の更新率の低さがあることに対して、令和元年度の修繕費の絞り込みがどのような意味を持つのか確認させて頂きました。
 水道事業に関しても、新たな技術の積極的な活用によるコストダウンに取り組んで頂きたいと思いますし、職員の専門的な技術・技能の継承を含めた長期的な観点での取り組みも要望しておきます。

 

 

 

2.【下水道事業会計】汚水管への雨水時浸入水対策について

 

雨天時浸入水対策は、老朽化対策としてだけはなく、防災という観点で対策をスピードアップすべき。

 

ばんしょうの質問

 不明水対策調査業務委託費が計上されているが、どのような内容なのか?また、雨天時浸入水についての市が考える課題を聞きたい。

市の答弁

 本市でも、大雨や長雨時に汚水が流れにくくなるなどの事象が発生しており、平成30年度より雨天時浸入水の多い北部地域の619haにおいて、マンホール内に流量計を設置し、晴天日と雨天日の汚水管内流量を把握することにより、段階的に雨天時浸入水の多い地区を絞り込む流量調査を実施している。令和元年度は、流量計を7カ所設置し、北部地域の中でも雨天時浸入水量が多い区域として46haまで絞り込んだ

 雨天時浸入水対策は、主に汚水施設の老朽化が影響していることから、長い期間を要することや、継続した対応が必要となります。今後も、調査結果に基づき、老朽化対策を実施し、雨天時浸入水の削減に努める

 

ばんしょうの視点
 令和元年度には、浸入水の多い地域を619haから46haまで絞り込んだということについては、しっかりと進めて頂いたと理解しましたが、46haはまだまだ広い範囲で、甲子園球場に例えると12個分です。
 台風や長雨の予報を見るたびに不安を感じながら、生活されている市民の声を聞きます。
 この雨天時浸入水対策は、老朽化対策としてだけはなく、防災という観点で、さらにスピード上げて市民の安全・安心な暮らしを実現するため、対策を前進していただくよう要望する。

 

 

雨水時浸入水の課題とは

 枚方市を含む全国の分流式下水道を採用している地方公共団体において、施設の老朽化の進行などで大雨、長雨の増加に伴い、降雨時に地下水や雨水が下水管路内へ流入する雨天時浸入水いわゆる不明水により下水の流量が増加し、汚水管などから溢れ出したり、宅内で逆流したりする事象。

 

雨水時浸入水についてのこれまでの発言、ブログ記事

 

 

 

 

3.【病院事業会計】設備投資の考え方について

 

病院経営は働く人起点で!医療設備の導入に際しても、職員の作業軽減を常に考慮するとともに、働く環境の改善を!

 

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ばんしょうの質問

 令和元年度には、周辺機器を合計すると約8億円かけて「電子カルテ」のシステム更新を行ったとされている。今回購入した医療情報システムは、前回導入からどのくらい経過したもので、更新により何か具体的に改善されたのかを聞きたい。

市の答弁

 市立ひらかた病院では、医療情報システム購入、いわゆる「電子カルテ」を平成23年12月に導入し、導入から7年が経過した、令和元年9月にシステムの更新を行った。
 今回の更新は、機器の経年劣化に対応するために行ったものだが、更新にあたっては、この間にあった診療報酬の改定内容を踏まえ、入院患者の看護必要度などの機能を追加したほか、利便性・正確性を向上させることを目的とした入力画面レイアウトの変更等を行った。更に、医師・看護師など各部署とのヒアリングを実施し、その結果を踏まえ、入力方法の軽便化や、入力間違い・入力漏れを防止するためのチェック機能等、100項目以上の改善を行った
 これにより、カルテ記録の適正化や医師・看護師の入力作業にかかる業務の軽減などが図られたものと考えている。

 

ばんしょうの視点
 情報システムの多様化で利便性が図られる現在、様々な医療機器が医療現場を動かしていると思いますが、病院の医業費用においては、給与費、人件費が5割を超えています。経営的にも、働く人起点で考えることが欠かせません。今回のシステムに限らず、実際に使用して診療にあたられている医師・看護師を含めた職員の皆さんの負担を常に意識した設備の導入・選定を行っていただき、一人ひとりが生きがいとやりがいを持って、笑顔で働くことのできる環境を作っていくことが、市立ひらかた病院の発展につながると私は考えます。コロナ禍の今こそ、より強調して要望させてもらいました。

 

 

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一人ひとりが笑顔、ひらかた万笑!

 

 今回掲載の質疑では、水道事業、下水道事業、病院事業の状況と進捗を確認しました。

 これらは企業会計であり、自主的な運営を行う組織です。営利だけを追求するのではなく持続可能な市民一人ひとりを笑顔にする方向に確実に向かっているかという視点で今後もチェックし続けていきたいです。