◆クルマ旅を楽しむ人が増加、今 なぜ人気?
アウトドアブームや気ままなクルマ旅を楽しむ人が増えたことで、近年、キャンピングカーの人気が急上昇中です。キャンピングカーの保有台数は15万5000台と20年前の3倍になったという。
高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、道の駅、RVパークなど、いたるところでたくさんのキャンピングカーに出会います。時々は違法ではないかと思われる「マナー違反」や「迷惑行為」の車両を目にすることも多くなりました。
そして、そのユーザー予備軍が、新たなキャンピングカーとの出会いを求めて、日本最大の展示会「ジャパンキャンピングカーショー2024」(千葉県千葉市・幕張メッセ)に集結、開催期間の2024年2月2日から5日の4日間は大賑わいとなった。
「ジャパンキャンピングカーショー2024」には、171社が出展し、392台の車両が展示されました。これは、旧イベント名である「キャンピングカー&RVショー」を含めて、20回となる同イベントで過去最多の規模だという。その背景には、近年のキャンピングカー市場の好調があるようです。
キャンピングカー業界団体である日本RV協会の調査によれば、新車及び中古車のキャンピングカーの販売総額は、過去最高となる1054.5億円を記録。初の1000億円越えを記録しただけでなく、対前年比138%という大きな伸びを見せているそうだ。約10年前となる2012年が281.8億円だったことを鑑みれば、急速なニーズの拡大が起きていることがわかります。
実際に国内のキャンピングカー保有台数も、2005年の約5万台から2023年には、約15万5000台と3倍超えの規模になっている。さらに国産キャンピングカーメーカー各社の新車生産台数も増加し、2019年の6445台から、2023年の10090台まで拡大した。
興味深いのは、会員企業の雇用者数(アルバイトやパートを含む)のデータで、近年も増加傾向にあったものの、2022年の2722人に対して、2023年は4250人へと急拡大を見せている。キャンピングカーは多品種・少量生産を基本とするため、小さな企業が中心となっている。このため、現状のままでは、生産台数の増加は見込めません。そこで生産体制の強化が図られたことや、新規参入企業の存在などが予測されます。企業側としては、まだ投資するだけの成長を見込んでいることが受け取れる動きでもあります。
主役となるキャンピングカーには、さまざまな種類があります。ただ日本市場を見ていると、人気が高いのはワゴン車をベースとした「バンコンバージョン(通称:バンコン)」とトラックと専用キャビンを一体化させた「キャブコンバージョン(通称:キャブコン)」、そして身近な軽自動車をベースとした「軽キャンピングカー(通称:軽キャン)」の3つが挙げられます。
これらは自動車がベースなので、自走が可能なため、仕様によっては日常使いされているものも多く見られます。とくにバンコンは、用途や予算に合わせて、ボディサイズや装備内容が選べることもあり、日本のキャンピングカーの主力となっています。
そのベースとしてもっとも多く活用されているのが、トヨタ「ハイエース」です。主な理由は、耐久性や作りの良さ、バリエーションの豊富さなどが挙げられますが、忘れてならないのは、リセールバリューの高さでしょう。またキャンピングカーメーカーから見れば、トヨタからキャンピングカー架装用の専用ハイエースが供給されることもあるようです。
もうひとつ忘れてはならない人気者が、キャンピングトレーラーです。豪華な仕様がある一方で、欧州メーカー製を中心に現実的でコスパのよい価格のものがあるため、日本でも多くのファンに愛されています。
トレーラーであるため、自走は不可。それ故に、別車両によるけん引が必要となり、サイズや車重によっては、けん引免許も必要となります。このため、ハードルの高さはあるものの、キャビンのほぼ全てが居住空間となる広さや住居設備の充実ぶりが魅力となっています。またけん引する車両を好みで選べることや旅先でけん引用車両だけでの行動が可能なことも好まれる理由のようです。
そして、キャンピングカー市場を支えるもうひとつの人気車両が「車中泊仕様車」です。簡易的なベッドキットを装備し、車内での就寝機能に特化したものですが、キャンピングカーと大きく異なるのは、8ナンバー登録となる構造変更を伴う改造は行わず、装備も最小限することで、価格を抑えていることです。
車両は、ハイエースなどのワゴン車に、折りたたみや取り外し式のベッドキットを装着したものが中心となっており、このために、価格も手頃になったことが強みです。日産自動車では、車中泊ニーズの高まりに注目し、メーカー純正の車中泊仕様のキャラバン「マルチベッド」と「マイルーム」を展開。メーカー純正ならではの高品質と高機能を売りとしています。
もちろん、車中泊車の主力は、ユーザーが愛車にベッドキットを取り付ける簡易的なもの。ベッドキットの新商品として、日本復活を果たしたばかりの本格クロカン「ランドクルーザー70」用のものを、キャンピングカーメーカーである「トイファクトリー」が出展し、注目されていました。
新たな流れとしては、2022年末に日本への正規導入が始まったイタリアのFIATの商用車「デュカト」ベースの日本製キャンピングカーの増加です。
FIATデュカトは、キャンピングカーベースとしても欧州で多く活用されている車種で、これまでも日本には欧州製キャンピングカーが輸入されてきました。しかし、並行輸入車であるため、部品供給やメンテナンス体制には課題がありました。
それが正規導入車となったことで、国内での部品入手も用意となり、手厚いメーカー保証も受けられるようになった。まだまだ店舗数は限られるものの、ディーラーも徐々に配備が進んでいるということです。
そんな状況で高価格帯モデルを中心に、ボディの大きさを活かした広々としたキャンピングカーが、続々と登場しています。日本製の大型キャンピングカーといえば、キャンピングカー専用トラック「トヨタカムロード」などをベースとしたキャブキャンが主力ですが、そのニーズの一部をデュカトが奪うなんてことも起きるかもしれません。
そして、今、急速に普及が進んでいるのが車内住環境の高度化、就寝や休憩時に活躍する車載クーラーです。これまでも大型のキャンピングカーには、車載用及び家庭用エアコンが装備されていましたが、近年は、車載用クーラーの小型化と低価格が進んだことで、軽キャンピングカーでも定番アイテムとなろうとしています。
もちろん、クーラーには電源が必要となるため、大容量のサブバッテリーが必須となります。そこでリチウムイオンバッテリーの需要も増えています。ただし、小型で高性能なリチウムイオンバッテリーは、従来の主力であった鉛ディープサイクルバッテリーと比べ、価格が高価。これが結果的に、キャンピングカーの購入価格上昇にも繋がっているといいます。
また価格面の話題では、車両価格の上昇傾向が見られます。これは、現在の資源高騰も要因のひとつとなっていますが、メーカーにより装備や仕様を見直すことで価格の上昇を抑えてる企業努力を行っているところもあるようです。
過去最大の出展社数となったジャパンキャンピングカーショー、来場者の賑わいはキャンピングカー人気を裏付けるものであるのは確かでしょう。
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【 DUCATOキャンパーシリーズ/EURO-TOY PV の動画はこちら 】
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【 FIAT デュカトベース FORTUNA [NUTS RV] の動画はこちら 】
https://www.youtube.com/watch?v=zdNDT0hQ5wA
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