正直者の憂鬱・テ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

エムにとって

人から注目されることは

今に始まった事ではないのだろう

からか

 

そういうのに慣れてない僕の

目立たないようにして

って願い

 

聞き入れたとて

居るだけで

目を惹く存在なのだから

仕方ないとばかり

 

良くも悪くも

目立つ言動

となってしまう事を

なるだけ

エム本人にさせないよう

 

「授業が終わってからにしよう

 もう席についてるし

 

 彼にも連れがいる…だろうし…」

 

青シャツの男(セリ)の偉業伝えた

(彼女さん)と言う存在が

エムの解説に登場したから

 

見るところ

それらしい連れ

僕からは見えないけど

 

きっと彼も一人じゃないだろうと

エムを諭せば

 

「…彼女さんは

 学校事務の人だから

 講義にはいないわよ

 それに

 彼らの関係は秘密だから

 こんなに人のいるところで

 親しそうにはしないでしょうし」

 

…いや

まてまてまて

 

突っ込むしかない

エムの

 

 

「…そいうの

 言っちゃいけないんじゃない?」

 

って内容であることに

自覚があるのか

 

一旦遮る

 

だって

 

大きな声での会話じゃない

けど

 

この教室に居る数人は

 

しれっと

僕らの会話に

聞き耳を立ててるはずで

 

現に

僕同様に

 

そわっと

思いがけないスクープに

 

どういう切っ掛けで

親しくなるんだ?

って好奇心込みで

気配が変わった

空気感

 

周囲に感じてて

 

だから

尚の事

 

これ以上エムの発言から

相手が

特定されてはいけないと

 

彼女の口を

止めにかかれば

 

「誰が誰と付き合おうが

 成人してれば自己責任でしょ?」

 

真っ当な意見で

僕の懸念

ぶった切った

エムが

 

「…こういう話って

 みんな好きなんじゃないの?」

 

僕との会話に

 

エムに女友達出来て移行

会話のネタで人間関係の情報

 

時々聞くようにはなってた

 

けど

 

それはまだ

 

教授の趣味の話や

助手の人の生活エリアの話題だったり

 

どこそこで見かけた

とか

同じジムの会員だった

的な

よくある類だったのが

 

系統が違い過ぎて

 

「プライベートな噂話は

 特に本人たちが

 秘密にしてるって言ってるなら

 なおの事

 

 関係ないエムが

 容易く雑談に出しては

 いけない内容だと思うけど?」

 

誰だって

知りたいって思う願望はあって

会話で聞き出そうとするもので

けど

 

それを漏らしたミスを

正当化する意味で

自己責任って言葉

容易く使うのは

違うような気がして

 

つい

説教じみた事

エムに言っちゃってから

 

「…秘密だって話

 してくれる程

 仲良くなったなら

 なおさら

 そう言うのは黙っててあげないと」

 

つい

フォローのつもりで

 

一言付け足せば

 

「…彼女さんからは

 セリさんとは

 二人っきりで会わないでって

 お願いされてて

 話し辛くなってるんだけど

 …これって“仲いい”のかなぁ?」

 

ぽろっと

エムが

人付き合いの難しさ

吐いたことで

 

無駄に綺麗な見た目の弊害を

エムが

どうしようもない事と

諦めつつも

不本意な様子に

ちょっと

可哀そう…だな

ベクトルの向きが不明な

 

謎の気の毒感が

僕を黙らせた

 

 

  つづく