今回は大日如来座像を少し華やかな雰囲気で切ってみました。
華やかさと威厳の両立は難しいですが、今回はお顔がとても気に入っています。
いかがでしょうか?
霊標・・・お墓の横に戒名を彫刻していくための石板状の部品です。
最近のお墓の横に、この霊標が建てられているのは皆さん良くご存知だと思います。
しかし、昔のお墓には霊標がありませんでした。
なぜでしょう?
本来、お墓とは仏石(軸石)に、ご本尊様をお迎え(入魂法要)し、その仏石に戒名・法名を全て刻んでお祀りするスタイルが普通でしたので、霊標という付属品はありませんでした。
しかし、従来のこの方法の場合、新仏ができて新たに彫刻をする場合に、お寺さんに脱魂をしてもらう必要があるために、脱魂法要の費用や時間が無駄ではないかとの発想をするようになり、近代になってから単なる部材であって、脱魂法要のいらない、霊標に彫刻する事が主流になってきたようです。
(石材店の販売戦略に一環なんでしょうが・・・)
『大事な家族・親族が亡くなって、供養のためにお墓にご戒名を彫刻する』
そのための作業を、「費用の無駄」とか「時間の無駄」とか考えるのはどんなものか・・・?
と、個人的には思ってますが、人それぞれの価値観の違いもあるでしょうし、合理的という事に対しての認識の違いもあると思うので、何が正解かは難しいところかもしれません。
ただ、このあたりのご説明をしっかりさせていただいた上で、
霊標の発注を頂くようにいつも気をつけてます。
納得して購入しなければならない買い物ですからね・・・
お墓のいずみ
安部則明
墓石の建立者名や、戒名などの彫刻部分に色が塗ってある部分がありますが、年月と共に薄くなってしまい、気になった事がありませんか?
先日も我が家のお墓の建立者名(朱色の私の名前ですが…)が薄くなっているのを見つけた妻から、『影が薄くなってるよ…(笑)』
といことで、綺麗に朱色を塗りなおしてきました。
これが意外に簡単で、ご自分でも出来ますので、手順をご紹介しますね。
元の色を取る
元色がはがれてきている場合は歯ブラシ&シンナーなどで綺麗に取ってください。同じ色に塗りなおす場合は完全に取りきれなくても大丈夫です。
アクリルラッカーを塗る
ホームセンターなどで売っているラッカーペイント(5cmくらいの丸いビンのあれ)を薄めずに細筆でしっかり塗ってください。文字先や上の面など、塗り漏れが出やすいのでしっかり塗りこんでください。
その際、当然はみ出して周辺に塗料が付いてしまいますが、あとで取れますので、気にしなくても大丈夫です。※1
余分な塗料を取る
塗料がある程度乾燥してから、文字周辺に付いた塗料を取ります。
まず、カッターなどでこそぎ落とすように大まかに削り落とします。
仕上げに、シンナーを含ませた布で全体をふきあげると完成です。
※1 墓石表面の磨き面は塗料乾燥後もこそぎ落としたり、 シンナーでのふき取りは 出来ますが、古い墓石の場合、まれに石目に浸透してしまい取れないこともあります。
目立たない部分で確かめてからおこなってください。
でも、初めて自分でする場合は勇気がいりますよね(笑)
自信が無いとお思いの方は、ぜひ近くの墓石店にご相談下さい。
詳しくはこちらからお問い合わせください。
お盆などが近づくと、TVで『散骨』を取り上げる番組が毎年のように繰り返されますが、毎度のことイメージ先行の編集が多いように思います。
確かに、『散骨でえ~わ…』とおっしゃるお客さんは、いるにはいますが、
どなたも、
・どこでも手を合わせてもらえる…
・子供に負担をかけずに済む…
・費用を抑えることが出来る…
などを理由として挙げていらっしゃるかたがほとんどです。
また、散骨を口にする方の共通点が、
『自分の遺骨』についてしか言わないということです。
実はここが大事なポイントなんです。
散骨も選択肢に入れている方はぜひ一度、違う視点でこのことを
考えてみてはいかがでしょうか?
たとえば、
自分にとって一番大切な人を亡くしてしまった場合・・・
あなたは今と同じように散骨を考えますか?
自分の親を、奥さんを、幼い子供を、自分を癒してくれたペットを亡くした時に、
今と同じ思いで散骨を選択できるのでしょうか?
ここで少しでも迷った方は、すこし考え直したほうがいいかもしれません。
つまり、あなたの埋葬を行うのはあなた自身ではないということ…
埋葬は家族に残された、あなたとの思い出を作る最後のシーンであるにも関わらず、あなたの生前の一言が、ご家族の大切な儀式の選択肢を狭めてしまう結果になりかねないことを、今一度よく考えてみてください。
『あなたが大事な家族にしてあげたいことが、
家族があなたにしたいことなのかも知れません。』
ご自身の想いと、ご家族の想いを同じテーブルに乗せて、
皆でじっくりと話し合う機会も必要なのではないでしょうか。
安部 則明