正直者の憂鬱・ナ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

「この辺の花とか

 ラベンダーは有名だよね?」

 

そう言って

 

彼の趣味に理解ある格好

つけつつ

 

葉をしごいて

香りの移ったであろう

手のひらを

 

もう片方の手で

こすりあって

いれば

 

 

「…植物詳しいの?」

 

はい来たぁ

僕への興味

 

植物に負けてた

彼からの注目を

 

こちらに誘導できた

 

ものの

 

ここでよく知りもしない知識

彼と話を合わせたとて

 

あれれ?って思われる程度の

情報量だ

 

知ったかぶりを

 

面白い奴ってなるなら

成功だ

けど

 

まじモードの今の彼に

ひやかしかって

誤認されるのは

 

正直

避けたい

 

ぞ…と

 

安全策を取ることにして

 

「全然

 見たことあるって程度だね」

 

正直者で答えつつ

 

「ほら

 今 触ってた

 この葉っぱはさ

 お肉料理とかで

 一緒に焼かれてたりとかさ…」

 

ローズマリー

枝状の細い葉に

 

あれこれ効能があるらしく

 

このハーブを育ててた女の子

居たなぁ…って記憶と共に

 

スパイシーな香り

手のひらに移したの

 

彼の方に差し出しながら

 

「この匂いは有名でしょ?」

 

ね?

って首を傾げれば

 

 

「…そうなんだ…」

 

 

あれ?

って

彼の返答

 

 

ん?ん?ん?

採取に来た君は

染物の染料にするとかで

 

詳しいんでしょ?

って

思ってたんだけど

 

 

「あれ?植物詳しいんじゃ?」

 

彼の

そもそも採取するのを

躊躇してた姿に

厳選してるんだと

思ってたの

 

あれあれ?

聞き返せば

 

 

「…染料は鉱物がメインで

 草木染は今回初チャレンジで…」

 

なんと

 

思ってたのと違った

状況説明に

 

間違った知識

吹聴しかねない

知ったかぶりのうざトーク

しなくてよかった…

 

と内心

ヒヤッとしつつ

 

「なんだぁ…じゃぁ

 なにも分かんないって感じ?」

 

そもそも

何を採っていいのやら

 

って事からの状況だと

解釈して

 

 

「草木染って

 検索すれば

 

 色々情報出てきそうだけど?」

 

 

先ずは取っ掛かり

 

闇雲に選択肢 広げたままより

絞っていこうって提案

 

口にすれば

 

「…いや

 趣味だからさ

 そういう

 的確な情報は避けてて…」

 

ん?ん?ん?

 

僕の提案

スパッと却下されたけど

 

どういう事?って

首をひねれば

 

 

「…気になった草木を

 使ってみたいな…って」

 

ちょっと

はにかんでは居たけど

 

堂々と意思を語った彼は

 

「…だから…

 

 今日はどれもピンとこないから」

 

そういうと

 

手にしていた

採取のためのアイテム

 

片付ける所作

 

あぁ僕がいて

集中できなかったんだ

思いつつ

 

 

「いや 折角なんで

 アイスはまた今度にして…」

 

僕は

僕がここについてきた

意味を

 

只の邪魔って立ち位置で

終わらせたくなくて

 

「…どういうのだと

 ピンときた…って感じになるの?」

 

 

もういいよ

って言ってる彼に

 

違う違う

説明してよって

 

ちょっと

違う角度から

 

うざ絡み

始めてしまった

 

 

  つづく