この3年生の春休み、
娘は、約1ヶ月間、米国の大学院 宇宙物理学研究室に所属し、教授の指導の元、研究体験をさせて頂きました。
休日の自由行動では、NY観光・ブロードウェイ鑑賞やメトロポリタン美術館、ハードロックカフェ等。フィラデルフィア観光・フィラデルフィア美術館等にも訪れ、大いに楽しんだそう。
最終週は、ヒューストンに移動。
参加者10名全員が揃い、NASA見学、ライス大学訪問、米国企業の研究施設訪問 等々のプログラムもありました。
■ 11月:事前研修の様子、これに参加するに至った経緯 ↓
■ 2月:渡米前の準備等の様子 ↓
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この短期留学(5週間)は、日本の理工系学部生のリーダー育成を目的としており、米国企業および日本政府から支援を得て運営されています。
この米国大企業からは多大なる支援を受けており、渡航費、滞在費、食費 等々、この留学にかかる費用は全て賄って頂きました。
(自腹なのは、NYでのブロードウェイ鑑賞等の観光費用とお土産代のみ)
そこまで支えられ得られた貴重な経験なので、様々なものを持ち帰ってくれることを期待していました!
大学での日常生活
研究を行っていた約1ヶ月の日々は…
月曜〜金曜 9時〜18時まで
宿泊しているホテルから徒歩で大学に赴き、
大学の学生部屋(自分専用のデスクあり)で、研究に関わるデータ解析をしていました。
この生活サイクルは、自大学での日常と同じだった、と言っていましたね(笑)。
この1ヶ月間、規則正しい生活を送り、しっかりと研究に向き合えた経験は良かった!とのこと。
研究だけではなく、自発的に授業に出席していました。
娘の担当教授が、「天文学概論」と「天体観測?」の授業を受け持っており、週3〜4回出席。
これらの授業は、既に自大学で学習済みだったため、苦労もなく受けられたようです。
この1つの授業は、少人数制だったため、日本では経験のないほど活発な議論が繰り広げられて、とても楽しかったそう。
そして、このクラスで2名の仲の良い友人ができたことも嬉しかったようですね。
他には、週2回ペースで、大学内のジムに通い、健康的に過ごすことができたとか 日本にいるより充実してます…
食事は、日本とは違う意味の茶色(油物)ばかりかと思いきや、意外にも、栄養のある食生活ができていたようです。
なんだか、こんな短期間で、すっかり現地の大学生のような顔つきになっていて驚きました…溶け込みっぷりがスゴい
そして、1ヶ月後の最終日には、
同じ大学に配属されていた仲間、教授ら、関係者たちの前で、研究成果発表が行われ、ぶじ終了することが出来ました。
研究成果発表の様子
良かったこと、苦労したこと
この経験で良かったこと、またその逆は?を、娘にインタビューしてみました。
良かったこと
1, 海外大のリアル感を味わえた
米国の大学に進学し生活する姿をリアルに感じることができた。
娘曰く、
「米国大学の一学生として、通常の日常生活を送れたことが、本当に良かった!」(お客さんではなく一般的な学生として生活できた)
2, 大学内で友人ができた
授業や各々の部活が主催する放課後イベントに積極的に参加し、4名の友人ができ、ランチしたり遊びに出かけたりした。
実のところ、この短期間で友人を作ることは難しいらしく、そのため、友達ができたことは嬉しかったようですね。
3, 研究室の教授と沢山お話ができた
娘の担当教授は優しくフレンドリーで、一緒にランチに行ったりと、お話を伺う機会を多く持てた。とても為になる話を聞け、有意義な時間を過ごせたことは有り難かった!
これも短期のサガなのか、研究室によっては、ほったらかしにされたり、院生にまかっせぱなしにされたりと、教授と関わりがないまま終わる…ということもあるようです。
4, 英語が全く困らなかった
日常の英語も、研究での英語も、全く困ることはなく、自分の英語力が大丈夫だと確信できたことは良かった。
(研究で使う英単語は事前に勉強していったそうです)
苦労したこと
この、苦労…という表現は違うのかもしれませんが…
良い面と相反することを感じたようです。
1, コミュニティに入ることの大変さを実感
ある意味、転校生状態なので、既に出来上がっているコミュニティに新たに入るには勇気が必要。
2, 友人を作ることの大変さを実感
やはり人種で固まりがち…。白人のグループに入っていけるか、というと、それは難しい気もした。人種で固まるのがイヤだという人とは仲良くなれたけれど、そうじゃないと無理だろうな、と思った。
3, 米国大学院進学の選択肢は完全に消える…
教授とお話して、より理解できたことが諸々あった。
まずは、「米国での博士課程は5年で修了できない」と思ったほうが良いということ。(プラス2〜3年?)
この教授はイギリスの大学出身で4年間の博士課程を、早期3年半で修了し博士号(Ph.D.)取得したそう。でも、米国はそう簡単に取得できず、Ph.D.を取得する頃には結構な年齢になる とか。
更に、米国の院生は「お給料が出るのが良さだが、大学の授業を担当しなくてはならない」(かつ、自身の履修も多くある)ので、それも負担になる。
そのため娘は、日本の天文学や物理学は優秀であるし「日本で充分に研究ができるので、わざわざ米国の大学院に進学する意味が感じられない」と結論づけたようですね。
(娘の研究室は、短期の研究や国際学会で海外に行かせてくれるので、それで充分だとのこと)
今後の課題
英語について
この留学で、娘は、自分の英語が現地でも通用する英語力だと分かり、安堵したようです。
とはいえ、新たな課題が出てきたそう…。
一緒に留学に行った仲間からは「帰国生かと思った」と言われたようですが、娘から言わすと「いやいや、帰国生の発音とは全然違う!」と。
これまで発音には重点を置いてこなかったけれど、これからは、綺麗な発音に拘っていこう と思ったようですね。
米国企業の研究施設訪問を通して
支援して頂いた米国企業の研究施設の訪問をさせて頂きました。
このとき、研究者(Ph.D.)からお話を伺ったことは、今後働くにあたって、想像以上に参考になったようです。
仕事がより現実味を帯び、院試を終えた4年生夏に希望の職種のインターンシップに参加することを考え始めました。
留学プログラムに関して
この短期留学は、渡航費など全面無料というのもあり、年々人気が高まり、高倍率となっているようです。
応募し続け、やっと2年目や3年目で合格した方もいたとか。
*学部生のみなので4年次がタイムリミット (出来れば3年生で参加がベスト)
英語力(TOEFL iBT 90相当)以外に、「合格の決め手は何か?」というと、やはり「エッセイ(3本)の中身」じゃないか、と。合格した皆んな文字数いっぱいに書いたそうです。娘も「エッセイには相当な力を入れたよ!」と言っていました。
この留学の詳細は、娘の大学では、留学募集一覧に掲載されています。(しかも、渡米前に大学で研修を実施してくれる手厚さ。単位にもなります。帰国後に体験レポート提出も課せられますが…)
ただ、多くの方が、自身でアンテナを張り、見つけてきたそうです。娘自身も他大学の友人が教えてくれました。
ご興味あるかたは、まずは自大学の留学課に問い合わせてみてくださいね。
多くの理工系女性大学生がこのような機会に恵まれますよう!
フィラデルフィア美術館にて