そもそも
よく知らない誰かさんの
あーだこーだに
深入りするつもりはないし
今の僕らの会話は
雑談であって
エムが知り得た情報
僕に報告したに過ぎない
…と
解釈して
個人的な他人のプライベート
これ以上関係ない僕らが
語り広げないよう
エムの
教員免許の話題に
切り替えようと
「…所属してる
研究室の専攻が
担当教科って事な…の？」
自分が学生の頃
何人か
実習生が来たことを
思い出そうにも
これといって
ドラマが無かった
教師の卵と過ごした数週間の
記憶は皆無で
そもそも
当時のあれこれ
捻り出したとて
エムに語れるようなものはなく
広げようにも
僕側に
手札少ない話題
質問するしかない訳で
エムも
自分の学習スケジュール
話すよりも
あれこれ考えなくていい
他人の色恋の方が
話膨らむ…って判断か
学校事務員の彼女がいる
青シャツ セリさんの話で
僕にまだ言っていないネタ
あるのだろうか？
僕の質問に対して
口を開くの
乗り気じゃない様子
醸しつつ
も
「…分かんない
一応
単位は取ってるけど
実際
教師になりたい訳じゃないし
…教職
目指してる人からすれば
不謹慎かもしれないけど
私の場合は
あれこれ
体験できるチャンスって
そうない…と思うから
出来ることをやっていこうかな？
…って
面白くなくなって
嫌になったらやめればいいし
こういうの全部
追々どこかでネタになるでしょ？」
随分と
ぶっちゃけた事
しれっと
口にして
…そんな考え方なんだ
と
単位多く取得を実践中のエムの
柔軟な発想に
達観してるなぁ…と
感心する一方で
僕自身
なんとなくで
受講中の必須教科以外の教科に
面白いとか
面白くないとか
そういう感覚
はなから
乗ってなかったことに
ハッと気付かされていれば
「…そもそも
既に何人か
教員免許に必須の授業に
来なくなった人…要るしね
単位を取るにも
他の資格の勉強もあるし
…専攻によっては
スケジュール的に
教育実習が無理って人も居て」
あぁ成程ね
確かに
必須になってない教科の一部で
講師の病欠で休講になった授業が
他の教科の裏に
振り替えられたこともあった
スケジュール調整のミスなんだか
どうしようもない判断での決行か
授業回数は
実施されたことで
ペイされたことになるのだろう
けど
その事で割を食うのは
両方の教科を取ってた生徒数人で
ほとんどの生徒は
そんなことがあった事も知らない
…まぁそんなことも含め
試験の際の点数に
学校側の謝罪が反映される
謎多き 追加点数
いいんだか
よくないんだか
なぁなぁな文化
初手の時間割作成の時
体調のことまで
予測できないしなぁ…
と
頷いていれば
「…だから
セリさんは凄いのよ
脱落せず
ほぼ全教科
受講してるんだから」
おっとっとぉ…
話題を変えたつもりが
また
青シャツ男性の話題に
戻って来ちゃったから
まてまて…と
エムに突っ込みたい気分
山々だけど
何かまだ
話してない事でもあるのだろう
と
うんうんと頷き
受け入れてみた
つづく