霊標・・・お墓の横に戒名を彫刻していくための石板状の部品です。
最近のお墓の横に、この霊標が建てられているのは皆さん良くご存知だと思います。
しかし、昔のお墓には霊標がありませんでした。
なぜでしょう?
本来、お墓とは仏石(軸石)に、ご本尊様をお迎え(入魂法要)し、その仏石に戒名・法名を全て刻んでお祀りするスタイルが普通でしたので、霊標という付属品はありませんでした。
しかし、従来のこの方法の場合、新仏ができて新たに彫刻をする場合に、お寺さんに脱魂をしてもらう必要があるために、脱魂法要の費用や時間が無駄ではないかとの発想をするようになり、近代になってから単なる部材であって、脱魂法要のいらない、霊標に彫刻する事が主流になってきたようです。
(石材店の販売戦略に一環なんでしょうが・・・)
『大事な家族・親族が亡くなって、供養のためにお墓にご戒名を彫刻する』
そのための作業を、「費用の無駄」とか「時間の無駄」とか考えるのはどんなものか・・・?
と、個人的には思ってますが、人それぞれの価値観の違いもあるでしょうし、合理的という事に対しての認識の違いもあると思うので、何が正解かは難しいところかもしれません。
ただ、このあたりのご説明をしっかりさせていただいた上で、
霊標の発注を頂くようにいつも気をつけてます。
納得して購入しなければならない買い物ですからね・・・
お墓のいずみ
安部則明