<昔日の一葉 4> 淀川長治さん(1909~1998)
久しぶり。シリーズ「昔日の一葉」(シリーズだっけ?)の第4弾は「サヨナラおじさん」こと映画評論家の淀川長治さん(1909~1998)
撮影したの1993年の3月頃。当時84歳。
「東京の自宅」の六本木全日空ホテルのスイートルーム。日曜洋画劇場で解説を務める淀川さんのためにテレビ朝日が提供していたといわれています。
撮影依頼は電話で。当時は今みたいに個人情報がやかましくなくて、多く本を出している出版社の編集部に電話すれば、たやすく電話番号を教えてくれました。文春の文藝手帳、新潮の文藝年鑑、角川の文庫手帳の「名簿」のページ。他に、今もあるのかもしれないけど「マスコミ電話帳」。
そのいずれかの名簿に横浜のご自宅が載っていたのですがそこでは連絡がつかず、某社編集部に電話をしたら全日空ホテルのことを教えてくれました。
全日空ホテルのスイートともなればコンセルジュサービスも半端じゃなくてセクレタリーサービスも完璧で、すべて完璧にお膳立てしてくれました。
お部屋に伺い、まずはご挨拶。第一印象はテレビで見る以上に小柄で華奢。はじめはご機嫌斜めのご様子でムスっとして、なかなか僕が子どものころから親しんだあの「ヨドガワスマイル」を見せてくださいませんでした。
「こりゃ今回は失敗かなぁ」
と思いつつもシャッターを切り続けました。いろいろ話しかけながらなんとか和んだ表情を引き出そうと必死でした。そのうちだんだんとご機嫌も直ってきた様子。特に淀川さんの本に書かれたエピソードについていろいろ質問すると、
「おやまぁ、ずいぶん読んでくださっているのねぇ」
と笑顔を見せてくれるようになりました。当時の僕はお会いする人の本はできる限り読むようにしていて、淀川さんの本は図書館で揃いやすいので10冊くらいは読んでいたと思います。
後半はほぼ雑談。ご幼少のころの話など。上の写真でもお部屋に最愛のお母さまとの写真がかけてあるのがおわかりになると思います。また歌舞伎、クラシックバレエ、甘党など共通項も多く、話が弾みました。
そうして引き出したのが上の表情です。
まぁ、有名なことですしご自身も著書で書かれているので書きますが淀川さんは同性愛者でした。話が弾み和むうちぼくにもちょっとしたからかいを仕掛けたのですがもちろんジョークでほほえましいもの。今でも僕にとっていい思い出です(のちに永六輔さんにその話をしたら「ああ、キミは淀川さんのタイプだよ」と言われました)。
帰り際、「じゃ今度、一緒に甘いものでも食べましょ」と言われたのですが、とうとうそのチャンスはありませんでした。
【バックナンバー】
<昔日の一葉 1 > 山口瞳さん(1926.1.19~1995.8.30) ←クリック!!
<昔日の一葉 2 > 庄野潤三氏(1921.2.9~2009.9.21) ←クリック!!
<昔日の一葉 3> 宇野千代さん(1887~1996) ←クリック!!
------------復興情報------------
昨日の訪問者数は31。復興状態は3.1パーセント。ランキングは91,234位。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハテナダイアリーの過去記事
http://d.hatena.ne.jp/banka-an/
ギャラリービブリオ公式サイト
国立駅前。展示、ワークショップ、会議にご活用ください。レンタルスペース、貸会議室
↑クリック!!
・・・・もうすぐ開催・・・・・
2月17日(日)
小さな茶話会『少女まんがは吸血鬼でできている』
2月28日(木)~3月5日(火)
中村裕子ジュエリークラフト展 ひろこの庭 ←クリック!!
3月7日(木)~12日(火)
「いまきみち 刺繍絵本原画 + ときどきゆりの木」展 ←クリック!!
3月21日(木)~3月26日(火)
ニンジャカワサキ立体書展 「Never say die」 ←クリック!!
中川フォークジャンボリー24 with はせがわかおり 3/30
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハテナダイアリーの過去記事
http://d.hatena.ne.jp/banka-an/
ギャラリービブリオ公式サイト
国立駅前。展示、ワークショップ、会議にご活用ください。レンタルスペース、貸会議室
↑クリック!!
・・・・・・・・・・・・・・・
ご意見、ご希望やイベント申し込みは上記公式サイトの「問い合わせ・申し込みフォーム」から。