正直者の憂鬱・ヲ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

「たまには太陽に当たらないと」

 

そんな

お母さんかよ

って誘い方で先輩に連れ出された

 

初めましての

見知らぬ神社の境内

 

子供の頃にも

見た記憶がある

 

何かしらの…

 

「…お祭りだ…っても

 ここ地元じゃないからなぁ…」

 

先輩は

買ったばかりの一眼レフ

首から吊って

スタンバイよろしく

被写体になるものを

きょろきょろと

捜し歩いている

 

その後ろを

 

どういったシーンで使うんだか

カメラの三脚

肩から担いで

 

お供している

 

…態のいいアシスタントな位置

よく知らない土地にまで来て

甘んじて受けているのは

 

「お前…隠す気ないの?」

 

それは

先輩からの忠告

 

誰が誰を好きになろうが

それがどうした?

って時代にあって

 

自由恋愛推奨派

…って訳ではないけど

 

僕が落ちてしまった

恋心

 

かわいいな…とか

好ましいね…とかの

延長ぐらいの感覚だと

 

端から見てる大半の人は

思っているだろう

中で

 

「最初は

 噂を面白がって

 わざとやってるんだと思ってた」

 

僕のガチ加減

先輩には

早い段階で

バレてたらしく

 

だけど

どこかで

 

「まさかなぁ…って思ってたのに…」

 

先輩曰く

それは僕の思慕相手である

彼もそう感じてたらしく

 

親切な人

って位置づけの僕から

 

ちょっと え?ってなる

アプローチを受けたとかで

 

先輩に相談した彼の意向

ぼやかした状態で

確認されてる現在

 

そもそも

先輩がキューピッドになるとでも

言い出すのだろうか?

 

いや それはないだろう

 

只でさえ

普通に話さないもん

 

彼がなんて先輩に相談したのか?

って

一番重要な部分

 

聞きたかったら

言う事聞け

 

からの 現在

 

先輩の趣味の撮影に

荷物持ちで

付き合わされてて

 

その移動中の雑談で

 

少しずつ

気が向いたら

はなしてやるよ

…って事で

 

付いた先が

まさか神社で

しかも お祭りとは…

 

 

「たまたま

 祭り開催予定の前後に雨が続いて

 

 当初の予定をずらしたせいで

 盛り下がり懸念してて

 

 祭り協賛の叔父から頼まれたのよ

 一人でも多くの参加者を集ってくれって…」

 

それプラス

今後の開催前の広告や

地元のPR用にカレンダー

作る予定がある…とかで

 

可能な限り

祭り当日の

写真が沢山欲しいと

 

「叔父のカメラを

 下取りに出して

 好きなカメラを

 買ってもいい…って

 叔父の一眼レフ貰ったから

 

 これが今回のバイト代って事で」

 

首から下げたカメラ

手に取った先輩

 

広報用の写真撮影と

祭りに参加する客の動員

 

ちゃっかり同時進行で

頼まれ事こなしてるの

抜かりない…

とか思いつつ

神社のお祭りとか

もう随分

お久し振りな状況に

 

ワクワクはしてて

 

…小学生くらいまでは

屋台を巡った記憶があって

 

懐かしさ 噛み締めようにも

実際には思い出にある

定番の屋台も

様変わり感半端なく

 

特に

この地域的なモノなのか

 

「屋台…って言っていいの?

 あれ…キッチンカーだよね?」

 

自分の昔の記憶と

まるで違っている

祭りの現場に

 

経年を体感しつつ

先輩の三脚

担ぎ直していれば

 

「…相変わらず

 お前って

 

 考えてる事口から出てんね」

 

先輩が突然

 

妙なことを言ったから

 

え?って顔で

先輩の方を向けば

 

首から下げてた一眼レフで

驚いた顔の僕を

パシャリと写した

 

 

  つづく