褻(け)の日々・よ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

反射というものは

なかなかに

少し怠惰が続いたとて

消えてなくなるものではない様で

 

スピーカーからの声に

僕の指が反応する

 

声の発せられた方角までは

特定できず

 

一旦

一人称でぐるりと周囲

見回すムーブの後

 

カメラアングル切り替え

 

背後以外の映像広く

映し出せば

 

身構えた

戦闘スタイルの

僕のアバターと

同じ体制の

 

初期装備のアバター

 

…声の主…か?…

 

対戦モード相手の力量

探る機能で

 

モブのようなアバターに

標準を向ければ

 

登録内容

覗き見ることができる

機能が立ち上がる

 

プレイヤー側が

開示許可出していない

技能

スキルは大抵

見えない

から

 

ここから得る情報は

 

ログインの際のキャラ名

プレイヤーにとって

このアバターが何体目であるか?

の表記

 

最小限の

自己紹介ってヤツを見れば

 

若葉マークがついてて

 

…え?

まさかの新規?

驚く一方で

 

いやそれはないな

 

僕と同じ構えの

初期設定アバターに

 

若葉ならではの

隙も

初々しさもない

 

それどころか

ゲーマー感

ダダ洩れてる

反射速度に

 

中身は

先行のデーター

抹消してまで

新しく始めた

酔狂な手練れ?か?

 

 

そんな遊び

ガチでやってる人を

見るのは初めてだと

 

つい

単独長くて

コミュニケーションのノリ

忘れてた僕が

 

沈黙恐れて

遅ればせながら

 

「…こんにちは」

 

と返事を返しつつ

 

通常モードの姿勢に

切り替えれば

 

「…君

 真似る操作が得意そうだね?」

 

先に僕に気付いて

声を掛けてきた時点で

 

相手の方が上手で

ただ者ではない事

 

仮の姿ではあるも

目立たない

初期設定ってところにも

何やら意図的なモノがありそうで

 

…危険を知らせる違和感

僕に抱かせる

から

 

ここは

敵意のない事示して

友好の方向を目指す方が得策

 

「…ログ歴 偽ってない?

 初めましてじゃないでしょう?

 

 この世界で

 あなたは僕が模範にした人ですよね?」

 

 

考えてた事

全部ゲロして

 

分かってるんだよアピールを

始めてみる

 

 

動きに

声に

登場の仕方に

 

僕は

ファン状態で

テンパり出す気持ち

半分と

 

相手が

弱肉強食スタイルで行こうと

決めてたら

 

間違いなく狩られるかもしれない

って危機感

 

プラス

 

僕が強くなった頃には

ログインしなくなった

最強の面々と

実際渡り合って

 

今の僕が彼らに

勝てるまでの強さ

維持できているだろうか?

って

興味

 

半々に

 

「…ORO2さん…ですよね?」

 

いま目の前に居るアバター名は

当然

見たこともない表記で

 

だけど

声で

その人と判断しての

確認

 

これは

やっちゃいけない

ルール違反だって

分かってても

なお

 

アーカイブの

彼の

戦闘プレイ

キー操作のヒント探して

何度も見返し

自主練した日々が

 

抑えられなくて

つい

 

 

「アキラ…って言います」

 

彼らに会えたら

伝えよう…と

密かに抱いていた

願望

 

 

「あなたのファンです」

 

ってセリフ

 

つい

 

後先考えず

口にしてから

 

あ…やっちゃった…

相手の反応

期待し過ぎて

オーバーヒートしたか

 

すん…と賢者になりかけた

ところに

 

若葉マークのついてる

初期設定のアバターが

 

実に申し訳なさそうに

 

「…ごめんなさい

 誰かと間違えてますよ」

 

しごく真っ当な返答で

暴走気味な僕に

 

ストップをかけた

 

 

  つづく