宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
より



まったく向ふ岸の野原に


大きなまっ赤な火が燃され 


その黒いけむりは高く


桔梗いろのつめたさうな天をも


焦がしさうでした。


ルビーよりも赤くすきとほり


リチウムよりもうつくしく


酔ったやうになって


その火は燃えてゐるのでした。




〜宮沢賢治〜





鋼玉(コランダム)の

仲間で、赤色のものがルビー。


宮沢賢治の作品の中で

ルビーは火や、光り輝くもの、

目などの例えに使われています。