前回は、音階や和音で「属」という名前が出てきたら、それは5の数字と関係がある、というような話をしました。
今日は、「調号」に注目してみます。楽譜のト音記号の次に示される♯や♭のことです。調号が増える仕組みも、「5」という数字が関わっているんですよ。
楽典の本では「五度圏(ごどけん)」という項目に載っています。
5度上の調は♯が1個増える
たとえば、ハ長調(♯0個)の主音のドから「ドレミファソ」と数えて5個目はソ。この「ドーソ」の音程を完全5度と言います。
ソから始まる調=ト長調には♯が1個付きます。
それじゃ、ト長調の5度上は何ですか? (ヒント:ソラシドレ)
そうです。レから始まる調=ニ長調です。これは♯が2個付きます。
♯の場合、調の主音が完全5度高くなるにつれ、♯が1個増えるという仕組みになっています。
主音の流れはこうなります。
(ド)→ソ→レ→ラ→ミ→シ→ファ♯
♯の書き方にも順番があります。これも5度ずつ変化していきます。上の図のように、声に高低差をつけて「ファ→ド→ソ→レ→ラ→ミ→シ」と言うと覚えやすいですよ。呪文のように唱えてみてくださいね。
5度下の調は♭が1個増える
♭はそれとは逆方向で、完全5度下に進むにつれ、♭が1個増えるという仕組みです。
主音の流れはこうなります。
(ド)→ファ→シ♭→ミ♭→ラ♭→レ♭→ソ♭
ファ以外は♭の音になるので注意。調の名前は、♭の場合には「変」が付きます。変ロ長調とか、変ホ長調・・・と言いますよね。
♭の書き方の順番は、♯の高低差の反対で、シを低く、次のミを高く言います。これも呪文のようにして覚えましょう。
なお、完全5度というのは、ひっくり返すと完全4度になるので(詳しくは「転回音程」で検索)、♭系の場合には、4度上に数えていっても同じですよ。
コードを使いこなすためには調の知識も必要なのです。♯・♭の書き方の順番は、普段から口グセのようにしておくと役に立つと思いますよ!
では、またお会いしましょう。ピアノ・キーボードの斉藤でした。
では、またお会いしましょう。ピアノ・キーボードの斉藤でした。